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2013年12月30日月曜日

2013年もありがとうございました!

今年も一年が暮れようとしています。
年々、時の経つのが早く感じられ、特に今年は超加速度的に過ぎていったような気がしますが、そのあっという間の中にもたくさんの出会いとご縁をいただいた一年でした。
特に今年は開業25年記念ということで一年を通してたくさんのイベントを開催しました。奈良倶楽部という「わ」(輪とか和とか)を通して、お客様同士や旅人同士のご縁が繋がったことも多々あり、人と人が出会い繋がる場こそが、奈良倶楽部が持つ役割ではないかと感じた一年でした。

ティータイム茶論やワークショップにご参加いただいた皆様、
ファーストポジャギ展やHANARARTの展示にお越しいただいた皆様、
いつもブログをご覧下さっている皆様、
そして、奈良倶楽部にご宿泊いただいた皆様、
奈良倶楽部にお越しいただきましたこと、皆様との出会いに心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

トップの写真は、9月中旬にご宿泊されたお客様より
旅から帰って「早朝のお散歩で二月堂から見た大仏殿にかかる虹は一生忘れることのできない宝物です」とメールをいただきました。
お客様方の、奈良への旅が心に残る旅となりますように
少しでも旅のお手伝いができ喜んでいただけますよう
これからも日々努力していきたいと思っています。

では皆さま、どうぞ佳いお年をお迎え下さい。
そして、新しい年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

2013年12月26日木曜日

「奈良の旅人」エッセイ*募集のお知らせ

今月から応募受付け開始しました「奈良の旅人」エッセイ*
毎日一通くらいの割合で、メールでエッセイが届いていましたが
でも12月中旬頃から ぴたっと動きが止まって・・・
そうなんです、師走でしたね。当たり前のことでしたが、12月は何かと気忙しく、エッセイどころではないですよね。
できましたら、お正月休みにゆっくりと書いていただければ有り難いのですが・・・。もう一度、募集要項を再掲載いたしますので
是非是非ご応募よろしくお願い申し上げます。

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<募集内容>
「奈良を旅する楽しさ」や「私のお気にりの奈良」「奈良旅空想プラン」などをテーマにエッセイを募集します。

<応募要項>
◇文字数は1,000文字前後(原稿用紙2~3枚程度)
◇応募資格はプロ・アマ問いません。また奈良旅経験者でなくても、奈良県内在住者でもOKです。
奈良を旅するのが好きな人、いつか奈良へ旅したいと思っている人、奈良への旅人を案内したい人など、どなたでもご応募下さい。
◇応募の文章は日本語のみ。一人1作品の応募で、自作の未発表作品に限ります。
◇作品はワードでファイルにしてメールでご応募下さい。
◇必要記入事項は、ご住所・お名前・電話番号・メールアドレス・年代・性別です。

<選考を手伝って下さる方と表彰について>
倉橋みどり:「文化創造アルカ」主宰/編集者・ライター
生駒あさみ:「奈良旅手帖」編集
多田みのり:旅と歴史のライター/奈良市観光大使
各選考委員賞(3名):賞品は各選考委員が選んだ奈良のもの
大賞(1名):小さなホテル奈良倶楽部ご宿泊券

<募集期間と発表について>
◇応募受付け期間は2013年12月1日から2014年1月10日まで
◇発表は2014年3月上旬を予定
◇入賞作品はブログで発表させていただく予定です。
・入賞作品の著作権は作者に属しますが
 優先使用権は主催者に帰属するものとします。
・発表前の選考経過についてはお答えできませんのでご了承下さい。

<応募・問合せ先>
小さなホテル奈良倶楽部 (担当:谷 規佐子)
住所:630-8204 奈良市北御門町21
TEL:0742-22-3450/FAX:0742-22-3490
メールアドレス:naraclub@kcn.ne.jp
ホームページ:http://www.naraclub.com/ 
ブログ:http://naraclub-naraclubpart2.blogspot.jp/
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しかし、何故このような「エッセイ募集」 という、普段の仕事からかけ離れたことを思いついたのでしょう?

これも以前のブログに書いたのですが・・・
実は私はお客様の旅のお話を聞くのが大好きで
ホテルに戻ってこられたお客様から、出かけたところであったちょっとしたエピソードや、お帰りになってからメールやお手紙でいただく旅のご報告など、その方らしい旅の様子に ほのぼのとしたものを感じたり
私も知らない奈良を教えていただいた時などは 好奇心が早って心ときめいたりするのです。そして、こんな楽しい話題を独り占めするのは勿体無いとよく思うのです。
ということで、「奈良」や「旅」をキーワードに「奈良へ旅する楽しさ」を、多くの方と共有できればいいなという思いから、おこがましくも、今回開業25年記念イベントの一つとして企画したのでした。

現在ご応募いただいている方は圧倒的に男性が多いです。
そして奈良倶楽部にご宿泊されたことがない方が多数という特徴があって、意外な印象です。
奈良が大好きなリピーターの皆さま!
奈良への旅にまつわる想いや、皆様のとっておきのお話など、たくさんのご応募お待ちしています。どうぞよろしくお願い申し上げます。

2013年12月25日水曜日

888,888アクセスゲットありがとうございました*

今朝メールが届いていました。
ファーストポジャギ展にも出品して下さった奈良倶楽部のお客様でした。いつもブログをご愛読いただきありがとうございます。次回は90万アクセス間近に「ページビューの合計」をアップしようと思います。自分の見てきた話題や奈良のことなど、細々と書き綴っているブログですが、多くの方にご覧いただき改めて感謝です。
ご愛読の皆様、どうもありがとうございます。
そしてこれからもどうぞよろしくお願いいたします。

年末年始のお出かけ情報③〜新春の秘宝秘仏公開

新春に合わせて特別開帳される秘宝秘仏のご案内です。

◇12/31 23:00~翌2:00 喜光寺「大晦日夜間特別拝観」
本堂で阿弥陀三尊像を拝むことが出来ます。
◇1/1~1/15 9:00~16:00 喜光寺「宇賀神特別開帳」
毎年7月の暁天講座の時にだけ公開されていた、人頭蛇身の姿の宇賀神がこの時期にも特別公開されます。

◇1/1~1/3 霊山寺薬師三尊特別公開
かや材一木造りで62cmの薬師如来が公開。
脇侍の日光・月光菩薩の光背には十二神将が描かれている。

◇1/1~1/3 慈光院なき龍 本堂絵天井特別公開9:00~17:00

◇1/1~1/3 法隆寺「舎利殿・絵殿特別公開」
南無仏舎利を納める南無仏舎利塔は13:00〜の法要の間参拝可能。

◇1/1~1/3 聖林寺秘仏・宝蔵天、弁財天開扉

◇1/1~1/10 信貴山朝護孫子寺「毘沙門天王秘仏御開帳」9:00~16:00
                          ※祈祷中は拝尊できませんのでご注意下さい。

◇1/1〜1/15 8:30~16:30 薬師寺
「玄奘三蔵院伽藍・大唐西域壁画殿特別公開」
「国宝・吉祥天女画像特別公開」

◇1/1~1/3と1/8 浄瑠璃寺「三重塔内・薬師如来坐像公開」0:00~16:00
◇1/1~1/15 浄瑠璃寺「秘仏・吉祥天女像特別公開」10:00~16:00

◇1/8~1/10 浄瑠璃寺「大日如来特別公開」10:00~16:00

◇1/1~1/31 9:00~16:30  石光寺弥勒堂開帳

◇1/1~1/31 松尾寺「松尾山七福神開扉」「大黒天念持仏公開」
    1/1は0:00~17:00 1/2~1/31は8:00~17:00

◇1/1~2/28 9:00~16:30  當麻寺中之坊布袋尊百童子屏風ご開帳
◇1/16 9:00~17:00 當麻寺中之坊導き観音ご開帳
◇1/16~5/18 9:00~17:00 當麻寺本堂「吉祥天立像」数十年ぶりの公開
◇1/25~5/25 9:00~17:00 當麻寺奥院「倶利伽羅龍蒔絵経箱」

◇1/15~2/4 9:00~16:30 西大寺「愛染明王特別開扉」
◇1/15~2/4 9:00~16:30 西大寺「聚宝館」特別開館

2013年12月24日火曜日

年末年始のお出かけ情報②〜初詣と寺社新春行事

奈良県内の寺社で行われる越年行事や初詣、お正月の伝統行事など
奈良倶楽部にご宿泊のお客様にお奨めしやすいところをご案内致します。(同じ寺社での行事はまとめて紹介しています。)
春日大社「初詣」
・1/1は0時~20時 1/2、1/3は6時30分~19時が開門時間です。
・1/1  5:00 歳旦祭 摂末社巡拝 (※拝観は不可)
・1/2 10:00〜「日供始式並興福寺貫首社参式
神仏習合時代の神前読経が偲ばれる珍しい行事です。
・1/3 11:00〜「神楽始式」
巫女により本社中門前で神楽が奉納されます。
・1/4、1/5の開門時間は6時30分〜18時です。

東大寺大仏殿無料拝観
・1/1 0:00~8:00
大仏殿中門を開扉。鏡池付近では「とんど」
中門内側大仏殿参道両側の水路では篝火が焚かれます。

◇東大寺二月堂「観音経読経
・1/1 0:00
鏡池辺りの参道から二月堂まで135基の石灯籠に灯が入ります。
またこの時から3日間、二月堂内では万灯明を灯しています。
・1/3と1/5 10:00~ 「大般若法要」
11:00~13:30 お雑煮ふるまい(万灯明、お鏡の申し込み者)

興福寺「新春護摩祈祷」
・1/1~1/3 13:00頃~ 南円堂そばの不動堂にて(要申込)
・1/2 「春日社参式」

護国神社「御火焚祭」
・12/31 から1/3まで
除夜祭の後、浄暗の中、県下一の「大とんど」に点火( 23:30点火)
天高く立ち上る炎のもとでの年越し。
・1/1 7:00〜歳旦祭
・1/2 10:00〜日供始祭
・1/3 11:00〜新春祈願祭 祭典後、古式包丁式を奉納
「大とんど」は3日間絶えることなく燃え続けます。
三が日の参詣者には白神酒が振舞われます。

大安寺「除夜の竹明かり」
・1/1 0:00~
除夜の鐘の響きとともに、本堂では大般若会が修されて
松三宝昆布挟みの儀が執りおこなわれ
護摩堂では越年の護摩が焚かれます。
また境内には108本の竹明かりが灯されます。

◇唐招提寺「修正会
・1/1 0:00~2:00 修正会護摩供
・1/3 18:00~20:00 修正会護摩供 餅談義

◇薬師寺「修正会 吉祥悔過法要
・1/1~1/14 8:30~17:00「吉祥天女画像特別開扉」
・12/31 23:45~「 修正会吉祥悔過法要」(金堂)
・1/1 0:30~「年頭法話」(東僧房)
・1/1~1/3 9:00~「写経会」(写経道場)
・1/1~1/3 10:00~「初護摩祈祷」(大講堂前)
・1/1~1/3 13:00~「修正会吉祥悔過法要」(金堂)
・1/1~1/3 13:30~「新春法話」(東僧坊)

霊山寺修正会
・1/1 0:00~5:00(奥の院、本堂、弁天堂)17:00~(本堂)
・1/2・1/3 17:00~(本堂)
・1/1~1/3 10:00~16:00 大福茶接待・初生け花
・1/1~1/3 10:00~16:00「本堂薬師三尊の特別開扉」

帯解寺修正会
・1/1 0:30~2:00

率川神社「歳旦祭」
・1/1 0:45~1:30
本社・大神神社の繞道祭の御神火を受けて大松明に点火。
火縄に移して家庭に持ち帰り新年の火種にしていただきます。
参列自由。火縄1巻き1000円。

大神神社繞道祭にょうどうさい
・1/1 1:00~
拝殿奥・神山三輪山でご神火が切り出され(0:00)
灯篭から大松明と火が移され
三輪山麓の摂社末社18社を大松明を担いで巡拝する。

石上神宮「新春初太鼓 神火祭」
・1/1 0:00〜
・1/1 5:00〜「歳旦祭」

信貴山朝護孫子寺修正会
・1/1〜1/3 17:00〜本堂にて
一山総出仕により、うるしの木を打つ行事はダイナミックです。
・1/1〜1/10 9:00〜16:00 「毘沙門天王秘仏御開帳」

宝山寺「初聖天」
・1/1〜1/3 福財布の授与
・1/1〜1/15 午前中〜14:00 新年特別祈祷会

松尾寺「七福神祭」
・1/1 0:00~17:00  1/2~1/31 8:00~17:00
・1/3 10:00~歳旦祭(松尾山神社にて)神楽奉納も。

長谷寺 「観音万燈会 」
・12/31 19:00〜 1/1 5:00
本堂と登廊に明かりが灯ります。
・1/1~1/3は17:00~20:00 

◇法隆寺「舎利講
・1/1~1/3 13:00~(夢殿北、東院舎利殿にて。参拝可) 
絵殿も特別公開

聖林寺「新春特別公開」
・1/1 ~1/3 「秘仏宝蔵天・秘仏弁財天特別開扉」(通常拝観料要)

橿原神宮「御垣内特別参拝」
・1/1~1/5 9:00~17:00(3日は正午から)初穂料 1000円以上

大和神社 「新春行事」
・1/1 2:30~「歳旦祭」
・1/1 14:00~「新春初祈祷」
・1/3 10:00~「元始祭」
・1/4 13:00~ 「御弓始祭」

談山神社「新春行事」(1/1~1/3:入山無料・内庭特別参拝)
・1/1 0:00 開門、初太鼓
・1/1 10:00~「元旦祭」
・1/2 13:00~「神楽式 談山翁」
・1/2・1/3 10:00~15:00「書き初め」
・1/3 9:00「元始祭」11:30「福禄寿大神新春大祭」

正暦寺「修正会」
・1/3~1/5 13:00~16:00
年頭祈願、五穀豊穣を祈る薬師悔過法要。
正暦寺に古くから伝わる独特の声明によって法要を勤修。

◇1/5 10:30~ 率川神社阿波神社「初戎祭」
奈良市内最古の夷さま。吉兆福笹授与、お神酒・甘酒の振舞い有り。

◇1/5 7:00~ 南市恵毘須神社「初戎 」

2013年12月23日月曜日

年末年始のお出かけ情報①〜大晦日「年越大祓式」と「除夜の鐘」

まずは大晦日に行なわれる「年越大祓式」 のご案内を**
春日大社 15:00〜 春日大社内 祓戸神社
護国神社 15:00〜
大神神社 14:00〜 祈祷殿前斎庭
石上神宮 15:30〜
談山神社 15:00〜


次に「除夜の鐘」のご案内ですが**
奈良倶楽部通信では、ご宿泊のお客さまが徒歩や車で動ける範囲のお寺で撞ける除夜の鐘のみご案内しています。
その他、奈良県下の寺院の除夜の鐘につきましては
こちらこちらをご参照下さい。

◇「五劫院」の除夜の鐘◇

奈良倶楽部の2軒お隣、23:45より参加者全員が順番に撞けます。
甘酒・福酒の振舞いや合格鉛筆、破魔矢の授与
また、五劫思惟阿弥陀仏像も拝観できます。
 五劫院の鐘

「般若寺」の除夜の鐘◇
23:45頃から、参加者全員が順番に撞けます。
元旦1:00頃まで本堂無料公開福茶のふるまい有り。

「東大寺」の除夜の鐘

23:00より整理券配布され、先着800名まで。
元旦の0:00より、8人一組で撞きます。
※整理券配布時間は人出の具合で決めるため前後する可能性あり。
また、列から離れると整理券は無効になります。
 

「興福寺」の除夜の鐘◇
南円堂と菩提院大御堂の2ヶ所で撞けます。
23:00より各先着100名(計200名)に整理券配布され
23:30より打鐘。

「薬師寺」の除夜の鐘

23:00より東僧坊で番号札を全員に配布。(越年写経の方優先)
23:45より5人一組で鐘を撞きます。
鐘を撞いた方にはお餅の接待もあり(数量限定です)

「唐招提寺」の除夜の鐘
23:00より南大門で先着108名に番号札を配布。
23:40より鐘をつくことができます。
参詣者には千手観音の御守札を授与。(拝観無料)

◇「西大寺」の除夜の鐘◇

23:40頃より開始。整理券なしで参加者全員が撞けます。

・・・・・・・・・・・・・・

大晦日から元旦にかけて、奈良倶楽部は門限フリーにしております。
奈良で迎える新年をどうぞお楽しみ下さい。

2013年12月22日日曜日

おん祭の舞台*お旅所御假殿初公開

春日大社の講座「若宮御假殿初公開」に参加しました。
春日若宮おん祭では、舞台となるお旅所に神様をお迎えする仮の本殿が建設されます。神様の旅の宿「御假殿」について、その歴史と造営の様子や建築様式などの講義と、解体前の「御假殿」の直近での見学が行なわれました。
「御假殿」見学では、一般の人が立ち入れない芝舞台にまで上れ(菰の上には入れませんが)、写真撮影もOKでしたので、講義の内容をメモがてらブログで紹介したいと思います。
 「御假殿」は毎年10/1の縄棟祭から12/16の清祓式まで長い時間をかけて造営されます。
「御假殿」の特徴として、全てに皮付きの赤松の丸太を使用していること。(現在では、丸太を毎年繰り返し使用しているので、皮が剥がれている部分も有り↑)
高級木材ではない赤松を使用しているのは何故か?
松は「おめでたい」象徴で、どこにでもあり入荷しやすかったから。
屋根も松葉で葺かれていますが 、建物の周りの玉垣は
春日大社の神木ナギの木で覆われています↓。
仮の御殿であっても板壁ではなく土壁で作られているのも特徴です。
そして、壁に漆喰で三角模様を作って飾ります。
漆喰の三角、微妙にバランスを崩した描き方が可愛いですね。
明治以前は、毎年その都度、建替えられていた「御假殿」ですが
現在は解体組み立てが簡単であるので、毎年同じ木を使って造営されています。よく見ると柱に「東側 北ヨリ6」と書いてありますよ。

赤松の丸太柱は直径40cm、長さ4〜5mと巨大です。
菰の下に敷き詰められた板は蒲鉾状に細工されています↑
神様に芸能を楽しんでもらう建物なので、正面には扉がなく、おん祭当日は正面に御簾が掛けられ、上部に鏡が三つ取り付けられています。
そして真ん中には樅の木が飾られています↑。今まで全て松で作られていて、最後に樅の木が出てくるのは何故か?一説には春日山には樅の木が非常に多いから・・・かもしれないということでした。
全て丸太で造られていますが「御假殿」は、若宮神社本殿に似せて造られた春日造りの建物。仮の宿でありながら、若宮さまに楽しんでもらいたいという工夫がいっぱいの建物でした。

2013年12月21日土曜日

てんかつイベント「長老に聴く奈良・鼓阪の歴史」

転害門観光案内所で第1回地域文化探訪講座が開かれました。
地域にお住まいの古老に、この辺りの歴史などお話していただく会で
ゲストは転害門南隣にお住まいの威徳井義一いとくいよしかずさんです。
今年97歳の威徳井さん、身だしなみもダンディで若々しく、お話もしっかり、そしてユーモアに溢れていて、とてもその年齢には見えません。
威徳井さんのお家は明治の終わり頃まで転害門南東角で
「いとくゐや孫三郎」という屋号で宿屋(旅籠)をされていたということで、りっぱな看板↑も見せていただきました。
他にも古文書などの古いもの珍しいものもお持ち下さいました。
威徳井さん宅に残っていたこの木札↑
表は、参詣客の月当番の宿を示して↑裏には「享保5年」の文字↓。
享保5年=1720年=今から293年前には宿屋をしていたという証拠となる木札。威徳井さんは、大仏殿が再建された元禄時代に爆発的に参拝客が増えて、その頃には宿屋を始めていたのではないかと推測されています。(いや、それにしても年号の数字などがすらすらと出て、とてもしっかりされていて驚きました。)
他には、紀州藩とのやり取りが記された連判帖(安政5年十月)や
明和九年(1772年)の宗門御改帖など↓
宗門御改帖にはこの辺り一帯の家族構成や検地の図面なども記され、貴重な歴史資料となっています。
また、紀州藩御用立願いには、紀州藩老中一行をこの辺りの旅籠で賄いをしてもてなしたが、経費がかかって負担分の調停を奉行にお願いしたことなどが書かれているそうです。いや〜、生々しい歴史の証言がすごいですね!特に、安政5年9月に起こった『安政の大獄』の直後の10月の記録ですから、紀州藩老中ご一行が京都へ上る時にこの京街道を通って、ここで道中泊まられて接待したのに、期待外れな報酬で、旅籠の連中が集まってケンケンガクガク・・・判子を押していない旅籠もいて、足並み揃ってないところが・・・ひゃ〜妄想が止まりません!
そして同じ宿屋稼業の私が一番感動したのがこれ↓地図の木版です。
版を刷ってお客様に手渡していた地図のコピー↓
「観光のお客様に地図を渡して」が今も昔も変わらないことに感動!

写真ではわかりにくいのですが、この地図の中心は奈良。
奈良から北の方向の京都が下にあり、大阪は右の方に、図面の左上には伊勢神宮がしっかり描き表されています。奈良を中心に伊勢や吉野や大阪や京へ行く道中の宿場や、そこまでの距離も記されて、旅人にとても便利で重宝な地図をオリジナルで作られていたのです。

さて、江戸時代には何軒もの旅籠が軒を連ねていた京街道筋でしたが
明治時代後半になって、「いとくゐや孫三郎」もですが、多くの宿屋が廃業し、昭和の始めに残っていた旅館は、正岡子規も泊まったことがある「対山楼」(その跡地にあるのが日本料理の「天平倶楽部」 さん)一軒だけになったそうです。
これは、明治の廃仏毀釈で奈良のお寺への参詣客が減ったこと、明治20年以降に国鉄近鉄などの駅ができて客の流れが変わったことなどが理由ではとお話されていました。(実際、近鉄が出来る時に、奈良駅の場所を、一条通りに近い大仏駅のところにしてほしいという要望を出されたそうです。)

その他には「威徳井」という名の由来や、「はやと石」の拓本のことや従軍体験のお話などもあり、1時間半の長い時間をたっぷりと楽しませて下さいました。
最後に、長寿の秘訣は「お洒落」であることですと、同席の息子さんがおっしゃって「なるほど!お洒落は大事」と同感。素敵でいようと心がけることは大事ですよね。

宿屋つながりの話も興味が尽きませんでしたし
古文書から読み解いた江戸時代の話も臨場感溢れて楽しかったです。
ありがとうございました。

2013年12月20日金曜日

年末カウントダウンとアクセスゲット*

12月も20日を過ぎると さすがにせわしい気持ちになって
訳もなく慌ただしい毎日を送っています。
さて、年末カウントダウンの忙しい時期ですが、ふと気がつくと
このブログももうすぐ888,888アクセスになろうとしていました。
ぞろ目の好きなブログ主、今回は末広がりの八十八万八千八百八十八です。年末の忙しい時期ですが、たまにブログを覗いてアクセスゲットしていただければ嬉しいなぁと思います。
今回も、記念すべき888,888アクセス目をカウントゲットされた方
もしよろしければ、数字を撮った写真を添付してご連絡いただけませんでしょうか。ささやかなものですが、何か奈良らしいものを記念品としてお送りさせていただきたいと思っています。
メールアドレスはnaraclub@kcn.ne.jpです。
(アクセス数はブログのトップ左側に表示されています。)
お手数ですが、どうぞよろしくお願いいたします。
今朝の奈良市内、山沿いでは雪が降っていました。
写真は今日のお昼ごろ、まだ雪の残る弘仁寺あたりです。
弘仁寺では色づきが一番遅かった紅葉が今!でした。

2013年12月19日木曜日

東大寺開山忌とお水取り

葉が落ちて白い実ばかりのナンキンハゼの木。あれほど美しい彩りを楽しませてくれた東大寺境内の雑木林もすっかり冬の装いです。

先日、12/16は東大寺の初代別当良弁僧正開山忌で
開山堂では良弁僧正坐像と二月堂修二会を始められた実忠和尚像が
特別公開されていました。

またこの日は、法華堂の「執金剛神立像」が3年ぶりの特別公開
俊乗坊重源像をお祀りする「俊乗堂」も特別公開されます。
3年ぶりの公開とあって、長い行列が出来た法華堂でした。
そして開山忌の16日は、来年の二月堂修二会に参籠する練行衆11人が発表される日でもあります。1263回目の修二会の配役は・・・
和上:狹川普文師 大導師:橋村公英師 咒師:上司永照師 堂司:田方広真師 北衆之一:森本公穣師 南衆之一:尾上徳峰師 北衆之二:池田圭誠師南衆之二:佐保山暁祥師 中灯:筒井英賢師 権処世界:中田定慧師 
処世界:平岡慎紹師・・・と発表されました。
開山忌の翌日には二月堂黒板もこのように・・・。

ところで、東京日本橋『奈良まほろば館』での「お水取り」関連イベントで、ベテラン童子の野村さんが、お水取りのお話をされて「ごぼう」の実演も開催されるのですね。
1/5「お水取りに伝わる伝統食ごぼう」
1/6「大ベテラン童子が語るお水取り」
野村さんの童子の仕事についてのお話、聞いてみたいなぁ。

2013年12月18日水曜日

春日若宮おん祭2013*「お渡り式」と「南大門交名の儀」

お旅所の御假殿にいらっしゃる若宮様のもとへ
芸能集団や祭礼に加わる人々が社参する「お渡り式」。
昨年はこのお渡り式の中の「松の下式」を中心に見学しました。
今年は「南大門交名の儀」を見学することにして
午前中の仕事を終えたあと県庁前まで急ぎました。
登大路沿道にはびっしりの人人人。行列が途切れるまで道路の向こうに渡ることはできません。 12:30頃、大和士一行が出発したところで興福寺の方へ渡って三条通りまで。12:00に県庁前広場を出発したお渡りの先頭は、まだこちらへ来られていませんでした。
三条通りもびっしりの人人人です。

三条通りに面した興福寺南大門跡には僧兵姿の衆徒が勢揃い。
「南大門交名の儀」は、おん祭が興福寺の全面支援で行なわれてきたという歴史的事実から 、祭礼の主催権を持つ興福寺への敬意を表し
またお渡り式に不備がないかをあらためるために行なわれます。

そうこう待つ間にお渡り式の先頭集団がやってきました。








さて、お渡り式参列の全員が南大門跡で交名の儀をするのではなく
名乗りをするのは限られた集団だけでした。
まず最初に「十列児とおつらのちご」4名と「日使ひのつかい」、お供の「陪従べいじゅう」2名が馬上からご挨拶。

続く「神子」達はそのまま前を素通りして進みます。
「細男せいのお」一座は馬上で袖の拝をされました。
「猿楽座」一行も一同揃って一礼。

その後に続く「田楽座」も一礼されます。

「馬長児ばちょうのちご」は山鳥の尾のついたひで笠をかぶり、うしろには五色の短冊をつけた笹竹を持つ従者。

「馬長児ばちょうのちご」は、もとは興福寺学侶が稚児をだしていたことから、「南大門交名の儀」ではお伴の大童子が僧位僧官を名乗ります。

「競馬」もかつては興福寺から出されていたので
「○○法印(又は法眼)御馬候」などと名乗るそうです。
 その後、しばらくは交名の儀をされる集団はなく・・・
「流鏑馬」

「将馬いさせうま
「野太刀」

「大和士やまとざむらい」は御師役が懐中している交名を読み上げます。読み違いや不作法があると、再度引き戻してやり直させるという故実もあるそうです。


「大和士」の衣装、間近に見て素敵でした^^
おん祭には約50頭の馬が奉仕されていて、間近に目の前を通り過ぎる馬たちの意外な大きさにびっくりしたり、行列の最後はお馬さん達の落とし物をお掃除して行かれました。
この後に「大名行列」続くのですが、ちょっと間が空きます。

その間に猿沢池の周りに並ぶ屋台や露店をひやかしにおりました。
余談ですが・・奈良まで車で15分のところの京都府民だった私も、子供の時に何度か「おん祭」に連れてきてもらってました。でも「おん祭」といっても、子供の時はこの露店がお祭りだと思っていましたし、お渡りを見るのはそのついでのような感覚でした。
おん祭の日は、2時間で下校の奈良市内の小学校。
子供達が小学校の時にもよく猿沢池の露店に連れてきたものです。
その時も、お渡りは視界の端っこにちらりと見る程度で
昨年の「松の下式」今年の「南大門交名の儀」と、こんな風に熱心にお渡り式を見学したのは初めてかもしれません。
この後、中々現れない「大名行列」を見ることなく
チェックイン時間までに仕事に戻るべく、三条通りを後にしました。

帰宅途中の興福寺境内で。
「お渡り式」の一行はお旅所に入られたのですね。
各集団の幟を持った人たちが
役目を終えて大宿所の方へ戻って来られるところでした。

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猿沢池の周りの賑わいがおん祭の楽しみであった子供時代でしたが
華やかで風流な「お渡り式」や、神秘的で神々しい神事である「遷幸の儀」など、奈良に住むようになってから、年々少しずつ「おん祭」の奥深さに触れる機会を得て、また来年も再来年も、少しずつ違った場面を拝見してしてみたいと思った次第です。