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2010年10月31日日曜日

11月のお出かけ情報②〜寺社伝統行事

今年は猛暑の影響で木々の色づきが例年よりも遅いめですが
ようやく少しずつ奈良公園の木々も秋色に彩られるようになりました。
11月に行われる寺社の伝統行事のご案内*
しみじみと秋の風情を感じながら奈良のあちこちを散策される時の
参考にしていただければと思います。


◇11/2 大安寺『開山忌 大般若転読法要』14:00~

◇11/2 宝山寺『仏名会』9:30~13:30
     ( 宝山寺では獅子閣特別公開中です)

◇11/3 安倍文殊院『十一面観音法要』11:00~12:00

◇11/3 談山神社『けまり祭』11:00~12:00頃

◇11/3 春日大社『文化の日萬葉雅楽会』13:00~

◇11/3 信貴山朝護孫子寺『柴灯護摩供野外火渡大祈願会 』14:00~

◇11/6~11/11 璉城寺『念仏会』

◇11/6~11/7 海龍王寺『布薩の法要』19:00~20:30
僧侶と一般参加者が一堂に会して懺悔する行法で仏教体験をすることができる。
要申し込み。各日定員20名。要志納料。(tel:0742-33-5765)

◇11/13 慈眼寺『十夜柿供養まつり』 

◇11/13 興福寺仮金堂『慈恩会』19:00~21:00 
法相宗宗祖慈恩大師の忌日法要

◇11/14 大神神社『醸造安全祈願祭(酒まつり)』10:30~
(11/13 9:00から拝殿の大杉玉の掛けかえ)

◇11/17 談山神社『談山神社例大祭 』10:30~

◇11/19 川上蛭子『秋祭り』お昼すぎから夜まで
奈良倶楽部から徒歩圏内の川上蛭子社のえべっさん。
過去の日記はこちらこちら

◇11/22 石上神宮『鎮魂祭 』
鎮魂の神業により玉の緒が斎い結ばれる神秘な祭典です。

◇11/23  橿原神宮『新嘗祭』11:00~

◇11/23 吉野 大日寺『火渡りの行 』13:00~

◇11/27 金峯山寺『愛染堂大祭 』13:00~

トップの画像は昨年の10/31に撮影した大仏池周りのナンキンハゼ。

2010年10月30日土曜日

11月のお出かけ情報①〜「祈りの回廊 秘宝秘仏特別開帳」

「祈りの回廊 秘宝秘仏特別開帳」もいよいよ佳境に入りました。
今日10/30から2週間ほどは行き先に迷うくらいの充実ぶりです。
平城遷都1300年祭記念事業としての「祈りの回廊」とは別に
各寺社 伝統行事による特別開帳などもまとめて日付順にご案内します。
奈良へのお出かけの参考にしていただければと思います。

追記:下段に高松塚古墳の壁画公開と藤の木古墳の石室公開について記しています。

<<11月から始まる特別開帳のご案内>>
◆11/1〜11/3吉田寺「多宝塔本尊秘仏特別開扉」

◆11/1〜11/3法隆寺「上御堂特別開扉」

◇11/1~11/7 法輪寺 「三重塔の再建35年を記念した秋季特別展」
    9:00~16:00(15:50)

◆11/1〜11/10當麻寺奥院「綴織當麻曼陀羅と絵解き法話」

◆11/1〜11/30正暦寺「薬師如来倚像・仏画特別公開」

◆11/1〜11/30聖林寺「マンダラ展」9:00~16:30

◆11/3松尾寺「秘仏厄除観音 特別開扉」10:00~16:00

11/3 唐招提寺「金堂内陣特別拝観」8:30~16:30

11/3~11/5 高鴨神社「十六善神画像などの御神宝を特別公開」
    9:00~16:00

◆11/6〜11/14如意輪寺「後醍醐天皇御霊殿特別公開」9:00~17:00

◆11/6〜11/14千光寺「寺宝展」 10:00~16:00
   役行者所持の鏡、前鬼所持の斧、役行者退治の大蛇の骨
金泥両部曼荼羅などを特別公開。

11/8~11/21 秋篠寺「大元帥明王立像」9:30~16:30

11/15~11/19 圓照寺「庭園の特別拝観」
 (事前申込み・抽選は終了しています。)

<<引き続き公開中のものをご案内>>

~11/03 朝護孫子寺 「中秘仏・毘沙門天立像」9:00~16:00

◇~11/6 帯解寺
 「虚空蔵菩薩坐像・三面六臂大黒天像・春日赤童子」9:00~16:30(16:00)
 
~11/7 史跡 頭塔 「頭塔・浮彫石仏など」9:00~17:00(16:30)

◇~11/7 橘寺 聖倉殿「伝 日羅立像・地蔵菩薩立像」9:00~17:00(16:30)

◇〜11/7興福寺「北円堂特別開扉」9:00~17:00(16:45)

◇〜11/7元興寺「板絵 智光曼荼羅」9:00~17:00(16:30)

〜11/11東大寺「法華堂経庫内部見学」10:00~16:00
   ※当日、法華堂個人入堂者限定で整理券配布

~11/14海龍王寺「十一面観音立像」9:00~17:00(16:50)

~11/11法華寺 「十一面観音立像」「慈光殿で寺宝展」9:00~17:00(16:50)
 
~11/14 十輪院 護摩堂「不動明王・二童子立像」9:00~16:30 
※月曜休み(祝日の場合は次の平日が休み)

~11/14 不空院 「不空羂索観音坐像」9:00~16:30(16:00)

~11/14 霊山寺 「三重塔内陣壁画など」10:00~16:00

~11/14中宮寺「 鳩和殿での特別展示」9:00~16:00(15:30)

◇~11/14 海住山寺 「五重塔初層開扉」9:00~16:30(16:00)
 (五重塔は、荒天時 開扉中止の場合あり)
   本坊にて「十一面観音立像・四天王立像などの寺宝展」

◇~11/14  笠置寺「笠置寺縁起などの寺宝展」9:00~16:00

◇~11/14  岩船寺「三重塔初層開扉」10:00~16:00(15:45)
 (雨天時、開扉中止の場合あり)

~11/14 浄瑠璃寺 「薬師如来坐像など」9:00~17:00(16:30)

~11/14 朝護孫子寺 「信貴山縁起絵巻 尼公の巻」9:00~17:00(16:00)

~11/15  西大寺 「愛染明王坐像」8:30~16:30(16:00)

~11/15 宝山寺 「獅子閣」8:00~16:00(15:30)

◇〜11/15 西大寺「愛染堂客殿室内」8:30~16:30(16:00)  

◇~11/21 榮山寺「薬師如来坐像・八角円堂堂内拝観」9:00~17:00

◇~11/21 圓成寺 「本堂での寺宝展」9:00~17:00

~11/21南明寺 
  「薬師如来坐像・釈迦如来坐像・阿弥陀如来坐像」 9:00~16:00(15:45)
 
◇~11/23  不退寺「在原業平朝臣画像」9:00~17:00

~11/23 興福寺「国宝特別公開〜五重塔初層、東金堂後堂」
   9:00~17:00(期間中の土・日・祝日は18:00まで。受付けは30分前まで)

◇〜11/23法隆寺「夢殿本尊秋季特別開扉」

◇~11/30 長岳寺 「極楽地獄絵図」9:00~17:00

~11/30  法華寺 「名勝庭園など」9:00~17:00(16:50)

◇~11/30 大安寺「本尊十一面観音立像」9:00~17:00(16:30)

◇~11/30  浄瑠璃寺「吉祥天女立像」9:00~17:00(16:30)
 (10/30~11/14は薬師如来坐像が特別公開)

~11/30 當麻寺「中之坊絵天井」

~11/30  元興寺「国宝 禅室内部」9:00~17:00(16:30)
   ※10/17~11/13は「禅室屋根裏探検(要申込)
詳細はこちら

◇〜11/30 法隆寺「法隆寺秘宝展」9:00~16:00

◇〜11/30 安倍文殊院「獅子から降りた文殊菩薩」9:00~17:00(16:40)

◇〜12/9金峯山寺「金峯山寺の特別な百日」8:30~16:30(16:00)

◇~12/12 談山神社 「桃山時代の能面などの特別公開」

◇~12/12 長谷寺 「長谷寺大観音特別拝観」9:30~16:00


~12/18  壷阪寺「三重塔初層内陣」9:00~16:30

◇〜12/31 新薬師寺「香薬師如来像」9:00~17:00(16:50)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
は通常より期間延長で特別公開。又は通年より違った季節にも公開。
は創建以来初公開!または通常非公開のものが今年だけ特別に公開。
は事前予約不要で特別公開。
詳しくはリンク先をご覧下さい。
(リンク先は主にこちらを参考にしています。)
印は過去に訪れた奈良倶楽部通信内記事です。

トップの画像は生駒聖天「獅子閣」で撮影。

追記:
◇〜11/7 「高松塚古墳の壁画一般公開」(11/4は非公開)
公開は事前申込制ですが、定員を下回っているため
希望日前日までは電話(06-6367-1688 受付け9:00~16:00)で追加募集。
当日も空きがあれば8:30~16:00まで現地受付けあり。無料。

◇11/6・11/7「藤ノ木古墳石室特別公開」9:00~17:00

2010年10月29日金曜日

Cu-Cal in 奈良2010*

奈良公園で一ヶ月に渡り繰り広げられた『Cu-Cal in 奈良』も
いよいよフィナーレを迎えます。

最後の週末(10/30,10/31)には、東西から10軒以上の店舗&シェフが参加し、クーカルメイン会場がシェフ達のフードコートに早変わりする「さよならんナイト」というイベントが開催されます。
参加店舗やイベント内容の詳細はクーカルサイトのこちらでチェックして下さいね。

ブログアップが遅くなりましたが・・・**

2010年10月28日木曜日

ちょっと賑やか*

    <追記:奈良カレンダーの説明に訂正あります>
この時期、奈良倶楽部のフロントカウンターは来年の手帖やカレンダーなどの「お土産コーナー」が出来上がってちょっと賑やかです。
ちりんちゃんの「鹿ポストカード」や、生駒あさみさんの「奈良旅手帖」 や、お馴染みの「散華ポストカード」も取り扱ってます。↑
(業務連絡:散華コレクターさんへ。柿のデザインが届いてますよ♪)

そして、池崎さんの「奈良カレンダー」も届きました。2011年版は
奈良倶楽部オリジナルバージョンで作っていただきました。

(↑この雑な並べ方!南果さんを見習わなければ!!)

今年の11月から始まるカレンダー、早速 使えるからいいですね。
奈良の魅力ある風景も毎月楽しめるし♪

11月:二月堂
12月:奈良町
1月:二月堂
2月:天川村
3月:二月堂お松明
4月:奈良公園
5月:奈良市田原地区
6月:東大寺
7月:朝の鹿
8月:大仏殿
9月:白毫寺
10月:鹿せんべい
11月:大仏池の銀杏
12月:奈良市北部県境

↑柿にちなんだ・・・本日の大失敗談*

2010年10月26日火曜日

海龍王寺「十一面観音」特別開帳*


金泥が施され、頭飾りや装身具や衣にも精緻で見事な錐金や透彫りの
優美な姿の十一面観音像に、もう一度お会いしたくて、特別開帳中の
海龍王寺を訪ねました。

この仏像は、光明皇后が自ら刻まれた十一面観音像をもとに
鎌倉時代に慶派の仏師により造立されたとあります。
長い間秘仏であったために、衣の装飾の彩色も錐金文様も大変美しい
状態で残っていて、うっとり見惚れてしまいます。

今期の特別開帳では、先代ご住職が四国八十八カ所の本尊を模刻した
仏像88体が初公開されます。
先代ご住職は元々宮大工で、荒廃していた寺の復興を祈って
釈迦如来像や千手観音像など88体を数年で彫られたそうです。
普段は護摩堂に安置されていて、公開されたことがなかったので
こういう機会も楽しみに伺いました。

お堂の右手奥に像高40~50cmほどの小さな仏さまが88体。
まっすぐな眼差しを向けて、お行儀良く並んでらっしゃいます。
宮大工だったとはいえ、専門家の仏師ではない人の手による仏さま。
何とも素朴であたたかなお顔。でも素朴だけでない、これを彫った
人の心の中の何か崇高な信仰心のようなものを感じました。
ずうっと眺めていたいような、ありがたい感じも。

ただ、88体の仏像が金網越しだったことが
仏像がほのぼのと心に響いただけに
どうしても網の間から覗き込むという印象が強くなって
ゆっくり対座できなかったので残念に思いました。

でも、後日ご住職様からお話を伺って
『昨今の世情、仏像の盗難が多いことに加え、一体でも失うと、
八十八ヶ所の意味合いまで失ってしまいますので
金網越しの拝観という 無粋なことになってしまいましたが
どうぞご理解下さい』ということでした。

トップの画像は海龍王寺の参道。
築地塀とともにいかにも奈良らしいお寺の風情を感じるところです。
2枚目の写真、右手が本堂。正面が奈良時代建立の西金堂。

海龍王寺
十一面観音像特別開帳は11/11まで。9:00~17:00(受付16:50)
光明皇后1250年御遠忌の今年は
光明皇后の自筆と伝わる自在王菩薩経も公開されています。
詳細はこちら→

季節のかわりめです*

さ、寒すぎる〜!
つい昨日まで「10月なのにこの暑さったら!」と毒づいていたのに
今日の急な寒さったら!身体が対応できないですね。

今週に奈良旅の皆様。けっこう奈良は冷え込んできてます。
どうぞお気をつけてお越し下さいね*

::

16歳と1ヶ月を越した我が家の愛犬グー。
今年の夏の酷暑には随分 気をつけていたけれど
今度は風邪引かないように気をつけてあげなきゃね。

昨日まで ひんやりフローリングの上でごろごろしていたのに
今日はあったかカーペットの上で丸まってスヤスヤ。

グーの寝場所で暑さ寒さがわかるのでした。

2010年10月25日月曜日

東大寺法華堂の経庫内部初公開*

光明皇后1250年御遠忌特別開帳として
東大寺法華堂(三月堂)経庫きょうこ内部が初めて公開されました。。

 経庫は正倉院と同じ校倉造りあぜくらつくりで、奈良時代の創建と言われています。かつて、ここには経典が収められていたそうですが
今は塔頭住職になるための口頭試問「竪義りゅうぎ」で使われる論議台が収められています。
その論議台、意外に大きく高さもあってちょっとびっくりでした。


拝観の折にいただいたパンフレットによりますと・・・。
この経庫は、元は正倉院の近くにあったもので、元禄年間に
手向山八幡宮の宝蔵として、現在の位置に移築されたのですが
明治初年の神仏分離の際に寺に帰属することになったとあります。
それで、入口の扉が法華堂の方ではなく、手向山八幡宮の方に向いているのですね。

同じくパンフには、経庫の内部にはネズミの戯画や鎌倉以降の米の出し入れの留書が残っているとあります。
ネズミの絵を見るのを楽しみにして内部に入ったのですが
ちょっと見つけることができませんでした。

公開は11/11(木)までの10:00〜16:00。
法華堂個人入堂者のみ無料で拝観できます。

経庫の内部に入れるのは「最初で最後」かもしれませんし、
何より、正倉院の中も規模は違えど、こんな感じかなと
そんなことを思いながら見学をしてきました。

東大寺境内*秋色さがし

2010年10月24日日曜日

奈良は心のビタミン♪


『熱中スタジアム -奈良・おとなの修学旅行- 』
第2夜:知られざる奈良の裏スポットを紹介する「ウラ奈良編」
一昨日の放送、皆さまご覧下さいましたでしょうか。

ゲストの石丸謙二郎さんの真後ろの席だったので、しょっちゅう
顔が出てましたね。あまりの露出度に毎回「うわ〜映ってる」と
びっくりしたり冷や汗出したりして落ち着かなかったです。(笑)

せっかくの機会だからと、長い間ご無沙汰している友人達にも
お知らせすると「見たよー」という返信メールのやりとりの中で
近況を伝えあえて、今回いい機会をいただいたと思いました。
でも「何でお寺の対抗という展開になるの?」という声も多くて。
「う〜ん、スタジオ入りして私達もびっくりだったけど・・・」
でも、さすがに皆さん大人の対応。しっかりその場を楽しんで
盛り上げて、少しでも奈良のいいところをPRできればという
熱い想いで収録に臨んでらっしゃいました。

私が番組の中でお話した「ウラ奈良」スポット。
本当のことを言うと、私の一番のお奨めは
『東大寺境内の中の雑木林の中や、春日大社境内の原生林の中や、飛火野・・・そんな所を朝早くに歩いてみる 』なのです。
私自身にとっても、この場所は、奈良の広い自然と大らかな空気と優しい光と風を感じる所で、時々この場所で自分の気持ちをリセットします。大きく深呼吸するだけで気持ちがまたリフレッシュする。そんな素敵な所なのです。
(ここも候補として上げて、最後まで押したのでしたが
やはり取り上げられたのはビジュアル的にわかりやすい所でした。)

人それぞれに奈良に対する想いは違いますが
奈良から駆けつけた出演メンバーがふと洩らした言葉の中に共通する想いがあって、その時に他のみんなが「うんうん」と頷いていたのが印象的でした。(すべてが放送されたわけではありませんが)

「長く人生を生きてきて、ある時ふっと奈良の音や風や空の広さが心に沁みる」
「それは想像力に委ねられるのだけれど奈良に蓄積された歴史の重みと、それが現代に脈々と受けつがれ繋がっているという確かさ」
そういう心が癒される場所はまた人それぞれですが
出演された皆さんが奈良にそのような想いを抱いているのを感じて
奈良が大好きな方達の集まりの中で、奈良への想いを共有できたことが嬉しかった一日でした。
最後にNHKの皆様、出演者の皆様、楽しいひとときをありがとうございました。

2010年10月23日土曜日

〜祈りの回廊〜生駒聖天「獅子閣」

「祈りの回廊」で特別公開中の宝山寺「獅子閣」に行ってきました。
(10/19に訪問)
「生駒の聖天さん」として親しまれている宝山寺。
秘仏「大聖歓喜天尊」は現世御利益の神さまで、商売繁盛を願って
私達も開業当時の20年前はよくお参りに訪れていたものでした。

この宝山寺で、このたび修復が完了した明治初期の擬洋風建築の
「獅子閣ししかく」(重文)が特別公開されています。(11/15まで)

獅子閣は、宮大工の吉村松太郎が設計した2階建ての木造の客殿で
螺旋階段や、玄関やベランダの天井の意匠、窓や外扉のアーチ
外柱の装飾、色ガラス・・など各部に、明治の洋風建築の影響を
受けたことが見られます。これが外国人が設計した建築物ではなく
日本人の宮大工の手によるものなので、独特の和洋折衷美を醸し出していて興味深い建築物です。

外観の様子から、てっきり内部も洋風だと思ってましたが・・・。

受付けの方が、建物内部を詳しく説明して下さいました。
内部の写真も許可を得て(撮影マナーをわきまえれば)大丈夫でした。
玄関から入ったところは洋室です。
1階の窓はアーチ型。私はこの外扉がお気に入り。
1階の和室です。アーチ型の窓との和洋折衷な造りですが、
部屋の室礼とのバランスも品良く感じました。
和室の襖絵は能や狂言に題材を得たものが描かれているそうです。
1階洋室からベランダへの出入り口と螺旋階段にご注目下さい。↓
螺旋階段の手摺の下側、外周には支柱がないのです。↑
階段右の柱と手摺で重さを支えている構造になっているのですね。
手摺は宮大工の特殊技法で曲線状に加工されています。
そして、色ガラス。これは赤(夏)青(春)緑(冬)と
色ガラスを通して四季の景色が見られるという趣向になっています。
お庭はこのような造りです。
では螺旋階段で2階に上がってみましょう。
2階には十畳の和室が二間。
手前の襖絵は花鳥画、奥は山水画が描かれています。
天井は格天井、壁には金箔が張られ、床の間や違い棚の材には黒檀や
紫檀が使用され、豪華な造りになっています。
上の写真の黒檀紫檀以外の建築用材のほとんどは
明治8年落慶の聖天堂の余材の檜や松を使用して
意外とエコな建築だそうですが、要所要所は豪華な演出をしたり、
また、下の写真↓のように、使用した余材に節が出ていたりすると
宮大工の技量で上手に隠されたりしています。


獅子閣建立の経緯・・・
明治8年に聖天堂再建の際に、大工として働いていた吉村松太郎の腕を
見込んだ宝山寺第14世が、洋風客殿建設のために松太郎を横浜に留学
させた後、小社天神社の建立を命じ改めてその腕を認めて、獅子閣建設の棟梁に任じたのでした。

そんな獅子閣には四角形と丸形という形が至る所にモチーフとして
使われています。
1階の窓枠はアーチ状の曲線で統一されていますが
2階の窓枠は四角形で揃えられていたりとか。↓
また玄関ポーチの柱は1階は角柱で↓

2階の柱は丸柱でデザインされていますし。↓

ポーチの天井のデザインも美しいですね。
屋根の下の側面にも丸いデザインがいっぱい付いてます。↓


生駒山の中腹に建つ宝山寺。お寺からの眺めは絶景で 獅子閣の2階の
ベランダからの眺めも遠くまで見渡せて気持ちいいのです。
晴れた日には、こちらから東大寺大仏殿の屋根まで見えるそうですよ。
撮影許可をいただいたので、たくさん撮ってしまいました。

私達がよくお参りに訪れていたお聖天さんに、こんな洒落た客殿が
あって、特別公開で見学できたことが嬉しかったので
聞いたことを、つい説明口調になって長々と書いてしまいましたが
お出かけのときの参考にしていただければ幸いです。

::
「宝山寺 獅子閣」
特別開帳日程:10月15日~11月15日
特別拝観時間:8時00分~16時00分(受付は15時30分まで)
※混雑時は入場制限予定あり
拝観料:境内は拝観無料 獅子閣は300円
詳細はこちらで→

2010年10月22日金曜日

李朝と野の花*


今年の夏の旅で、東京世田谷区の茶房「李白」へ伺った折に
店主の高い美意識に感嘆していたのでしたが(その時の日記はこちら
その茶房「李白」で今月末と来月末に
 「李朝」と野の花 そして韓国茶〜「李朝」を賞でる〜
という会が催されます。

・・・秋の野の花に誘われて、茶房 李白[東京]で
李朝喫茶 李青[京都]の韓国茶をいただく。・・・

李朝の古陶器や木家具が配された穏やかな空間で
李青オーナー鄭玲姫さんのお話をうかがいながら、
韓国のお茶とお菓子をいただく会だそうです。

高麗美術館を創設した鄭紹文氏を父に、磨かれた感性と美意識で
祖国の文化をこよなく愛する 鄭玲姫さん。
どのようなお話を聞かせていただけるのでしょうか。
近くだったら、私も馳せ参じているところなのですが
今回は秋の繁忙期と重なって東京まで出かけることができません。
また参加された方のお話を楽しみに聞かせていただきましょう。

ということで、本日は東京方面の方へのお知らせです☆

第一回
10月30日(土) 14:00~15:00(初日は午後の回のみ)
10月31日(日) 11:00~12:00  14:00~15:00
11月1日 (月) 11:00~12:00  14:00~15:00

第二回
11月27日(土) 14:00~15:00(初日は午後の回のみ)
11月28日(日) 11:00~12:00  14:00~15:00
11月29日 (月)11:00~12:00  14:00~15:00
11月30日 (火)11:00~12:00  14:00~15:00

※電話による事前申し込み制です。tel:03-3427-3665 
各回15人 お茶菓子代1800円(木の実茶と五味子茶+ヨモギ・小豆の韓国餅)

2010年10月21日木曜日

お知らせ*チケットプレゼントとTV放映

直前のお知らせですみません++

「十五夜の宴」の招待券をいただいたのですが
どうしても出かけることができませんので
行ってみたい、行ってみようかなと思っている方、
メールでご連絡いただければ差し上げます☆
(naraclub★kcn.ne.jpまで。★を@にかえて下さい。)
招待券は1枚しかございませんので応募多数の場合は抽選で。
こちらから折り返しご連絡します。
メールの締切りは 10/22(金)午前10:00までにします。
(できれば当日までに奈良倶楽部に取りに来ていただける方優先しますが、メール便の速達でも送れますのでご遠慮なくお申し出下さい。)

「十五夜の宴」

10/24(日)18:30より法華寺にて。
法華寺に伝わる月夜の法要を特別に公開していただけるそうです。
その他に・・・
◇「満月を想う」と題して奈良国立博物館学芸部長の西山厚 先生の講演
◇平成伎楽団 with monkbeat の奉納舞台
◇シンガー児玉奈央さんのライブ
◇ミラーボーラーズによる会場アートで境内を幽玄の世界へ誘います。
前売:3,000円(小学生未満無料)
当日:3,500円
※チケット購入申込はメール、または電話で。(詳細はこちら


それから・・・
もう一ヶ月も前に収録した番組がいよいよ放映されます。ドキドキ。

『熱中スタジアム -奈良・おとなの修学旅行- 』
第2夜:知られざる奈良の裏スポットを紹介する「ウラ奈良編」
NHK BShi 10月21日(木)19:00〜19:59
NHK BS2  10月22日(金)22:00〜22:59
[再放送]
NHK BS2  10月25日 (火)  20:00〜20:59
NHK BShi 10月27日 (水)  0:00〜0:59

第1夜の「仏像編」をご覧になった方はおわかりかと思いますが。
こちらの番組はある一面から見ると面白い構成になっていますが
奈良への熱き想いをお持ちの皆様にはツッコミどころ満載。
まぁ娯楽番組と思ってお楽しみ下さい。
(スタジオに入って出演者もびっくりの・・・何故か紅白の鉢巻きまでしてますからね)