所用で東京へ出かけた帰りの僅かな時間に、奈良からお出ましの中宮寺の御仏さまにお会いしたいと、東博の「ほほえみの御仏ー二つの半跏思惟像ー」展に寄りました。
韓国の国宝・半跏思惟像と中宮寺の半跏思惟像の二尊像だけの展示空間・・・極端にシンプルで、究極の美を追求すれば、これがベストな展示構成なのかもしれませんが・・・その一室のみの展示空間に、もう少し一工夫があればいいのにと、少々物足りなさを感じてしまいました。
(奈良に帰ってから鑑賞した、奈良博の「和紙」展も一室のみの展示空間でしたが、頭の中枢に、展示されている主品目のことがよく理解できるような濃密な構成になっていて、それと比べても惜しいなぁと思ったのでした。)
とはいえ、二尊像の均整のとれた美しさや優しい微笑みを浮かべるようすを間近に拝見できたこと、大きさもずいぶん違うことや360度、背中まで拝見できたことなど、充分堪能させていただきました。
その後、本館、平成館の常設展を楽しんだのですが……その中で、昨年東博が購入した8点が平成館に展示されていて、若冲、応挙、藤原定信など、錚々たる購入品の中に一点、チョガッポ(ポジャギ)があったのです!かなり驚きました。
左奥より「チョガッポ 石畳文様縫い合わせ(19~20世紀)」「吉野宮蒔絵書棚(18世紀)」「和漢朗詠集巻下断簡ー戊辰切(12世紀)」
円山応挙↑・伊藤若冲↓など眼福です。
余談ですが・・・このチョガッポのご由緒(直接韓国からの購入なのかとか)や購入金額や、今後どういう風な内容で展示されるのだろうとか・・・下世話なことですが、妄想膨らみまくりの東博でのひとときでした。
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「ほほえみの御仏ー二つの半跏思惟像ー」展
会期:7/10まで(会期中無休)
開催時間:9:30~20:00(入館は閉館の30分前まで)
会場:東京国立博物館 本館特別5室