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2010年12月30日木曜日

ありがとうございました。


年末は遠方からお越しのお客さまが多かったりします。
奈良が目的地というよりは、帰省の途中にという旅の方が多いのです。

今朝チェックアウトのお客さまは九州から車で旅行中。
最終目的は関東に住む娘さん宅でお正月を過ごすことだそうで
その道中、奈良倶楽部にご宿泊いただきました。

そのお話を聞いて、いつか私達も仕事をリタイアした時に
子供達のところでお正月をゆっくり過ごすのも楽しみなこと
と、妄想が弾けるくらい膨らんでしまったのですが(笑)

このような、お客さまとのちょっとした会話のやりとり。
お客さまがどういう旅をしてらっしゃるのか
奈良ではどこに行かれたのか、奈良の印象はどうだったのかなど
旅の呟きをお聞きするのも仕事の中での楽しいひとときです。

今年の奈良はメディアでも随分取り上げられましたので
久しぶりに奈良へ行ってみようという方も多かったようです。
10年ぶりの、10数年ぶりの奈良倶楽部という方も何組もいらっしゃいました。何年も前に泊まった小さな宿を覚えていて下さったのがとても嬉しかったです。

また一年の間に2度、3度とリピートして下さったお客さまも多かったのです。皆さん「奈良は深くて広くて面白い」と、朝早くから夜遅くまで思いっきり奈良を楽しまれていました。

「そうそう頻繁には来れないけれど、近い将来必ずまた来ますね。」と
ご出発の時に嬉しい言葉をかけて下さったお客さまもいらっしゃいます。

トップの画像は、香港からのお客さまが残されたメッセージカード。
「必ずまた来ます!」と力強くおっしゃって下さいました。
「ありがとうございます。またのお越しをお待ちしています!」

そう、「またここに来れたら、来てみたい」と思っていただける
そのような宿でありたいと、これからも日々精進していくつもりです。

今年一年を振り返って。
奈良倶楽部にご宿泊いただきましたお客さま。
本当にどうもありがとうございました。
そしてこれからもまたどうぞ宜しくお願い申し上げます。

2010年12月29日水曜日

2010年の良き思い出*「祈りの回廊」巡り


今年、奈良県では、一年を通して、平城遷都1300年を記念した
『祈りの回廊〜奈良大和路 秘宝・秘仏特別開帳』が開催され
中々拝観できないような秘宝秘仏が特別に公開されていました。
50ヶ所を超える社寺での秘宝・秘仏特別公開。私自身も
できるだけ時間のある時に「祈りの回廊」巡りを楽しみ
今年一年の個人的な思い出ランキングでも上位に入る程
2010年という年の記憶に残る出来事となっています。

個人的な記録メモですが、下段に私が巡ったところと
簡単な思い出を日付順に記してみました。(★印はブログ内記事です)

2月
「中宮寺 表御殿室内」特別公開
門跡寺院の奥の奥を公開していただけるなんて!と
「祈りの回廊」巡りのこれからの一年に期待も高まるスタートでした。
「元興寺の国宝・禅室 影向間」特別公開
秋の屋根裏探検をこの時から期待して待っていた記憶があります。
「法隆寺 伝法堂の内陣諸仏」特別公開
冬のオフシーズン中でも特別公開をすれば
これだけ多くの観光客が来られるのだとしみじみと実感。

4月
「五劫院 五劫思惟阿弥陀仏坐像」特別開帳
同じ町内の五劫院に拝観の人がこれほど多く来られたのを
間近に見て「祈りの回廊」の実力を感覚的に感じた。
「頭塔」特別公開
事前予約無しで拝観できるっていいよー。

5月
「霊山寺 三重塔初層内陣」特別開扉
薔薇の花が咲き誇る頃に合わせての特別開扉なので
両方合わせて楽しめるのがよかったです。
「春日大社 夫婦大国社 御前立神像」特別開扉
春日大社は「祈りの回廊」に参加するだけでなく
遷都1300年記念に独自の取り組みを色々されていて
お客さま方にもとても好評でした。
「璉珹寺 阿弥陀如来立像」特別公開
こちらも美しい花の時期に合わせて拝観できたのが印象に残ってます。
「石上神宮 国宝七支刀」特別拝観
1300年どころではない1650年も前の七支刀を拝観でき大感動。
「祈りの回廊」の充実ぶりはすごい!とまた感動。

6月
「法華寺 名勝庭園」特別公開
名勝庭園の杜若の盛りも過ぎていてちょっと残念だったけれど
お気に入りの庭園「華楽園」の花々に心癒されてました。
「當麻寺 東塔・西塔初層」特別開扉
両塔特別開扉をきっかけに當麻寺全体をゆっくり拝観できたのが何より。
「松尾寺 役行者像」特別開帳
私が巡った中でのベスト1が松尾寺の役行者像!
思い出すだけで幸せな気持ちになるのです。
「矢田寺と東明寺」特別開帳
矢田寺では、ボランティアガイドの方のさり気なく気配りされた
ガイドぶりに好感が持てました。ありがとうございました。

8月
「薬師寺 東塔初層」特別公開
「西大寺 愛染堂客殿内部」特別公開(ブログ内記事は上と同じ)
猛暑の8月でしたが、空いてる時間に出来るだけ巡ろうと
この日はポイントを稼ぐような気持ちで回ってしまった。反省。
でも20年ぶりに訪れた西大寺がすごくいいお寺だとわかって嬉しかった。

9月
「金峯山寺 金剛蔵王権現像」特別公開
100日間の公開期間中に必ずもう一度行こうと思いながら、私自身は行けなかったけれど、奈良倶楽部のお客さまにはお奨めNO.1のところでした。皆さん感動して帰ってこられるので、こちらもその感動のお裾分けをいただいた特別な100日間でした。あの大きな蔵王権現像の前では自分が幼子になったような素直な気持ちになれて、こちらも役行者さんつながりなので、今年は役行者さんがぐんと身近な人になりました。

10月
「元興寺 国宝禅室の屋根裏探検」
国宝の建物の屋根裏に上がって、飛鳥時代の建材を直に触ってみる。
これって凄いことでしょ!ワクワク楽しくって凄いこと。
こんな素敵な企画を考えてくれるなんて「祈りの回廊」サイコー♡
「不空院 不空羂索観音坐像」特別開帳
元興寺と同じ日に拝観したので印象が薄くなってしまった。
こういう拝観の仕方はよくないなと、ちょっと反省。
「宝山寺 獅子閣」特別公開
宝山寺でも、職員の方が丁寧に説明して下さって
お寺の方が文化財に対して愛情と誇りを持ってらっしゃるのがよく伝わって
そういう意味でも大変有意義でした。
「海龍王寺 十一面観音像」特別公開
こちらの十一面観音像は本当に美しくて、優美な姿に見惚れてしまうのです。
先代ご住職が模刻した仏像88体も公開されていて、その素朴な姿には何か感じるものがあります。この時は金網越しだったのですが、今はアクリル板越しになったそうです。

11月
「圓成寺 寺宝」特別公開
紅葉の時期と重なって、秘宝秘仏と紅葉狩りと二つ楽しめるのがいいですね。
「円照寺 庭園」特別公開
事前申込みの競争倍率はすごかったらしいです。
こういう機会に恵まれましたことに感謝です。
「浄瑠璃寺 吉祥天女像」特別公開
上の円成寺も浄瑠璃寺も紅葉が美しいお寺なので
秋の一日をのんびり遠足気分で楽しめるのです。
でも、観光シーズン真っ直中の私はそれどころではなく
忙しい時間をやりくりしてのピンポイント拝観だったのでした。
それでも紅葉の美しさに心が洗われお参りできてよかったとつくづく思ったのでした。
「大安寺 十一面観音立像」特別公開
12月に入ったらもう少し回れるかなと思っていたのですが、
11/30の大安寺が最後の拝観になってしまいました。
隆盛を誇り栄華を極めた南都七大寺の一つだった時代の大安寺を想像しながら
境内に佇むも、本堂の中は、ストーブに火が入り、一面に並べられた座布団の様子がどこか檀家寺のような感じで、これがまた今の奈良のイメージと重なるように思えて面白いなと。

・・・と、こんな風に楽しみながら拝観しておりました。

私がようやく「祈りの回廊」という言葉の意味を噛み締められたのは、6月紫陽花の季節に訪れた矢田寺、松尾寺での拝観でした。
過去記事と重なりますが、その日のブログに書いた文章を少し要約してもう一度記します。

矢田寺では、ゆっくり寛ぎながら、とても気持ちのいいお参りができました。
それというのも、ボランティアの方の大変詳しい説明がよかったことや、お寺の方達が親しみのある接客態度でご案内して下さるなど、いろんなことが相乗的に起こったからで
モノ(秘仏)だけではなく、人というか、おもてなしの心も、寺院の中であっても大事なことだとしみじみと思いました。

また、松尾寺の役行者像にすごく感動したのですが、その背景として考えてみたことは・・・。
像を造った当時は勿論、その像が守り伝え続けてこられたのは
人々の祈りや願いや尊敬や諸々の目に見えない気持ちが
そこに昇華していて、結果として形ある像があるのではないかと
いつも思うのです。芸術と言われる作品にはそういう魂がこもっていて
その昇華したエッセンスが見る人の心を打つのではないでしょうか。
数々の仏像しかり。唐招提寺の鑑真和上像にも東大寺の重源上人像にも
造られた背景、造ろうとした人々の気持ち、
それを大事に護り伝えて来た人々の気持ちが
そこに刻印として残っているように感じます。
この役行者像にも同じようなものを感じましたが、それ以上に
この行者さんの慈悲深いまなざしを見ていると、不思議ですが
何でも包み込んでくれるような大らかな温かさも感じるのです。

矢田寺の地蔵菩薩立像も、自然と手を合わせて祈願してしまう、
素直になれる不思議さを持っているお地蔵さんだったし
役行者さんもしかり。
秘宝秘仏というのを「めったに見られないものが今だけ特別公開」的に
捉えていたのでしたが、そうじゃない。
この「祈りの回廊」の奥深さ、底力、本物の凄さというものを
今日つくづく理解できたのは一つの収穫だったかもしれません。
青字が過去記事からの文章です。↑)

また、観光面での集客ということにおいても
特別拝観の時期を、アジサイ寺として名高い矢田寺の
紫陽花の開花時期に合わせて6月に設定されたことや
近辺のエリアのお寺も同時期に合わせられたことによって
「エリア」という面と、各寺院(点)を「巡る」という動線がうまく機能して、今後の一つのモデルになるのではと思いました。

で、もう一つ。観光面での集客という点で考えた場合
今年の正倉院展の時期に開帳される所が重なり過ぎ
飽和状態のようにも思いました。
2月の法隆寺や中宮寺、6月の矢田寺地域、9〜12月の金峯山寺のように、オフシーズンな時期にも特別開帳していただけるよう
来年以降のこの事業の継続と、意志あるコーディネート力を望みます。

最後になりましたが、「祈りの回廊」事業で素晴らしいガイドぶりを発揮され、私を含め多くの方に感動を与えて下さったボランティアグループの「ナント・なら応援団」の方々へお礼申し上げます。どうもありがとうございました!

「ナント・なら応援団」についての詳しいことは
『日々ほぼ好日』さんのブログをご覧下さい。  

トップの画像は水面に映った當麻寺東塔の水煙。

2010年12月28日火曜日

1月のお出かけ情報①〜「秘宝秘仏特別開帳」

新春に合わせて特別開帳されます秘宝秘仏のご案内です。

◇1/1~1/3 霊山寺「薬師三尊特別公開」
かや材一木造りで62cmの薬師如来が公開。
脇侍の日光・月光菩薩の光背には十二神将が描かれている。

◇1/1~1/3 慈光院「なき龍 本堂絵天井特別公開」

◇1/1~1/3 法隆寺「舎利殿・絵殿特別公開」
南無仏舎利を納める南無仏舎利塔は13:00からの法要の間参拝可能。

◇1/1~1/3 聖林寺「秘仏・宝蔵天、弁財天開扉」

◇1/1~1/3 浄瑠璃寺「三重塔内 秘仏・薬師如来公開」 9:00~17:00

◇公開中〜1/5 薬師寺「玄奘三蔵院伽藍・大唐西域壁画殿特別公開」

◇1/1~1/10 信貴山朝護孫子寺「奥秘仏・毘沙門天王御開帳」

◇1/1~1/10 信貴山千手院「秘仏公開」

◇1/1~1/15 薬師寺「国宝・吉祥天女画像特別公開」
光明皇后を描いたものと伝えられている国宝の秘仏です。

◇1/1~1/15 浄瑠璃寺「秘仏・吉祥天女像特別公開」10:00~16:00
※1/8~1/10 浄瑠璃寺「大日如来特別公開」10:00~16:00

◇1/1~1/16 室生寺「五智如来・両界曼荼羅特別公開」

◇公開中〜1/25 安倍文殊院「獅子から降りた文殊菩薩」

◇1/1~2/28 當麻寺「布袋尊百童子屏風ご開帳」

◇1/1~1/31 石光寺「弥勒堂開帳」

◇1/15~2/4 西大寺「愛染明王坐像特別公開」

◇1/15~2/4 西大寺「聚宝館特別開館」

(トップの画像は大神神社の大絵馬)

お正月以降の「寺社伝統行事」のご案内は
新年になってから記事のアップをしたいと思います。
宜しくお願いします。

2010年12月27日月曜日

ご注意くださいませ*

最近びっくりするような場所で鹿と遭遇することがよくあります。
冬になると奈良公園の芝も青々としたところが少なくなりますので
餌を求めて市街の中へもどんどん姿を見せるようになるのでしょう。

通りの向こうからこちらへ。
車の多い車線も、みんなで渡れば怖くないとばかりに
平気でどんどん歩いてきて、時々ひやっとすることもあります。
運転中の皆様、どうぞお気をつけてご注意くださいね!

::

おまけの画像
今まで撮った鹿写真でブログにアップしそびれていたものなど☆

 
僕、瞑想中〜。

 
私、歯磨き中♪

 
俺たち取組中〜。

 
私達、おねだり中よ♪

2010年12月26日日曜日

「観るを楽しむ」


というラベルで美術鑑賞記などを書いているのですが
しっかり書かないととか、ちゃんと調べてからとか
そんなことを考え出すと 書くことがプレッシャーになって
ちっとも「観るを楽し」めなくなってしまっているこの頃。

あ、いえ。観ているときはとっても楽しいのです。
美術鑑賞は私の楽しみの一つ。一番の楽しみでもあります。

ただ、帰ってからそれをブログにアップしなきゃと思うと
近頃はちょっと気が重くなるのです。
そう、この時期はパソコンの前にゆっくり座っている時間なんて作れませんものね。そうして延び延びにしているといつまでたっても
あの記事書けてない・・・と、負担になってくるので
今日は心の大掃除。溜まりに溜まった負担を
画像アップ中心・簡単文章で軽くしちゃいましょう。
(トップの画像は松柏美術館の庭に咲く山茶花)

先日、写真美術館では
こちらを鑑賞。
もちろん鑑賞記はこの方に丸投げさせていただきます。(サンキュ!です)

この日は出かける前に、来月の若草山山焼きの日にご宿泊予約の
お客さまから、撮影ポイントでお奨めのところを教えてほしいと
お電話があって、 会場にいらっしゃった日本経済新聞社賞受賞の
野本さんにお奨めポイントのアドバイスもいただけました。
展示された3名の方の受賞作品はどれもこれも素晴らしく
奈良っていいなぁと写真を通して再認識。


そして、この時一緒に鑑賞した夫が
「會津八一と奈良の写真家−工藤利三郎・小川晴暘・入江泰吉」展の
小川晴暘さん撮影の法華堂金剛力士像を観たいと言ったところから
後日、金剛力士像が展示中の「なら仏像館」にも行ってみることに。

ただ、国立博物館「なら仏像館」の方は休館中でした。(1/2から)
西新館で開催中の「珠玉の仏教美術」展と「国宝を味わう」展も
もう一度観たいので、お正月のお楽しみにまた再訪いたしましょう。

ならば、ということで小川晴暘さんの「飛鳥園」へも足を延ばして。

あ、どうぞこちらです。
りっぱな牡鹿が案内してくれました。

普段、私は美術館へはほとんど一人で訪れています。
美術鑑賞好きなら、自分のペースで観て回りたいですものね。
でも近頃は夫も一緒のことが多く、今回「飛鳥園」を初めて訪問して
いたく気に入った様子でした。

そして今日は「大和文華館」へ。


今年最後の休日を取った今日。行きたいところが3箇所あって
26日で閉館になるサントリーミュージアムのラスト展示「ポスター天国」も観たいし、こちらも今日が展示最終日の佐川美術館「脇田和」展も捨てがたい)でも、結局寒さに負けて、県外お出かけよりは
車でさっと行ける「大和文華館」に決定。
ちょうど開館50周年の記念名品展を開催中で
その第一回展の「日本絵画」の展示も今日が最終日。
先月「新日曜美術館」で取り上げられていた内容がとてもよかったので是非観てみたかったのでした。
この写真はTV画面より撮影したもの↑尾形光琳筆「扇面貼交手筥」や
国宝「一字蓮台法華経」の気高いくらいの美しさに目を奪われ
伝俵屋宗達「伊勢物語図色紙 六段 芥川」や、光悦筆「新古今和歌色紙」に舌鼓を打ち、他にも珠玉の名品揃いのコレクションに眼福のひとときでした。
前期展示の「婦女遊楽図屏風」と「寝覚物語絵巻」が観られなかったのは残念でしたが、帰宅してからもう一度見直したテレビの録画画面にまたうっとり。
開館50周年の記念名品展は1/6から2/13まで「日本工芸」の展示に続きます。大変楽しみなことです。

ここまで来たので「松柏美術館」にも行ってみましょう。
「大和文華館」もですが「松柏美術館」も夫、初めての訪問です。

松篁さんも淳之さんも、膨大な量のスケッチを描いていて
そういう過程でインスピレーションを得て創作されているのですね。
美術館の裏山の樹々にはたわわに実。
今日訪れた二つの小さな美術館。
初めての夫も思わず「いいところだな」と。
美術を愛する心が詰った 小さな宝石箱のようだと感じました。

::
(追記)
今年も何だか忙しくしていて、県外での美術展はほとんどパスの状態でした。そのかわり、県内での展覧会、特に奈良国立博物館の展示は、展示替えもありますが、一つの展覧会を3回は鑑賞していたでしょうか。
中でも記憶に残る今年のベストワンは「大遣唐使展」。
奈良倶楽部のお客さま方も、そう口にされていましたし
お客さまとの話題も弾みました。
素晴らしい展覧会に奈良博の方々にお礼を伝えたいです。
ありがとうございました。

::

こんな風にとりとめもなく書いていければいいのですが
たくさんの展覧会をまとめて書いたので、結局いつものように長くなってしまいましたね。最後までお付き合いありがとうございました。

そして今日の夜は・・・

2010年12月24日金曜日

Merry X'mas*

今年もあと一週間。
クリスマスを過ぎた頃から、大晦日お正月のお客さまに向けての準備をあれこれ。普段と違って夕食もご用意するし、朝食もお正月メニューだから、何年経っても要領得ずに慌てふためいてしまうのですが・・・。
頭で考えることがたくさんありすぎて前へ進まなくなったら
とにかく身体を動かしてみようと 今日は午前中に客室の大掃除。
いつも以上に念入りに磨いてピカピカになって気分もすっきり。

そして午後からは古いお札を返して新しいお札をいただきに
石上神宮、大神神社、狭井神社と神社のはしご(笑)


新年を迎える準備真っ最中の神社の境内は清浄な気が満ちていて
そこに居るだけでも心が洗われて本当に気持ちがいい。
一年間のお礼を神様にお参りできて気分もほっとしたし。

そしてイブの夜の最後の〆は奈良基督教会でのクリスマス礼拝。
3年前に偶然参列してことがあり、その時の気持ちの浄化が忘れられずに、いつか機会があればまたと思っていたのでした。
賛美歌を一緒に歌うことで気持ちが良くなるのかな。

あぁそうそう。
最後の〆はこちらで軽く一杯だったのでした。

というわけで Merry  X'mas*
どうぞ素敵なクリスマスをお過ごしください。

2010年12月23日木曜日

年末年始のお出かけ情報②〜初詣とお正月行事

奈良県内の寺社で行われる越年行事や初詣、お正月の伝統行事など
奈良倶楽部のお客様にお奨めしやすいところをご案内します。
(同じ寺社での行事はまとめて紹介しています。)



◇春日大社「初詣」◇
・1/1は0時~20時 1/2、1/3は7時~19時が開門時間です。
・1/1  5:00 歳旦祭 摂末社巡拝 (※拝観は不可)
・1/2 10:00〜「興福寺貫首社参式
神仏習合時代の神前読経が偲ばれる珍しい行事です。
・1/3 11:00〜「神楽始式」
巫女により本社中門前で神楽が奉納されます。

東大寺大仏殿無料拝観」◇
・1/1 0:00~8:00
大仏殿中門を開扉。鏡池付近では「とんど」
中門内側大仏殿参道両側の水路では篝火が焚かれます。
※昨年のお客さま情報では、0:00前後は1時間程の行列あり。
少し早起きして早朝5:00頃にお参りされたお客さまは
参拝者がほとんどなく大仏殿はとても荘厳でしたとのこと。

◇東大寺二月堂「観音経読経」◇
・1/1 0:00
鏡池辺りの参道から二月堂まで135基の石灯籠に灯が入ります。
またこの時から3日間、二月堂内では万灯明を灯しています。
・1/3と1/5 10:00~ 「大般若法要」
11:00~13:30 お雑煮ふるまい(万灯明、お鏡の申し込み者)

◇興福寺「新春護摩祈祷」◇
・1/1~1/3 南円堂そばの不動堂にて(要申込)
・1/2 「春日社参式」

◇護国神社「御火焚祭」◇
・1/1 0:00から1/3まで
除夜祭の後、浄暗の中、県下一の「大とんど」に点火。
天高く立ち上る炎のもとでの年越し。
・1/2 10:00〜日供始祭
・1/3 11:00〜新春祈願祭 祭典後、古式包丁式を奉納
「大とんど」は3日間絶えることなく燃え続けます。
三が日の参詣者には白神酒が振舞われます。

大安寺「除夜の竹明かり」◇
・1/1 0:00~
境内に108本の竹明かりが灯され新年を祝います。
古代赤米粥の振る舞いもあります。
・1/1~1/3 9:00~17:00 新春初祈祷「松三宝・昆布挟みの儀」

◇唐招提寺「修正会」◇
・1/1 0:00~2:00 修正会護摩供
・1/3 18:00~20:00 修正会護摩供 餅談義

◇薬師寺「修正会 吉祥悔過法要」◇
・1/1 09:00~写経会(写経道場)
  10:00~初護摩祈祷(大講堂前)
13:00~修正会吉祥悔過法要(金堂)
13:30~新春法話(山田管主による 東僧坊)

霊山寺「修正会」◇
・1/1 0:00~5:00(奥の院、本堂、弁天堂) 17:00~(本堂)
・1/2・1/3 17:00~(本堂)
・1/1〜1/3 10:00~16:00 大福茶接待・初生け花

帯解寺「修正会」◇
・1/1 0:30~2:00

率川神社「歳旦祭」◇
・1/1 1:00~1:30
本社・大神神社の繞道祭の御神火を受けて大松明に点火。
火縄に移して家庭に持ち帰り新年の火種にしていただきます。
参列自由。火縄1巻き1000円。

大神神社「繞道祭(にょうどうさい)」◇
・1/1 1:00~
拝殿奥でご神火が切り出され、灯篭から大松明と火が移され
三輪山麓の摂社末社18社を大松明を担いで巡拝する。

◇石上神宮「新春初太鼓 神火祭」◇
・1/1 0:00〜

信貴山朝護孫子寺「修正会」◇
・1/1〜1/3 17:00〜本堂にて
一山総出仕により、うるしの木を打つ行事はダイナミックです。
・1/1〜1/10 9:00〜16:00 毘沙門天王秘仏御開帳

宝山寺「初聖天」◇
・1/1〜1/3 初聖天

松尾寺「七福神祭」◇
・1/1 0:00~17:00  1/2~1/31 8:00~17:00
・1/3 10:00~歳旦祭

慈光院「なき龍 本堂絵天井特別公開」◇
・1/1〜1/3 9:00~17:00
天井に見事な龍が描かれ、手を打って鳴かせることができます。

長谷寺 「観音万燈会 」◇
・12/31 19:00〜 1/1 5:00
本堂と登廊に明かりが灯ります。
・1/1~1/3は17:00~20:00 登廊 吊燈籠のみ灯ります。

◇法隆寺「舎利講」◇
・1/1~1/3 13:00~(参拝可 絵殿も特別公開)

◇橿原神宮「御垣内特別参拝」◇
・1/1~1/5(初穂料 1000円以上)

◇瑜伽神社「御神楽式」◇
・1/3 11:00より。
御神楽式の後、お屠蘇の接待あり。

◇正暦寺「修正会」◇
・1/3~1/5 13:00~16:00
年頭祈願、五穀豊穣を祈る薬師悔過法要。
正暦寺に古くから伝わる独特の声明によって法要を勤修。

◇大和神社「御弓始祭」◇
・1/4 13:00~

2010年12月22日水曜日

年末年始のお出かけ情報①〜除夜の鐘

暮れも押し迫って今年もあと一週間あまりになりました。
恒例の年末年始のお出かけ情報をご案内いたします。まずは、
奈良倶楽部から徒歩圏内、または車で動ける範囲のお寺で撞ける
「除夜の鐘」のご案内です。

◇「五劫院」の除夜の鐘◇


奈良倶楽部の2軒お隣にある、鎌倉時代創建のりっぱなお寺です。
23:45より順番に参加者全員が一人で一撞き、つくことができます。
何人かと一緒ではなく一人で撞くことができるので
思いっきり「ゴ~ン」と胸がすくように気持ちがいいのです。
甘酒・福酒がふるまわれたり、合格鉛筆、破魔矢の授与もあり
また、東博からお戻りの五劫思惟阿弥陀像も拝観できます。

 五劫院の鐘

◇「般若寺」の除夜の鐘◇

23:45頃から、参加者全員が順番に撞けます。
元旦1:00頃まで本堂が無料公開されてます。福酒のふるまい有り。

◇「東大寺」の除夜の鐘◇


23:00より整理券配布され、先着800名まで。
元旦の0:00より、8人一組で撞きます。

 
東大寺の梵鐘はとても大きな釣鐘であるところから大鐘(おおがね)と呼ばれています。南都八景のひとつとして、その姿の美しさに加え
音色の美しさでも知られています。

東大寺大仏殿では、
元旦0:00より8:00まで大仏殿中門が開扉され無料で参拝できます。
大仏殿正面の桟唐戸が開かれそこから拝顔できる大仏さまは神々しいばかりです。

◇「興福寺」の除夜の鐘◇

南円堂と菩提院大御堂の2ヶ所で撞けます。
23:00より先着100名に整理券配布されます。打鐘は23:30より。

◇「薬師寺」の除夜の鐘◇


23:00より東僧坊で番号札を全員に配布。(越年写経の方優先)
23:30より5人一組で鐘を撞きます。

◇「唐招提寺」の除夜の鐘◇

23:00より南大門で先着108名に番号札を配布。
23:40より鐘をつくことができます。
参詣者には千手観音の御守札を授与。(拝観無料)

◇「西大寺」の除夜の鐘◇


23:30頃より開始。整理券なしで参加者全員が撞けます。

・・・・・・・・・・・・・・

大晦日から元旦にかけて、奈良倶楽部は門限フリーにしております。
奈良で迎える新年をどうぞお楽しみ下さい。

2010年12月21日火曜日

冬景色*薄墨色の奈良

12月21日*午前中 奈良市内は濃い霧に包まれていました。
こんな日はもっと早起きして写真散歩すべきだったかなと思いながらの
お出かけ道中。大仏池からの景色は濃霧に覆われ水墨画の世界でした。
春の花が咲き誇る華やかさや新緑の頃の瑞々しさ。深緑の夏や秋の紅葉と、四季折々、美しい色彩のハーモニーが奏でられる奈良公園ですが
冬には冬の味わいもあって、これからの季節
冬の凛とした美しさを探していきたいなと思っています。

2010年12月20日月曜日

土の下のロマン*


今年の奈良を振り返ってみると・・・
歴史上の発見・発掘がとても多かったような気がします。
中でも記憶に残っているものを幾つか、ピックアップしてみました。

桜井茶臼山古墳から国内最多の銅鏡片出土
御所市秋津遺跡で囲形埴輪の原型出土
中宮寺で心柱建立の櫓跡出土
橿原市観音寺本馬遺跡で縄文時代晩期の樹木の根株出土
大和郡山市の筒井城跡で信長の「破城」跡が見つかる 
明日香村の甘樫丘東麓遺跡で蘇我邸の城柵が見つかる
西大寺旧境内で渡来人の名前を記した須恵器が見つかる
平城宮跡で礎石建物跡と築地塀跡出土
明日香村の飛鳥京跡最大級の建物跡発見
桜井市の脇本遺跡で飛鳥時代の大型建物跡出土
興福寺南大門跡から出土の鎮壇具に魚の骨が見つかる
平城宮跡の便槽遺構から寄生虫の卵の遺物が見つかる
御所市の中西遺跡で弥生時代前期の埋没林と水田跡が出土
元興寺の禅室に最古の現役木造建材が見つかる
明日香村の牽牛子塚古墳が八角形墳と判明。斉明天皇陵か?
牽牛子塚古墳前に別の古墳。大田皇女の墓か?
桜井市の纏向遺跡で桃の種2000個出土
東大寺大仏の足元から幻の宝刀
御所市の秋津遺跡で大型建物群が見つかる
春日大社東塔跡「雨落溝」とみられる遺構の一部が見つかる
(◆印は新聞記事をリンク、印はかぎろひさんのブログ記事をリンクさせていただきました。)

ざっと数えても20件。本当にすごい!という印象の一年でした。
でも、私なんかは「ふわ〜。すごいな〜」と感心しているだけですが
こういう風に、きちんと出土するまでには、どれほどの地道な発掘作業や調査などの時間が費やされ継続されていることか。出土した遺物の保存や整理や研究など 、文化財と関わることはロマンもあるのでしょうが苦労も大変なことでしょうね。
こういう世界を詳しく知らないながらも、ちょこっと想像して
ちょこっと興味を持ってみたりしました。

トップの画像は奈良国立博物館敷地内の「春日大社東塔跡」発掘現場。
奈良文化財研究所のホームページはこちら

2010年12月19日日曜日

かぎろひさんの「発掘情報」*

昨日のブログに書いた、出だしの言葉。
「身近な人から聞いたりすると急に興味あるものに思えてくる」
そういう例がもう一つありました。



ブログ「かぎろひNOW」の中の『発掘情報』のページです。
最新記事は春日大社東塔跡現地見学会について。
現場で仕入れたこぼれ話的なお話と写真で
大変わかりやすく説明して下さってます。

今回の現場は、奈良倶楽部からも大変近くて平日も行われてますので
出かけてみようかな・・・と、ちらっと思ったのですが・・・。

ましてや、その他の現地説明会は奈良市内から遠いし土日開催だし
興味はあっても中々現場までは足を運べない。

「百聞は一見にしかず」かもしれませんが
きっとそんな、私と同じ思いの読者の方も多いはずと
「かぎろひNOW」の発掘情報をご紹介させていただきました♪♪
あ、もちろん。発掘情報以外のページも奈良の魅力満載ですよ。

トップの画像は奈良国立博物館発行「おん祭と春日信仰の美術」より
「春日社寺曼荼羅図」の写真。
こちらにもしっかり春日大社の塔が描かれていますね。

さて、平城遷都1300年の今年、奈良では歴史上の発見が相次ぎ
考古の世界にそれほど詳しい知識を持ち合わせていない私ですら
「おおー」と興奮したニュースも何度かありました。
では、歴史上の発見の数々を新聞記事から拾ってみようと思います。
(明日に続く・・・)

2010年12月18日土曜日

「埒があく」


今まで知らなかった出来事も、身近な人から聞いたりすると
急に興味あるものに思えてくることってあります。
私の場合は、お客さまから教えていただいた話がそうだったりします。

今日もそんなお話*おん祭の「埒らち」についてです。

17日の「お旅所祭」を見学されたお客さまが
「お旅所に入る所の一番前で見ていたので、入口の柵に結んである白い紙を切られた時に、その白い紙をいただけたのですよ。」「その白い紙で結んだ柵を埒というそうですね。」と、お話されていました。

その貴重な白紙は、見せていただきそびれたので画像はありませんが、おん祭のサイトに「埒」の説明がありました。
それにもう一つ有名であるのは「金春の埒(ちち)あけ」と言われるもので柴の垣に結びつけた白紙を金春太夫がお旅所前で解いてから祭場へ入るというもので「埒があく」という言葉もこれからおこったと伝えられている。

ふむふむ。お旅所にお渡りの一行が到着して、お旅所祭を始める前にするのが「埒」をあけることなのですね。柵の真ん中に結ばれている白紙を切る役目は金春流お家元。
「埒があく」とか「埒があかない」という言葉も、これから起こっているのですね。こんなことを知ると、またいつかその場面を見てみたいと思うのでありました。


2010年12月17日金曜日

田楽座初宮詣*

おん祭のお渡り式に先だって、17日の朝に
奈良女子大近くの初宮神社で田楽座による初宮詣でが行われます。
普段は大変ひっそりとした初宮神社ですが
今朝は多くの見物の方で賑わっていました。



朝の10時といえばチェックアウトタイムで、私自身は中々仕事場を離れることができない時間帯ですが、今年は早い時間のご出発や連泊のお客さまなどで、うまくこちらに間に合うことができました。
10時10分前に着きましたら、もう奉納は始まっていて
人垣の間からかろうじて写真を撮ったあとは
田楽の演目に耳を傾けユーモアのある動きを楽しんで見ていました。

演目が終了した時間を見ますと10時ちょうど!
10時からだと思って駆けつけた方もいらっしゃって残念でした。
(メモ:今晩の還幸の儀も23:00からになっていますが
昨年も一昨年も22:30過ぎにはお旅所をご出発されていましたので
各神事の案内時間は少し早い目に考えておいた方がいいようです。)
綾藺笠(あやいがさ)を被って編木(ささらぎ)・笛・太鼓を持つ
田楽座の人達。

初宮神社は春日若宮社の末社になり
若宮神のおばさまに当たる方をお祀りしていることから
田楽座の方がご挨拶に廻られている・・・この初宮詣には
そのような意味合いがあるようにお聞きしました。

若宮社の末社といっても、初宮神社は春日大社の境内からかなり離れています。現在の感覚で言うと、ポツンと離れて不思議に思いますが
多分この辺りは、かつては興福寺の寺域であったことや
春日大社参詣の為の宿院が在ったと言われている宿院町がすぐ西隣であることなどから、創建当時は今のような感覚ではなかったことでしょう。

この田楽座の奉納田楽は、おん祭の中では4回行われます。
最初が16日夕方の「宵宮詣」、そして17日の朝に、この「初宮詣」。午後の「松の下式」や「お旅所祭」と4度、田楽を奉納されます。

今年はお渡り式もお旅所祭も見に行けませんでした。
全部を一度に見るのは余裕がないとできないことですが
来年は田楽座の田楽だけを見る・・・とか少しずつでも
テーマを決めて足を運ぶとまた有意義なのではと思いました。

2010年12月16日木曜日

東大寺開山忌*


12月16日は、東大寺初代別当 良弁(ろうべん)僧正のご命日。
朝の法要の後、法華堂「執金剛神立像」、開山堂「良弁僧正坐像」
俊乗堂「重源上人坐像」各御像の特別開扉が行われます。

法華堂は修理中のため、執金剛神立像の拝観はいつもと違って
後ろの扉から入って拝観させていただくことになり
ちょうど修理中の堂内の様子も見ることができました。
それにしても・・・
年に一度 特別に開扉される「執金剛神立像」の美しいこと!
長い間、秘仏であったために彩色が色鮮やかに残っていて
大仏殿建立よりも古い時代からの仏像とは思えないくらい・・・。
甲冑に身を固め金剛杵を振り上げて忿怒の表情をされていますが
なぜかいつもきりっと引き締まったプロポーションの美しさに目がいってしまいます。


私自身は毎年必ずお参りしているわけではないのですが
こんなに近くにいらっしゃるのだから、できるだけ開山忌には法華堂へお参りしたいと思っている、ちょっと素敵な御像であります。
説明はクリックで拡大します。↓


開山忌の特別開扉、今年は正倉院展の期間中に特別公開されていた
「法華堂経庫」も再公開されてました。

こちらは開山堂。
 
俊乗堂。
行基堂や
念仏堂も今日は扉が開いていて、それぞれお参りさせていただきました。
特に念仏堂に安置されていますお地蔵様は大らかで泰然としたご様子。
そして大変見目麗しいお顔立ちのお地蔵様で
こういう機会にお参りできてよかったです。

帰り道。二月堂裏参道の紫木蓮にはたくさんの花芽がついていて
開山忌の日に、二月堂修二会参籠の練行衆が発表されることも合わせて
今日はもう冬を一飛びして 修二会の頃を思ったりしていました。
 

::

東大寺の秘仏開扉について*

・法華堂(国宝)「執金剛神立像」(国宝)・・12/16のみ(有料)
開山堂(国宝)「良弁僧正坐像」(国宝)・・12/16のみ(無料)
俊乗堂    「重源上人坐像」(国宝)・・7/5(無料)12/16(有料)

2010年12月15日水曜日

大宿所にて*

餅飯殿センター街の中にある「大宿所」は
昔、おん祭を差配した大和国内の有力な士(大和士)たちが
精進潔斎する参籠所であったところです。
上の写真は14日に撮影。
15日の「大宿所祭」を前に準備万端整ったところです。
(12/14の準備風景の過去日記はこちらです。)

さて、15日。
大宿所の広間では甲冑や時代装束、御幣などがお披露目されています。

「恋笹」に吊るされた短冊に書かれている文字は
「逢ふ恋」「見る恋」「忍ふ恋」など。「恋」は「乞い」に通じ
若宮神は雨乞いの霊験もあらたかであったところから
「雨乞い」に関係があるのではとも言われています。
そういえば「和泉」など水に関係のある文字も見えます。
15日はこちらで「御湯立」神事も行われるのですが
神事を営まれる巫女さんの腰に巻かれた藁のサンバイコは
安産の霊験あらたかなりとお守りにされているのです。

ちょうど私がこちらに伺ったときは
2回目の「御湯立」神事が行われていて、たくさんの人、人、人で
身動きも取れないような状態でしたのであまり写真も取れず
この日にここでしか販売していないというお守りを買って
近くの「sankaku」さんでまったりして本日の任務完了でした。