ページ

2015年4月30日木曜日

飛火野の藤

春日大社から「ささやきの小径」を抜けて高畑の方へ。『下禰宜道』という道標を目印に、飛火野の南に「奥飛火野」と呼ばれる、野生の藤が密集しているエリアへ向かいます。小川を跨ぎ、木々の茂みを抜けると
突然、視界に飛び込む藤の大木!
「藤の大木」? いえ、「大木に巻き付いた藤」ですね。見事な藤の木と思ったら、杉の木が藤に乗っ取られているのでした。
この「奥飛火野」の”ぽっかり空間”(ほぼ360° 周りを樹木に囲われた芝生の園地で、ぽっかりとした空間のことを勝手に命名しています)は2つあって、高畑方面の下禰宜道から入った最初の”ぽっかり空間”と、春日大社参道から入る「飛火野」の間にもう一つの”ぽっかり空間”があります。(上の写真↑)実はこの”ぽっかり空間”は只今工事中↓で通り抜けができなくなっています。
大掛かりな工事が気になったのですが、これは「鹿苑」の改修工事に伴って、工事期間中の鹿の収容スペースを春日大社から場所を借りて作っているそうです。鹿苑の改修工事が終わり次第、元に戻して、飛火野と高畑方面の間は通り抜けできるようになるということです。
ということで、しばらくは通り抜けできませんので、山藤の密集をご覧になる場合は「下禰宜道」の高畑方面から奥飛火野へ入って下さい。
飛火野を見渡せる全体の写真を撮り忘れてしまいましたが、気持ちのいい緑の風の中を歩いてリフレッシュしました。
飛火野の山藤はかなり満開でしたのでお早い目に行かれることをお勧めします。(写真は4/28撮影です)

2015年4月29日水曜日

5月のお出かけ情報②〜秘宝秘仏特別公開

新緑の美しい季節になりました。
風薫る五月の奈良では、先月に引き続いて
多くの寺社で秘宝秘仏が特別公開されています。
緑の中を歩きながら、悠久の時間もお楽しみ下さい。

ただ今 開催中の特別公開は+++

◇〜5/6 橘寺「聖倉院での伝・日羅立像特別公開
問合せ:0744-54-2026

◇〜5/6 金峯山寺蔵王堂秘仏本尊特別開帳
問合せ:0746-32-8371

◇〜5/6 頭塔 特別公開 
問合せ:0742-27-9866

◇〜5/6 不空院不空羂索観音坐像特別開扉 
問合せ:0742-26-2910

◇~5/8 正暦寺宝物殿瑠璃殿と秘仏公開
問合せ:0742-62-9569

◇〜5/10 興福寺国宝北円堂特別開扉
問合せ:0742-22-7755

◇〜5/10 元興寺「春季企画展」
問合せ:0742-23-1377

◇〜5/10 般若寺白鳳秘仏特別公開
問合せ:0742-22-6287

◇〜5/10 如意輪寺後醍醐天皇御霊殿特別公開
問合せ:0746-32-3008

◇〜5/18 法隆寺「夢殿秘仏救世観音特別開扉 」
問合せ:0745-75-2555

◇~5/20 浄瑠璃寺秘仏吉祥天女像特別公開
吉祥天女像厨子の扉絵も一見の価値ありです。
問合せ:0774-76-2390

◇〜5/20 石光寺日本最古の弥勒石仏特別公開
問合せ:0745-48-2031

◇~5/20 當麻寺中之坊霊宝館での春季特別展
問合せ:0745-48-2001

◇〜5/24 榮山寺「本堂の薬師如来坐像特別開帳

◇〜5/31 春日大社御本殿特別公開」8:30~16:45
(詳細をブログにアップしています→

◇~5/31 不退寺春季特別公開
在原業平画像や伊勢物語、古今和歌集などが公開される。
問合せ:0742-22-5278

◇~5/31 安倍文殊院春の寺宝展
問合せ:0744-43-0002

◇〜5/31 西大寺「聚宝館 特別開館」
問合せ:0742-45-4700

◇〜5/31 岩船寺秘仏弁財天・羅刹天特別公開
問合せ:0774-76-3390

◇〜5/31 談山神社「春の社宝特別公開」
問合せ:0744-49-0001

◇〜6/7 壺阪寺壺阪寺二大塔 同時特別開扉
問合せ:0744-52-2016

◇〜6/10 法華寺国史跡名勝庭園特別公開
問合せ:0742-33-2261

◇〜6/30 薬師寺「玄奘三蔵院伽藍・大唐西域壁画公開」
平山郁夫画伯の大唐西域壁画の公開です。
問合せ:0742-33-6001

◇〜6/30 長谷寺「本尊大観音尊像特別拝観・春季特別寺宝展」
問合せ:0744-47-7001

◇~6/30 法隆寺大宝蔵殿での秘宝展
国宝・重文指定される宝物が2300点余りある法隆寺で、通常拝観できない寺宝が春と秋の年2回特別公開されます。
問合せ:0745-75-2555

今月から始まる特別公開は+++

◇5/1〜5/9 海龍王寺「十一面観音特別開帳」
問合せ:0742-33-5765

◇5/1〜5/31 璉珹寺「阿弥陀如来立像特別公開

◇5/3 10:30~17:00 船宿寺「本尊薬師如来特別開扉」
問合せ:0745-66-0036

◇5/8 浄瑠璃寺「三重塔 薬師如来坐像特別公開」
問合せ:0774-76-2390

◇5/9〜5/24 9:00~16:00 室生寺「高野山開創1200年記念特別秘宝展」
問合せ: 0745-93-2003

◇5/13〜5/15 當麻寺「裏板曼荼羅や板光背」
問合せ: 0745-48-2008

◇5/15 称名寺「珠光忌」本堂ご本尊二像と茶室獨慮庵公開 
問合せ:0742-23-4438

◇5/15〜8/31 おふさ観音秘宝生き人形
問合せ:0744-22-2212

◇5/17 霊山寺薔薇会式」薬師三尊像特別公開
問合せ:0742-45-0081

◇5/19 唐招提寺「覚盛上人坐像」特別公開
問合せ: 0742-33-7900

◇5/28 9:00~17:00 不退寺「多宝塔特別開扉」
問合せ:0742-22-5278

特別公開される日付順に記載しています。
特別公開の時間や拝観料、寺社の場所などは各サイトでお調べ下さい。
印はブログ内の関連過去記事です。

2015年4月28日火曜日

5月のお出かけ情報①〜GW期間中の寺社伝統行事

風薫る5月、GW期間中の寺社伝統行事についてご案内致します。
GW以降の伝統行事についてはまた後日にアップしますので
よろしくお願いいたします。

◇5/1 11:00~ 氷室神社献氷祭
14:00~15:00 舞楽奉納
日没〜21:00前後「氷献灯」
問合せ:0742-23-7297

◇5/1〜5/10 宝山寺大般若会式
問合せ:0743-73-2006

◇5/2 13:00~ 東大寺「聖武天皇祭」
8:00~11:30頃に天皇殿で法要
この法要中と法要後の14時まで天皇殿を屋外から参拝可。
13:00~式衆僧侶や稚児による練り行列
大仏殿到着後「聖武天皇御忌法要」
13:30頃 鏡池水上舞楽台にて舞楽奉納

◇5/3 東大寺「山陵祭」
8:30に東大寺大仏殿を出発
東大寺一山の僧侶が佐保御陵に参拝されます。
11:00~裏千家による献茶式
大仏殿東回廊の施茶席では参拝者にお抹茶が振る舞われます。
(大仏殿を参拝された方は自由に席に入ることができます。)
約4000人分準備され15:00頃には終了します。

◇5/3 11:00~ 船宿寺「花まつり」
千株の平戸ツツジや石楠花、牡丹やツツジが美しい池泉回遊式庭園の
ある境内で法要の後、本尊薬師如来像が特別開扉される。(~17:00)
問合せ:0745-66-0036

◇5/3 3:00~5:00 大峯山寺「戸開式」
修験道の祖・役小角が開いた山上の大峯山寺の戸が開けられる。鍵渡し式のあと人馬を組んだ講中が本堂の3つの戸の鍵を取り合う荒々しい行事。女人禁制の大峯山は9月23日の戸閉式まで賑わう。
問合せ:0747-64-0001

◇5/3 久米寺「二十五菩薩練供養」
聖徳太子の弟、来目皇子の創建という久米寺は久米仙人の伝説でも名高い。護国道場から金堂にかけた来迎橋を、観音・勢至など25菩薩に扮して渡る。
問合せ:0744-27-2470

◇5/3 11:00~ 信貴山朝護孫子寺「空鉢護法大祭」
問合せ:0745-72-2277

◇5/5 薬師寺「玄奘三蔵会」
法相宗の祖、玄奘三蔵を顕彰する行事。
13:00〜伎楽隊・出仕僧大行列
13:30~玄奘三蔵会法要・14:30〜伎楽奉納
19:00〜21:00(5/4・5/5)万燈会(玄奘三蔵院伽藍)
問合せ:0742-33-6001

◇5/5 春日大社「菖蒲祭」
10:00~端午の節句祭
13:00~舞楽演奏会 神苑にて

◇5/5 8:00~16:00 野口神社「蛇穴さらぎの汁かけ祭り」
昔は参詣者にワカメの味噌汁をかけ豊作を祈ったので汁かけ祭という。現在は御所蛇穴の各家をワラでつくった長さ10メートルの大蛇を子供達が担いで回り野口神社の蛇塚に収める。頭部は前日の朝、胴体は当日に作り12:00頃から町内を練り歩く。
問合せ:0745-62-3346

◇5/5 11:00~12:00  田原本町内「綱掛」
前日に当家の表口から裏口までの長さの綱を作り、綱一面に藁を垂らす。又、村の家の数だけ鍬と鋤のミニチュア農具と牛の木版画を作る。当日に農具や牛五穀豊穣や牛馬の健康を祈願し、綱をかついで村中を練り回り、最後によのみの木にこの綱をかけて行事を終える。

◇5/5 10:00~ 往馬大社「御田植祭」
問合せ: 0743-77-8001

◇5/5 売太神社「人形昇天祭」
問合せ:0743-52-4669

◇5/5 信貴山大本山玉蔵院「出世毘沙門天大祭」
問合せ: 0745-72-2881

◇5/5 11:00~大神神社久延彦神社「就学安全祈願祭」
子供の日に因み、智恵の神様・久延彦神社で学力向上、学業安全を祈るお祭り。参列者には学業安全鉛筆が授与される。
問合せ:0744-42-6633

唐招提寺の瓊花

新緑の美しい唐招提寺。
今年も御影堂供華園に咲く「瓊花けいか」が公開されています。
瓊花は鑑真和上が日本僧の栄叡・普照に来日を要請された場所である大明寺で大切に育てられてきました。
鑑真和上遷化1200年にあたる1963年(昭和38年)に、その記念事業の一環として中国仏教協会から贈られた瓊花を株分けして、現在10株の瓊花と御廟にも1株が生育しています。
藤の花ともコラボして

瓊花は鑑真和上の故郷 揚州市の名花で「皇帝の花」と称されています。
まん中のつぶつぶの花が開くと香しく気高い薫りが漂ってきます。

御影堂供華園には大手鞠の花も咲いていました。
開山堂そばにひっそりと咲いていた花も清楚ですね。
::
御廟にも一本、瓊花が植えられているのですが、そちらはまだ全然花がついていないような状態でした。
御廟の池の畔に、こんな珍しい配色のサツキを見かけました。
水が澄んでいるということでもないのですが、水面には緑が美しく映えていました。
御廟の中の清々しい気配に今回も心が浄化されるようで
唐招提寺にはまた何度でも訪れたいと思うのでした。

唐招提寺 御影堂供華園「瓊花」2015年の公開期間について
期間:2015年4月23日(木)~5月6日(水)
※花の状態によって、期間を延長することがあります。
時間:午前9時~午後4時
拝観:無料(南大門通常拝観料のみ)

2015年4月27日月曜日

法華寺の瓊花

唐招提寺で瓊花けいかが見頃と知り、唐招提寺に伺う前に
法華寺にもある瓊花を見に行きました。
法華寺の中にある植物園「華楽園」では2本の瓊花が見頃に。
ガクアジサイと同じように、周りに見える白い花のようなのは「花」ではなく萼。花は真ん中のツブツブしたものだそうで、上の写真はまだ蕾↑、下の写真は開花している様子↓になります。
同じく華楽園では牡丹も見頃になっています。
ちょうど、名勝庭園も公開中でした。
でも杜若はまだほんの少しでした。

法華寺
国史跡名勝庭園特別公開」は6/10まで。

2015年4月26日日曜日

奈良国立博物館で「奈良八重桜を愛でる会」開催*

4/26、奈良国立博物館で「奈良八重桜を愛でる会」が開催されました。
当日の内容は・・・
①湯山賢一奈良国立博物館 館長の講演(講堂)
②やすきひろこの語り芝居(講堂)
「奈良の八重桜物語~聖武天皇の心に染まる弥栄の山桜」
③献上桜観賞(庭園)
④点心と呈茶席(八窓庵、含翠亭、ピロティ、庭園)
⑤特別展と名品展鑑賞(新館展示会場)・・・でした。

「奈良八重桜の会」会員として、私はイベントのお手伝いに関わっていましたので、ところどころで見聞きした感想ですが・・・

湯山館長の講演では「二月堂縁起上巻 第四段と第三段の中に描かれている桜がナラノヤエザクラに見えます」と話されたのが印象的でした。
やすきひろこさんの語り芝居は非常に見応えがありました。

庭園内のナラノヤエザクラは満開過ぎの散り際のものが多かったです。
点心と呈茶席と「平安古経展」鑑賞
「八窓庵」では石州流お家元によるお席があり、皆様に大変喜んでいただけたようです。点心は「いそじ」さん、お茶のお菓子は「中西与三郎」さんで、こちらも皆様に好評で大変美味しかったです。
私は慣れぬ着物姿で呈茶席のお運びなどをお手伝いして、イベントが終わってから「平安古経展」を鑑賞。そんなお疲れモードの中での鑑賞でしたが、さすがに「久能寺経」の素晴らしさ、美しさは心に残るものがありました。
大勢の方と力を合わせてイベントを盛り上げていくことができ、とても楽しい一日でした。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

おまけの画像>>
「奈良八重桜」が遺伝子解析もして、天然記念物「知足院ナラノヤエザクラ」と同じ遺伝子を持つ桜を東大寺、興福寺、法華寺に植樹されましたが、 その法華寺のナラノヤエザクラは・・・
背が高く立派に成長しているのですが、花はそれほどついていません。
::
もう一つ、鼓阪小学校の校門前の御衣黄桜の後ろに、とても遅咲きのナラノヤエザクラを見つけました。
御衣黄桜の後ろにひっそりと
葉影に隠れて咲いていました。

::
今年の桜は開花してからあっという間に満開になって、その後は雨の日が大変多かったですね。雨に濡れた桜花も曇り空の下の桜もそれぞれに美しく、ほぼ一ヶ月に渡って色々な種類の桜を楽しませていただきました。長い間おつきあいいただいたブログの「ナラノヤエザクラ」便りもこれで終わりです。ご覧いただきありがとうございました。

2015年4月25日土曜日

奈良公園のナラノヤエザクラ

唐招提寺では瓊花けいかが見頃、室生寺では石楠花、長谷寺では牡丹、春日大社万葉植物園でも早咲きの藤の花が開花・・・と各地から花便りが届く百花繚乱春爛漫の奈良ですが、奈良倶楽部通信ではもう少し「ナラノヤエザクラ」便りが続きます。
奈良県文化会館前庭にも数本のナラノヤエザクラ。
同じ一本の木に、蕾は紅色↑、開花すると白色の花↓
満開になるとピンク色↓
散り際には濃いピンク色↓へと、変化する花を見ることができました。

::
みどりい池辺りもナラノヤエザクラの多いところです。
(ナラノヤエザクラと同じくらいナラノココノエザクラも多いですが)



::
奈良公園館北側エリアでは色々な種類の桜が標本のように植えられていますが、ここにもたくさんのナラノヤエザクラがあり、かなりの大木となっています。


ナラノヤエザクラの花は他の八重桜に比べて、とても小さく目立たないので、全体として見るよりも花自体をアップで見る方が断然可愛くて美しいですね。

その他に奈良公園では、浮見堂北側の斜面や茶山園地、若草山山麓などに多く咲いています。また奈良公園以外では、法華寺、大和文華館、奈良ホテル、平城宮跡などでナラノヤエザクラを見ることができます。
4月下旬からGWにかけて、緑色の葉の中に白く小さな花を咲かせている桜を奈良公園で見かけたら、それが「ナラノヤエザクラ」です。
忘れ去られてしまいそうなくらい可憐な花ですが、この時期に奈良を旅することがありましたら、ぜひどうぞ愛でて下さいませ。