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2013年1月20日日曜日

秋篠寺へ*

井上博道先生を偲ぶ場所として次に訪れたのは
生前の先生が先輩にお奨めされた秋篠寺です。

久しぶりの秋篠寺。
いつもと変わらず、苔の庭は瑞々しく美しかったです。
素朴で飾り気がないように思うのですが、風格ある美しさを持った国宝の本堂。(創建当初は講堂として建立され、金堂の焼失以後 鎌倉時代に大修理を受け、以来本堂と呼ばれてきたもの)

先輩の話によると、東京駅も新幹線の中も秋篠寺の伎芸天さまでいっぱいだったとか。
ちょうどJR東海の「うましうるわし奈良」キャンペーンは”秋篠寺篇”になったばかりで、私達が訪れた日はそれほどの人もなく、ひっそりと静かな境内でしたが
梅の蕾がほころぶ頃には、多くの人たちが訪れることでしょうね。

2013年1月19日土曜日

冬の長谷寺と与喜天満神社*

写真家・井上博道先生のお別れ会参列のために、前日より奈良倶楽部宿泊の、大学時代の先輩Emikoさんと一緒に、先生の初期写真集の代表作でもある「室生寺」を見たいと出かけました。

まずは、1/17に訪れた長谷寺の様子です++
14日に降り積もった雪がいたるところに残っていましたが、色とりどりの寒牡丹が迎えてくれて、その色合いに寒さも忘れるくらい。
こんなにたくさんの寒牡丹を見たのは、実は初めてで、お花を期待しないで訪れたので、思わぬ眼福にハッピーな気分を味わって♫



しばらくすると小雪がちらついてきて、残雪もすごかったので
このまま室生寺に向かうよりは、長谷寺でゆっくりしようかなと
あっさりと「室生寺」をあきらめて
進路を変更して、一度訪ねてみたかった与喜天満神社へ行くことに。
2年前に奈良国立博物館で与喜天満神社の特集展示がされていましたが
それまでこの神社のことは知りませんでしたので、いい機会でした。
参道入口の鳥居は長谷寺に入るところ、すぐそばにあるのです。
今まで何度か通っていたけれどあまり気に留めていなかったのですね。
その鳥居からは急な階段で、本殿はかなりの高所に建っています。
14日の大雪の日は風も強くて、たくさんの木がなぎ倒されていました。
もうすぐ花粉の季節到来・・・。
江戸時代初期の手水石。
こちらは奈良国立博物館で特集展示されたときのものですね。
ご本殿は更に一層高いところにありました。

  
境内に掲げられている説明書↑から、ここが菅原道真公を祀る日本最古の天神社であり、天照大神が天上から初めて降臨された地であることも知りました。
与喜天満神社の公式サイトを見て、初瀬という土地の持つ凄さをあらためて認識した次第です。

最後に、桜井天理エリアの地域情報誌「やまとびと」が営むカフェでほっこり。

先輩を室生寺までお連れできなかったけれど、また何時かのお楽しみにということで、博道先生の思い出話に花を咲かせた道中でした。

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翌日は、井上博道先生のお別れ会。
会が始まる前の午前中に、井上先生がEmiko先輩にお奨めされていた
秋篠寺の伎芸天を見に行くことにしました。(・・・続く)

2013年1月18日金曜日

映画「紫」と、お水取りの椿の色*

先日は大阪十三へ。
江戸時代から続いている京都の染色家「染司よしおか」の5代目当主である吉岡幸雄さんにスポットを当てたドキュメンタリー映画「紫」を見に行ってきました。(注:映画の上映は1/18で終了しています。)

吉岡さんは、先代から当主を引き継ぐ際に、古代の手法のままである天然染料に戻すと決められました。
植物と澄んだ京都の湧き水によって生み出される天然の色からは、化学染料では表現できない深みと美しさが醸し出されています。
でも、現在の地球の気候変化では、そうした染料の材料となる植物が育たなくなってきているということも・・・。

映画では、吉岡さんが、染料の材料を育てる植物農家を説得し、染物植物を栽培するところからかかわっていく姿や、植物だけで染め上げることにこだわり抜く染色家としての生き方、ものづくりのあり方、人間と自然の向き合い方などを、美しい映像で追っていきます。

また、吉岡さんが全幅の信頼を寄せる染め職人・福田さんの、工房での仕事の様子などからは、優雅な色に染め上がった作品からは想像できない厳しい仕事ぶりや職人としてのプライドなども垣間見えて、吉岡さんと福田さんの二人三脚で共に歴史的手法を追求し、伝承させようとする男のロマンのようなものを感じました。

そのような映画の中で、一番興味を持ったのはこちらの椿。

「お水取り」で二月堂須弥壇を荘厳するための椿の花拵えの場面です。
紅花のみで抽出し染色した紅和紙や梔子クチナシで染めた黄色の和紙を代々納めているのが吉岡さんの工房なのです。

練行衆11人で約500個の椿を作り上げる花拵え。
紅色、黄色に染め上げられた和紙はそれぞれ60枚ずつ必要になるそうで
1枚の和紙を染めるのに必要な紅花は1kg、60枚なので60kgの紅花が必要となるのですが、以前からの産地・山形だけでは紅花が足りず、伊賀上野や近年は中国からも取り寄せているのだということ。
また、昔ほど紅花に色を抽出する力が無くて、同じ色を出そうと思うと、今は1.5倍の量の紅花が必要になると仰ってた染め職人の福田さんの言葉も印象的でした。

上の写真はすべて2003年3月発行の「家庭画報」の特集記事から撮ったものです。10年も前の雑誌ですが
東大寺大仏開眼1250年慶讃大法要に際して、吉岡さんが心血を注いで
再現した、植物染めによる天平の彩の世界が、25頁にもわたって特集されていて、今読み返しても勉強になることばかりです。

その年の植物の出来によって、紅色も違ってくるという話に関連して

こちらは以前に S先生からいただいた椿の花ですが
紅花で染められた赤を見比べてみると微妙に違うことがわかります。

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家庭画報の特集ページの他の写真もアップしてみます。






染色家・吉岡幸雄さんを追ったドキュメンタリー映画「紫」を見て
久しぶりに読み返した「家庭画報」・・・。
古代の染色技法によって染め出された美しい色の数々が、大変な苦労と困難の中で生まれでた色であるということがよくわかりました。