HANARART会場巡りもいよいよ最終エリアの
「ならまち」です。
まず最初の訪問先は正木家。明治時代中頃の建築です。
正木家の玄関先。ならまちエリアの各会場には
奈良町周辺の花屋さんによるいけ込みが玄関先を飾ります。
正木家 玄関入ったところの作品(作者名チェックせず)
正木家 黒崎創氏↑
正木家 阪井ひとみ氏↑
正木家 岩名泰岳氏↑
正木家 鎌田仁氏↑↓
正木家 池田愛氏↑
招待作家・三瀬夏之介氏の大作。さすがにカッコイイ!
でも、作品一点だけではなく、できれば
この町家全部を三瀬さんの展示会場にしていただければ
さぞやダイナミックで素晴らしいだろうなぁと思いました。
それから正木家 清瀬由紀氏の作品は写真撮り忘れました。
ごめんなさい。
こちらで雰囲気をご覧下さい。
ならまちエリアの2番目に訪れた会場はくるま座。
江戸時代に砂糖蔵として利用されていた建物で
現在は「奈良町家文化館くるま座」として活躍しています。
こちらでは「ハナロジ」さんのいけ込みがお玄関を飾っています。
この会場は河合晋平氏お一人で。
床の節目を埋め尽くす作品。
今回ならまち会場で一番気に入りました。
どれほど節が多い床なのかこうして見ると一目瞭然↓
3カ所目はならまち格子の家です。
格子の家のお花↑
格子の家 岩名泰岳氏↑
蔵の入口に「鹿」に見えないけれど鹿だそうです。
格子の家 いしかわかずはる氏↑
格子の家2階 上山治栄氏↑
格子の家2階 さかえ頭巾氏↑↓
4カ所目は桜舎へ。
桜舎玄関のお花
桜舎 岩名泰岳氏↑
ここで、ちょっと寄り道。
桜舎お隣の「カウリ」さんでは遠藤素子さんの作陶展が開催中。
作家の遠藤さんが奈良倶楽部にご宿泊下さったこともあって
ちょこっと立ち寄らせていただきました^^
5カ所目は森家住宅。
普段は一般公開されていませんが
11月いっぱいまでの土日祝日のみ公開されています。
(公開時間は11:00〜16:00です)
森家玄関のお花は菊花鉢
森家 木村秋美氏↑
森家 Ushio Satoko氏↑
森家 佐久間大治氏↑
森家 岩名泰岳氏↑
この階段を上って行くと・・・
階段の上には岩名泰岳氏の他の作品とは違った絵が。
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10月の3連休が終わって正倉院展までの間のHANARART期間中
週末毎に仕事は忙しかったのですが平日は遠出できる時間もあり
普段中々行けない奈良県中南部の町へ、この機会だからこそと出かけるうちに全エリア制覇を果たしてしまいました。そしてすっかりHANARARTの様子をレポーター気取りで綴ってきてしまいましたが、作品や空間展示、設営に関するコメント抜きのこのような記録的なレポも後日に何かの参考になるのではと思います。
でも。最後に少し個人的な感想も・・・。
奈良の「まちづくり」という面から見ると
その「まち」の雰囲気を味わいに来てもらう「入口」としては
とてもいい企画だと思いました。(アートが好きな私にとっては特に)
地域のまちづくり団体との連携で開催されたイベントであるから、ある程度仕方ないのかもしれませんが、地域在住の作家達のグループ展は、鑑賞者の立場から見ると、わざわざ遠方まで足を運んだ鑑賞者(お客さま)に感動を与えられる作品であったかどうか疑問でした。アートイベントであるけれど、地域内で自己満足な作品は見る者にとってはつまらないと感じました。どうしても作品発表をされるなら、他地域の会場に展示、作品発表するという他流試合を申し込む気概で臨んでほしいです。
グループ展がつまらなく感じたように、一軒の会場に何人もの作家が詰め込まれた会場も、散漫な印象でした。
反対に宇陀松山エリアのように一軒丸ごと一人の作家という会場が多かったところは、会場の町家・空き家も作品もものすごく印象に残っていて、行って楽しかったです。
また、グループ展になっていましたが、郡山の水中美術館のように「金魚」というテーマで統一されたところも見ていて面白かったです。
とにかく、普段は見ることができない、入ることができないおうちにお邪魔できる機会は、大変ありがたかったです。(そういう点では、この催しが実現するまでには、きっと一鑑賞者が想像もできないような大変さがあったことと思います。)
ただ、最終的には鑑賞者(お客さま)がいかに感動し満足するか、これは私達の仕事にも通じることですが(だから開催までの努力は当たり前のことで)、出来上がった展示会場でのアート(作品)にこそ重きを置くことが、より感動を与えられるのだと、町家あってこそではなく作品が優れていてこそのイベントだと、最後のならまち会場を見学してより一層感じました。
できれば一過性の催しに終わらずに、今後も継続して開催していただければ、きっと素晴らしいものになっていくと思っています。
楽しかった3週間でした。