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2014年3月12日水曜日

いっくんの「神さまからの宿題」

昨年12月にご宿泊のお客様のご縁から、筋肉が骨に変わる進行性の難病FOPと闘っている、いっくん(山本育海くん)を応援する絵本『神さまからの宿題』が届きました。

いっくんのこと、難病FOPのことを、一人でも多くの方に知ってもらいたいとこの絵本は生まれました。

いっくんが難病FOPと診断されたのは小学校3年生の夏。
鉄棒から落ちた時に、たくさん新しい骨ができて、この病気であることがわかったのだそうです。FOPは、筋肉に負担がかかると骨化が急激に進み、身体の自由が奪われる、治療法も治療薬もない病気です。
小学校で書いた詩の中で自分の病気のことを「神さまが出してくれた宿題」と表現したいっくん。小学校5年生の時に、お友達が「いっくんお守り隊」を結成し、その活動の一つとして、この絵本を作ったそうです。みんなで ストーリーを考え、絵を描いた、温かい手作り絵本です。
一冊500円、収益金の一部がiPS細胞研究所へ寄付されます。
写真
奈良倶楽部でも募金箱と絵本を置かせていただきます。
どうぞ手に取ってご覧いただきご協力よろしくお願いします!

この新聞記事↓に、皮膚の細胞をiPS細胞研究所に提供して研究に協力してきた、いっくん(山本育海くん)のコメントが!(2013年12月25日)

(記事はクリックで拡大します↑)
一日も早く治療薬の開発ができますように!

いっくんについての詳しい情報は「いっくんのブログ」をご覧下さい。
また、FBのページはこちらです。
ささやかな応援ですが、続けていきたいと思っています。

2014年3月11日火曜日

25周年を迎えて*

昨晩は、私の中で最後のつもり聴き納めの二月堂聴聞でした。
二月堂の中で日付が11日に変わって、25年前の開業した日に思いを馳せ、二月堂のご本尊様にずっと守っていただいていることに感謝の気持ちをお伝えし、そして、3年前の同じ11日に震災で亡くなられた全ての方々のご冥福と残されたご遺族の安寧をお祈り致しました。

一日の行を終えて下堂される練行衆をお見送りして、西の空に煌々と輝く月の光を追いながら二月堂を下りる時、ちょうど「奈良太郎」の午前1時の鐘の音の響きがあたりを包んで、美しい世界の中で夢かうつつかという不思議な気分を味わうことができました。

帰宅してPCを開けたら、開業記念日のお祝いメールやメッセージが。
時間を割いて心を寄せて下さったということが、どれほど励ましになることか。有り難い思いでいっぱいになりながら、今日この日に思うことは、昨年と同じこと。
いただいたさり気ない思いやりや優しさをまた誰かにお返ししていく。そんな厚意の連鎖を紡いでいきたいと、ささやかに願っているのです。

26年めに入る明日から、またどうぞよろしくお願い致します。

2014年3月9日日曜日

二月堂修二会2014*奉納の竹がお松明に

奈良倶楽部開業25周年記念にと、初めてお松明の竹を奉納しました。
その竹が9日の初夜上堂松明として上げていただけることになって
ご近所の童子さんからも連絡があり、朝から二月堂へお詣りに行った友人からも写真が送られてきて、「いよいよ出番!」という緊張感と高揚感でいっぱいに。
お客樣方がお松明見学にお出かけになった後で、急いで二月堂まで。
12日の籠松明も出来上がってました。
18時ちょうど、そこそこ混み合ってる二月堂の下を諦めて
まだそれほど人出のない登廊下で見学することにしました。
思えば、この場所。
昔、まだ子供達が小学生だった頃に何度か見学した場所です。
20年以上前はお松明が始まる19時ちょうどに二月堂に到着しても余裕で見学できましたので、まずここで松明が上がって行くところを見て
それから舞台下に移動して…ということもできたのでした。
うちの子供と同級生だったお子さんも今は練行衆のお一人ですが、その当時、この場所で見学されていたことなど懐かしく思い出されます。
そうこうするうちに加供さんの三度の案内。
チョロ松明を持って二月堂へ、練行衆の上堂を告げる「出仕の案内」から戻って、そのチョロ松明で大松明に火をつけられます。
奉納の竹は、下座から4人目、北衆之二・池田圭誠師の上堂松明として上げていただけるそうで、ドキドキしながら見送りました。


登廊を上がって行かれて、舞台が見えるところへ移動して
お松明の炎と火の粉に、心の中で手を合わせ
最後まで見送ることができました。
お松明はまだ途中でしたが、チェックインがまだのお客様がいらしたので、ここで二月堂を後にしました。
登廊下まで戻ると「北二さんの竹、入ります」(だったような?)という加供さんの声が聞こえて、「あれ?北二(北衆之二)さんて?」と思って間もなく、用を終えたお松明が戻ってきたのでした。
(お松明が上堂する合間に役目を終えたお松明が下りてくるのですね)
担いでいただいた童子さんにちょうどお礼をお伝えできて何よりでした。

<<追記>>
翌朝、4番目のお松明の写真が知人よりメールで届いていました。
お松明の竹を奉納することも、それを上堂松明としてあげて頂くことも
そして写真に撮って下さったことも、勿体なくも有り難い出来事ですが
でも25年のご褒美としてこういうこともあっていいかなと思ったり。
多くの方のご好意に感謝です。ありがとうございました。


2014年3月6日木曜日

二月堂修二会2014*「大導師作法」

弥生六日目のお月さま
仕事を終えて、午後9時前に今晩も二月堂へ向かいます。
2日に聴いた後夜の大導師作法、4日に聴いた初夜の大導師作法。
新大導師さんの伸びやかで艶のある朗々としたお声。丁寧に詠み上げられる祈りの言葉がとても聞き取りやすくて胸に響きます。
その美しい声明、新大導師さんの唱え奉られる祈りの作法を、もう一度(いや、何度でも)拝聴したくて、また二月堂へ。よりはっきりと聴いてみたくて南の局へと参ります。
ほんの2時間前にお松明でごったがえしていたであろうこの場所も
今は人の姿もなく、杉葉の燃えた匂いが辺りを包んでいます。
お水取り後半の忙しい一週間を前に、まだ先が長いのであまり飛ばさないよう、今日は神名帳から大導師作法のみ。
あれほど好きだった「ナムカンナムカン」も聴かず、「走りの行法」も我慢して大導師作法のみの聴聞でしたが
大導師さんの祈りの声に合わせて、自分も一緒に心より祈り捧げる気持ちが持てたことに満ち足りて帰路につきました。

2014年3月4日火曜日

二月堂修二会2014*長い一日のところどころで

お水取り2日目の日曜日。
前日にお泊まりのお客様方が、それぞれ昨晩の様子を話されて
「今年は特にお声明が素晴らしかった!」などとおっしゃるものだから
居ても立ってもいられなくなって(笑)日曜日で混んでいるかなと心配しながらも、お昼の休憩時間に二月堂まで走って行ってしまいました。
ちょうど「生飯さばなげ」に間に合いました。
食作法を終えて食堂じきどうから出てこられた練行衆が
閼伽井屋めがけて鳥獣への施しを投げられます。
ほとんどが閼伽井屋の屋根の上へ。
施しにあぶれた鹿さん達が「では、こっちの施しをいただきましょう」と急ぎ足で向かうは、湯屋の前。
私はまだもう少し時間があるので「日中」の勤行を聴聞することに。
13時過ぎ「日中」の上堂。
参籠宿所から出てこられた練行衆の方々
童子を伴って一団となっての上堂です。

「日中」の勤行が終わって平衆が内陣掃除をされている間、四職は処世界部屋へ。その後、勧進の間で全員が休憩されている様子を西の局から垣間みることができました。(とても和やかな雰囲気で)

まだ2日目ということもあるのでしょうか。
修二会のおよそのタイムスケジュールより大幅に遅れ気味で
「日中」の後の「日没」の勤行は聴聞せずに
仕事の関係上、このあたりで一旦奈良倶楽部に戻りました。
そして、夕方にお松明見学に再度出かけた様子はこちらで。

そしてそして夜の静寂の中、本日三度目の二月堂参りです。
夜10時半ころ「初夜」勤行の途中から西の局にて参観拝聴。
南無観自在南無観自在、ナムカンナムカン…と唱えられる宝号の調べや
「初夜」に続く「半夜」の最後に聴く法華懺法の調べに今年もうっとりしながら、結局、行が終わる最後まで聴聞していました。
(途中で小眠りしたり、ハッと目覚めて背筋を伸ばしたり。そんな中で聴いた「後夜」の大導師作法の過去者のよみあげで、我が家のお隣のK家先々代のお名前が聞こえてびっくりでした。)

日付が変わって深夜の1時半過ぎ。
一日の行を終えて「チョーズチョーズ」のかけ声とともに
登廊を一気に駆けおりて下堂。長い一日が終わりました。
その長い一日の勤行の中、少しずつ飛び飛びにですが
今年もこうして二月堂にお参りできたことにほっとしています。

2014年3月3日月曜日

二月堂修二会2014*やっぱりお松明!


修二会の醍醐味は、お松明だけではないと思ったこともありましたが

でも、やっぱりお松明はすごい!
二月堂舞台から空高く突き上げられ、舞い上がる炎!
飛び散り降りそそぐ火の粉!
見ているだけでわくわくして、なのに心が浄められていくような。

奈良時代から一度も絶えることなく続く「不退の行法」東大寺二月堂修二会。1263回目を数える今年2日目の初夜上堂松明。今年も火の粉を浴びて 一年の無事を喜び、また一年の無事を祈るのでした。

::
自分MEMO
18時15分ほど前に二月堂到着。日曜日にしてはそれほど人出もなく、竹矢来最後列、登廊付近のポジション確保。でも18時過ぎからどんどん人が多くなって、そのうちに竹矢来の中へ入れなくなってました。
この場所は、舞台全面を見渡せて北と南の両方で振り落とされる火の粉を同時に見ることができるのですが、私のカメラで写すにはちょっと離れすぎていました。(画像が粗いですね)
でも、加供奉行が、チョロ松明から松明へ火をつけられる様子を垣間みることができたのでした。

2014年3月2日日曜日

小さな春を見つけて*

裏庭の、一人生えのレンギョウに黄色のかわいい花が咲いていて
足元にはフキノトウがみっつ、よっつ。
先日の大雪の、名残の雪がようやく溶けたと思ったら
いつの間にか春が訪れていたのですね。

2014年3月1日土曜日

「お水取り」期間中の奈良倶楽部は*


毎年ブログで書いているので繰り返しになりますが
二月堂修二会本行(お水取り)期間中の奈良倶楽部について++

奈良倶楽部は、二月堂まで歩いて15分という距離にあるため
練行衆上堂のお松明の見学だけではなく
深夜の行を聴聞されるお客さまも多くお泊まりいただいています。

また、まったく初めての方も多くいらっしゃいますので「お水取り」を堪能していただくためにできるだけのサポートを心がけています。


期間中の奈良倶楽部では**

◇深夜の行にお出かけのお客さまのために門限フリーにしています。
(ただし、23:00までにチェックインをお済ませ下さい。)

◇お部屋に電気ポットやお茶のご用意の他に
この期間だけ、身体がほっと暖まる「生姜湯」をサービス。

◇修二会期間中だけのお楽しみ。だいどころ飛鳥さんの「おにぎり弁当」もご用意しています。詳しい内容はこちらをご参照下さい。ご注文受付にまだ余裕のある日は 3/7 ・3/13 ・3/14 です。(それ以外の配達可能日は予約で一杯になりました)

◇ふだんの朝食の時間は午前8:00頃ですが、
3/12、13、14日にご宿泊の方の朝食は8:00~8:30と
少しごゆっくりめにも対応致します。素泊まりでも承っています。

◇修二会関係の写真集や解説書などたくさん揃えております。
期間中の行法のタイムスケジュール表などもご用意しております。

過去記事ですが奈良倶楽部通信内の修二会についての記事を以下に記します。

修二会の豆知識など(2008,2/18記)
修二会本行について(2008年3/1記)
お松明についてのよくある質問(2008年2/24記)
お松明を作る童子さんの話(2008,2/26記)
籠松明の部品作り(2010年,3/6記)
★3/1お昼の二月堂点描(2013年
★3/1「惣神所そうのじんしょ」(2012年
食堂作法について(2008,3/3記)  2012年
★お昼の二月堂での行法(2010年,3/4記
★舞台の上から見たお松明(2008年2009年2010年
★舞台の上からのお松明見学の注意(2012年
★舞台の真下で見たお松明(2010年 2011年 2013年
★「お声明」を聴く(2008,3/4 2008,3/12
★「お声明・法華懺法 ほっけせんぽう」を聴く(2012年 2013年
★「過去帳」聴聞(2011年3/5
「上七日」と「下七日」(2008,3/8)
「小観音」さんのお松明(2010,3/7)
「小観音後入」(2011年3/7)
「籠松明」と「達陀松明」(2008,3/9)
★3/11深夜の聴聞(2013年
★3/12の籠松明見学(2012年
★「お水取り」(2012年
★「達陀(だったん)」の様子(2008年2009年 の3/14)
「良弁杉伝説と尻焦がし松明」・・3/14のお松明は10本全部舞台の上に揃います。
「尻焦がし松明」を初めて見る(2010年3/15記)
★3/14のお松明と注連縄切り(2012年
「牛玉札(ごおうふだ)」の写真
「達陀帽戴かせ」について(2008,3/15記)
★「深夜の満行下堂」(2013年
★「修二会満行」(2010年)(2012年

最後に・・・
3月といえども完全防寒着でお越し下さい。
お松明見学では戸外でじっと立って待っていなければいけません。
奈良の夕刻は3月といえども大変冷え込みます。
また深夜の行を聴聞するために二月堂内に籠られる方も
堂内でも、じっとしているとかなり冷え込みますので
念には念を入れるくらいの防寒対策をしっかりしてお越し下さい。