東大寺大湯屋に淡雪のような白い綿毛がふわりふわり。
季節外れの雪かと見間違うこれは、立楊タチヤナギの種子を包んだ白い綿毛で、「柳絮りゅうじょ」と言うのだそう。
大湯屋の南側にある池の畔に立つ2本のタチヤナギの大木から
たえまなく降りしきる綿毛で池の水面も白く覆われています。
ここにタチヤナギの大木があって、ちょうど今の季節には「池が綿毛で真っ白に覆われるよ」と教えて下さったのは、ご近所のNさん。
大湯屋辺りはよく通るところだけれど、東大寺境内の豊かな自然の奥深さをまだまだ知らないなぁとあらためて思った次第です。
「柳絮りゅうじょ」については、青木玉さんの随筆「こぼれ種」にも出てきます。旅先のヘルシンキの公園で白い綿毛に出会って以来、東京では都立水元公園、そして奈良の法輪寺のタチヤナギも出てくるのです。(この本のこともNさんに教えていただいたのですが)
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大湯屋の手前。
雨に濡れた青楓に紅色の羽根がアクセントになって、とても綺麗!
そういえば、竹とんぼのような赤い羽根をつけているのも種ですよね。
楓の種がふわーっと舞うところも一度見てみたいですね。
二月堂裏参道のヤマボウシも満開でした。
別の日に撮った写真ですが
二月堂の黒板の絵も五月バージョンになっていました。
花の季節が終わって、次の世代へとその種が風に舞って飛んでいく。
新緑から若葉青葉の5月は生命の輝きに満ちた美しい季節なんだと、天を舞う迦陵頻迦も祝福しているような気がしました。