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2016年2月29日月曜日

二月堂修二会2016*参籠宿所入りと、その日の朝の二月堂

『煤煙る登廊にも梅の花』
昨日、入江旧居で催された「初めの一句」という俳句教室で倉橋先生に選んでいただいた一句です。
今年は、参籠宿所の梅の花もはや満開で大変美しく咲き誇っています。
明日からの厳しい行の中で、梅の香りがやすらぎのひとときとなりますように。
本日は練行衆の皆さまの参籠宿所入りで、午前中の二月堂周辺はその準備に、一気に動き出したような活気が満ちていました。

宿所や湯屋の内部は、外から写真撮影することを許可を得て撮影させていただきました。

二月堂へのお壇供・供華の搬入も行なわれていました。今年の写真はこの1枚だけですが、詳しくは過去記事(2013年)をご覧下さい。
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そして午後はいよいよ練行衆の参籠宿所入りとなります。
足元の悪い中、粛々と歩を進めていかれる様子
練行衆の方々の静かな佇まいから醸し出される気配が美しく、 仕事の関係上、時間的に大仏殿裏だけでのお見送りとなりましたが、一瞬でもその同じ空間に身を置けただけでも有り難いことでした。


2016年2月28日日曜日

入江泰吉旧居にて佐藤道子先生の講座に参加*

入江泰吉旧居で開催された佐藤道子先生の講座『お水取りと入江泰吉』に参加いたしました。
ご存知のように、佐藤先生は50年以上も修二会に通って研究を続けてこられ、その成果を「東大寺とお水取り」に上梓され、後に続く者への誘いとして下さった、修二会研究の第一人者ともいうべきお方です。
修二会についてお話をすると何時間でもお話してしまうので、今日の講座ではそれはさておき、修二会で出会った入江先生の思い出と入江先生と親交の深かった上司海雲かみつかさかいうん師のお話を聞かせていただきました。

※以下、講座の詳しい内容を「お水取り大好き」の皆様へ書いてみようと思います。興味のある方は「続きを読む」からどうぞ++

2016年2月27日土曜日

3月のお出かけ情報③〜イベントのご案内


 

◇〜3/6 大和郡山市旧市街地周辺 「大和な雛まつり」
公開日時は各展示会場によって違いますのでご注意下さい。

◇〜3/6 大和民俗公園内 旧臼井家住宅「古民家でひな祭り」
◇〜4/3  奈良県立民俗博物館ひな祭り〜人形達の宴〜
月曜休館/開館時間:9:00~17:00
問合せ: 0743-53-3171

◇〜3/13(月曜日を除く)毎朝10:00~ 約15分間「鹿寄せ
場所:奈良公園飛火野 春日大社参道南側
問合せ:奈良の鹿愛護会(0742-22-2388)
鹿寄せのブログ内記事はこちら

◇3/1~3/31 10:00~16:00 高取町土佐街なみ「町家の雛めぐり」
かつて2万5千石の城下町として栄えた土佐の街並み。
その町家で大切に保管されたひな人形。
約100軒のお雛様を町並みのあちこちに展示しています。見学無料。
2009年に訪れた時のブログ内記事はこちらに。

◇3/6 13:30~15:30「きたまち大学校
会場:奈良女子大学S棟235室
内容:『近世の奈良町と奈良奉行所』
講師:氷室神社文化興隆財団代表理事 大宮守友先生
資料代:100円
事前申込み:不要

◇3/19~12/11 9:00~17:00 若草山「開山」

◇3/20・3/21 若草山「鹿せんべいとばし大会」
10:00スタート→15:00終了 
参加費300円、各日先着500名。雨天の場合は延期。
問合せ:0742-22-3626

◇3/23〜4/3「さほとり〜佐保川のほとりの創り手たち〜」
会場:県立図書情報館2Fエントランス
(このイベントの詳細は後日ブログアップします)

◇3/25〜4/9「大和郡山お城まつり
問合せ:07435-52-2010

◇3/26「東アジア文化都市2016」オープニング
16:00〜シンポジウム 会場:東大寺金鐘ホール(200名募集)
18:30〜オープニングステージ 会場:大仏殿前庭(1000名募集)
どちらも参加費無料/申込み制(申込み締め切りは2/29
申込みの詳細はこちら

◇3月下旬〜4月上旬 18:00~21:00「石舞台古墳・夜桜ライトアップ
桜の開花時期によって開催日が前後します。
問合せ:0744-54-4577

2016年2月26日金曜日

3月のお出かけ情報②〜秘宝秘仏公開

春まだ浅き奈良大和路の寺社特別拝観のご案内です。
奈良への旅のご参考にどうぞ++
◇〜6/30 長谷寺「本尊大観音尊像特別拝観・春季特別寺宝展」
問合せ:0744-47-7001

◇3/1 慈眼寺「聖観世音菩薩特別公開」(但し祈祷者のみ)
問合せ:0742-26-2936

◇3/1~3/31 大安寺馬頭観音立像特別公開
天平時代の秘仏 日本最古の馬頭観音立像を特別開扉。
問合せ:0742-61-6312

◇3/1~3/31 壺阪寺雛曼荼羅公開
問合せ:0744-52-2016

◇3/1~5/31 壺阪寺三重塔初層特別公開
問合せ:0744-52-2016

◇3/1~5/31 不退寺春季特別公開
在原業平画像や伊勢物語、古今和歌集などが公開される。
問合せ:0742-22-5278

◇3/1~5/31 安倍文殊院春の寺宝展
問合せ:0744-43-0002

◇3/1〜5/8     薬師寺仏教と刀」展
◇3/1〜6/30 薬師寺玄奘三蔵院伽藍・大唐西域壁画公開
平山郁夫画伯の大唐西域壁画の公開です。
◇3/1〜6/30 薬師寺西塔初層内陣 釈迦四相像特別公開
問合せ:0742-33-6001

◇3/6 9:00~16:00 東鳴川観音講「不空羂索観音坐像」
興福寺南円堂が1180年に焼失する以前の不空羂索観音坐像の姿を模したものと考えられる不空羂索観音坐像の特別開帳(毎月第1日曜日)
問合せ:0742-34-5369

◇3/6~3/13 帯解寺秘仏特別公開
安産祈願の古寺で、本尊の地蔵菩薩(重文)はじめ、三面六臂大黒天蔵や虚空蔵菩薩坐像などの秘仏、春日赤童子画像などの仏画が特別公開されます。
問合せ:0742-61-3861

◇3/8  浄瑠璃寺「国宝三重塔初層開扉日
問合せ:0774-76-2390

◇3/12  伝香寺 
「本尊釈迦如来・南無仏二歳像と地蔵菩薩像納入品特別公開」
奈良の三大名椿のひとつ散り椿で著名なお寺。
「はだか地蔵尊」と愛称される地蔵菩薩像(重文)は月曜日以外拝観できます。
問合せ:0742-22-1120

◇3/12〜4/17 室生寺金堂外陣からの特別拝観
間近に金堂内の諸仏を拝観できます。
問合せ:0745-93-2003

◇3/16 當麻寺中之坊導き観音ご開帳
問合せ:0745-48-2001

◇3/17〜3/23 福智院「宝冠の十一面観音像」
問合せ:0742-22-1358

◇3/20~4/7 法華寺国宝十一面観音立像特別開扉
光明皇后の姿を彫り上げた伝わる平安初期の仏像です。
問合せ:0742-33-2261

◇3/20~6/30 法隆寺大宝蔵殿での秘宝展
国宝・重文指定される宝物が2300点余りある法隆寺で、通常拝観できない寺宝が春と秋の年2回特別公開されます。
問合せ:0745-75-2555

◇3/20  浄瑠璃寺「国宝三重塔初層開扉日」
◇3/21~5/20 浄瑠璃寺秘仏吉祥天女像特別公開
吉祥天女像厨子の扉絵も一見の価値ありです。
問合せ:0774-76-2390

◇3/23~4/7 海龍王寺十一面観音特別開帳
錐金文様の美しい仏様です。境内の雪柳も見頃でしょうか。
問合せ:0742-33-5765

2016年2月25日木曜日

3月のお出かけ情報①〜寺社伝統行事

春の訪れが待ち遠しい季節になりました。
奈良に春を呼ぶといわれる東大寺二月堂の「お水取り」から、春爛漫の花々咲き誇る頃の薬師寺「花会式」まで、3月に行なわれる伝統行事をご案内します。
◇3/1 二の午(初午)厄除祭
慈眼寺8:00~19:00・西大寺9:00~15:00 ・松尾寺5:00~17:00
岡寺11:00~
 
◇3/1~3/14 東大寺二月堂「修二会(お水取り)」
修二会の主な行事予定についてはこちらを参照に→

◇3/1~3/18 法華寺古代ひな人形展
歴代天皇より賜った御所人形など約100点が展示されます。
問合せ:0742-33-2261

◇3/2 10:30〜 喜光寺行基会大祭
中風除・ガン封じの祈祷・住職の法話や、おぜんざいの接待
14:00~柴燈大護摩会 ・火渡り
問合せ:0742-45-4630

◇3/5 10:00~ 興福寺本坊北客殿「三蔵会
問合せ:0742-22-7755

◇3/6 調田坐一事尼古神社「お田植え祭」

◇3/9 14:00~15:30 正暦寺人形供養
問合せ:0742-62-9569

◇3/13 9:00~ 春日大社「春日祭(申祭)」
王朝絵巻さながらの春日大社の例祭です。
参道からのみ拝観可能。
問合せ:0742-22-7788

◇3/13 10:00~12:00 宝山寺般若窟柴燈大護摩供
問合せ:0743-73-2006

◇3/13 二の午厄除祭
松尾寺  ・岡寺

◇3/13 14:00〜 大安寺馬頭観音厄除法要
馬が牧草を食むように諸々の悪を食いつくし災厄を除く厄除の仏様として信仰されている馬頭観音像。法要では護摩が焚かれ災厄除けの「秘文神符」が授与される。
問合せ:0742-61-6312
 
◇3/15 11:00~ 春日大社「御田植神事」

◇3/21 10:00〜15:00 菅原天満宮筆まつり
毛筆作りの元祖として仰がれている中国の蒙恬画像を拝殿に掲げ、祭典が行われ、その後参拝者は書の上達を祈願する。当日は使用済みの筆を無料で新しい筆と交換してくれる。使用済みの筆は筆塚の前に集めて供養され、筆に感謝の意をささげ、護摩火の中に投げられる。
問合せ:0742-45-3567

◇3/21 8:00~ 長谷寺弘法大師 正御影供
問合せ:0744-47-7001

◇3/22~3/24 13:00~ 法隆寺「お会式」
聖徳太子の遺徳を讃えて行う法要。
聖霊院では本尊聖徳太子摂政像が開扉。
問合せ:0745-75-2555

◇3/23 13:00~ 薬師寺金堂「お身ぬぐい」
問合せ:0742-33-6001

◇3/25・3/26 9:00~17:00 安部文殊院「文殊お会式」
両日とも16:30から智恵のお餅まきが行われる。
問合せ:0744-43-0002


◇3/25~3/31 薬師寺金堂「修二会 花会式」
ブログ内過去記事はこちら→2012★ 2015★
修二会薬師悔過法要 3/25~3/31:各日19:00~/3:00~/13:00~
※3/25は19:00~の法要のみ
※3/31の19:00~の法要に限り、堂内に入るには入堂券が必要です。

◇3/31 20:30頃〜花会式結願を飾る「鬼追い式

2008年の「鬼追い式」のブログ内記事はこちら→

2016年2月24日水曜日

「お水取り」関連の展示会場を回る*

「お水取り」に関連した展示会場を一気に回ってきました++

「奈良市写真美術館」
入江泰吉〜冬の東大寺とお水取り』 3/27まで
「十二人目の練行衆」と呼ばれた入江泰吉の「お水取り」取材は、終戦の翌年の昭和21年から始まり、それから30余年欠かさず参籠し、「お水取り」のすべてを記録したといいます。行法作法のみならず、練行衆の日常や行法を支える人々の姿まで写し撮られた写真の数々。
・・・入江先生のお水取りの写真はすでに何度も目にしているのですが、冬の東大寺の作品には、私が中学3年間と卒論のため図書館に通い詰めていた大学時代の奈良で過ごした年代に撮影された写真が何点かあり、同じ年に同じ街で同じ空気を吸っていたというだけで懐かしさがこみ上げてくるような郷愁を感じてしまいました。
儚げで美しい東大寺。入江先生が撮られる東大寺は本当に美しいです。

「奈良国立博物館」
 『特別陳列 お水取り』3/14まで(お水取り期間中は休み無し)
実際に修二会で用いられた法具などが展示されて、修二会好きにはたまりませんが、個人的には、杉本健吉画伯の「修二会画帖」がたまりません!(墨画の味わいも何もかも)
奈良博にも東大寺ミュージアムにも、籠松明が展示されています。
その大きさを間近に見てぜひ実感してみてくださいね。
それから、奈良博で同時に開催中の「伊豆山神社の歴史と美術」展も見応えありました。

東大寺ミュージアム
東大寺ミュージアムでも3/21までお水取りに関連した展示が行なわれていますが、その中でも特筆すべきは「二月堂本尊の光背残欠」!
保存修理後、初公開です。表と裏の両面が見られるようになっていて、裏側の線刻は初めて見られるようになりました。
(奈良博では拓本が展示されています。)
また、聖武天皇陵近くにかつてあって廃寺となった「眉間寺みけんじ」 本堂の仏様もいらっしゃって、こちらも素晴らしいのでした。

クロネコならTABIセンター2階
野本暉房写真展「悔過懺悔の祈り」3/31まで
「修二会」とは、旧暦二月に営まれる法会のこと。
東大寺二月堂、薬師寺、新薬師寺、長谷寺の修二会を、特別な許可を得て撮影した写真約30点が紹介されています。
二月堂修二会「お水取り」14日の尻つけ松明。
お水取りの「一徳火」の様子。(一徳火は昨年から撮影禁止になっていますので貴重な写真です。)
長谷寺「だだおし」
新薬師寺「おたいまつ」
薬師寺「花会式」
それぞれの別名を持つ修二会の魅力が伝わってくる迫力ある写真ばかり。会場は、東向き商店街と餅飯殿センター街の間の三条通りにありますので、是非お立ち寄り下さいませ。

2016年2月23日火曜日

二月堂修二会2016*「注連撒きと注連縄張り」

「社参」のあと、二月堂鎮守の遠敷おにゅう社、飯道いいみち社で清められた注連縄が、堂童子によって撒かれる「注連撒き」が行なわれました。
堂童子さんから受けた注連は、童子さん達によって練行衆や行に関わる人達の家の門口にかけられて結界が張られ浄められます。
遠敷おにゅう社での注連撒き。
飯道いいみち社でも、勢いよく撒かれた注連縄を下で待つ童子さん達が地面に落とさないように受け取ります。この時、地面に落ちた注連縄は「塵」と称して使用されません。

「注連撒き」の後に行なわれるのが「注連縄張り」
こうして二月堂周辺に結界がはられ、清浄な場が保たれるのです。
紙垂しでと樒しきみをはさんだ注連縄。
神道で使われる紙垂と仏教で使われる樒が一つの注連縄に使われる修二会の注連縄は、その両方の要素を含んだ独特のものなのです。


この日、「塵」となった注連縄をいただいて帰りました。
(「ちゃんと期間中は精進潔斎するんだぞ」と童子さんから言われてしまいましたが)
裏参道の土壁からは逞しくも雑草が花を咲かせていました。
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「社参」を追っかけしている時は暖かに感じたのでしたが、「注連撒き」をじっと待っている時は足元から冷えてきて、つくづく奈良の底冷えの寒さを体感しました。
お水取りが始まっても奈良の底冷えは厳しいものがありますので、修二会にお出かけの際には、防寒に充分お気をつけてお出かけ下さいませ。

2016年2月22日月曜日

二月堂修二会2016*「社参」

一日中降り続いた前日の雨が嘘のような青空の日曜日。
昨日21日は「お水取り」の練行衆が、行中の無事を祈願して境内諸堂を参拝して回られる「社参」がありました。
13時ちょうどに練行衆の方々は戒壇院別火坊を出発して、八幡殿参拝。


大仏殿参拝。
大仏殿から南大門の方へ、天皇殿を参拝。


大仏殿東の猫段や大鐘のところや法華堂下の石段あたりに差しかかると
平衆が法螺貝を吹かれます。


その後、開山堂を参拝して湯屋に向います。
この時、閼伽井屋の前辺りでも法螺貝が吹かれます。
13:30頃より湯屋に入り、練行衆の方はここで、本行への覚悟を決めさせられるのです。(「試みの湯」)
14:00頃、湯屋より出られて二月堂へ。
聖武天皇陵に向って参拝。
南の石段を通って興成社の前を通り、解散となります。
この「社参」は26日にも行われます。
(※今年2016年は閏年なので26日。通年は25日です。)

1265回目のお水取り練行衆 配役は・・・
和上    筒井寛昭・龍松院住職
大導師   橋村公英・正観院住職
咒師    上司永照・持宝院住職
堂司    森本公穣・清凉院住職
北衆之一  上野周真・真言院住職
南衆之一  尾上徳峰・祥明寺(熊本県荒尾市)住職
北衆之二  池田圭誠・金龍寺(奈良市)副住職
南衆之二  佐保山暁祥・宝珠院住職
中灯    筒井英賢・新禅院住職
権処世界  中田定慧・隔夜寺住職
処世界   北河原公慈・中性院徒弟
(今年は当初の配役より4名の変更がありました。)