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2010年12月14日火曜日

「春日若宮おん祭」の諸神事案内*



古都奈良の一年の最後を締めくくる祭礼「春日若宮おん祭」は
平安時代(1136年)に五穀豊穣、万民安楽を祈願して始められ
以降、一度も途絶えることなく今年で875回を迎えます。

冬の一日、若宮の神さまを旅の仮のお宿にお遷しして
神さまに喜んでいただくよう各種芸能が奉納される「お旅所祭」は
これこそがおん祭のクライマックス。神さまの御前、芝居の語源と
いわれる芝舞台の上で古典芸能の数々が、絶え間なく奉納されます。
神さまと人が一日遊ぶ、神遊び・・・。

また、芸能者や祭礼の参加者が神さまの元へ社参する行列「お渡り式」は、平安時代以来時々の風俗・流行を取り入れて、おん祭りの大きな魅力のひとつとなっています。

神事・芸能のタイムカプセルともいえるおん祭の祭礼行事。
でも、この祭礼の神髄は何といっても、夜中に神さまをお旅所にお遷しする「遷幸の儀」そしておもどりになる「還幸の儀」の神秘的な厳かさにあるのではないでしょうか。

他にも、おん祭では15日から18日にかけて数々の神事が行われます。

ルートマップとタイムスケジュールと過去記事を簡単に記しましたので
「おん祭」見学の参考にしていただければと思います。


(地図はクリックで大きくなります。)

<<諸神事のタイムスケジュール印が過去記事です)>>

◇12/15(餅飯殿センター街 大宿所)
13:00  大宿所詣
14:30    御湯立 
16:30  〃
18:00  〃
17:00  大宿所祭
 
◇12/16(春日大社)
14:00頃 大和士宵宮詣
15:00頃 田楽座宵宮詣
16:00  宵宮祭

◇12/17(お旅所・参道)
0:00  遷幸の儀
1:00  暁祭(お旅所)
9:00  本殿祭(春日大社)
10:00  田楽奉納(初宮神社)
12:00  お渡り式出発 
12:50~13:50 南大門交名の儀
13:00~14:30 松の下式
14:00~ 競馬
14:30~ 稚児流鏑馬
14:30~ お旅所祭
15:30~22:30 神楽・東遊・田楽・細男・猿楽・舞楽・和舞など神遊
23:00  還幸の儀 

◇12/18
13:00 奉納相撲(お旅所前)
14:00 後宴能(お旅所)

春日大社のおん祭のサイトはこちらです。
トップの画像は若宮社

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近頃、私もいよいよ地元民になってきたなぁと思うことがあります。
二月堂のお水取りの時もそうなのですが、おん祭も近づいてくると
何故かそわそわ浮き浮きとした気持ちになるのです。
今はまだ仕事もあって、全ての神事を見ることもできませんが
いつかリタイアした時には修二会三昧、おん祭三昧をしたいという
夢を持っています。

そして毎年のことですが、17日の本番当日は仕事で時間を取れないので、時間の余裕のある今日、春日大社参道や若宮社、お旅所、大宿所などをぶらっと廻ってきました。
また奈良国立博物館で開催中の「おん祭と春日信仰の美術」展にも。

博物館では鳥肌が立つほどに圧倒された子嶋寺の両界曼荼羅や
特集展示「国宝を味わう」で名品中の名品に酔いしれた至福の時間。
素晴らしい展示の奈良国立博物館鑑賞記はあらためて書いてみたいと思ってます。
おん祭のお旅所は博物館のすぐそばにありますので
おん祭見学がてら、博物館にも是非足を運んでみて下さいね!

春日大社で購入したものは・・・


「おん祭の御幣」についての先日の催しに参加できなかったので
御幣についてまとめられたこの小冊子を購入。
御幣に注目しながらおん祭を楽しむのも一興です。
冊子の中には東大寺僧侶橋村師の二月堂お水取りの御幣についての
記述もあり興味深く一読いたしました。