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2015年8月29日土曜日

フランス旅のアルバム〜その⑤美しい村と先史時代の洞窟

 「フランス観光」といえば、美術館巡りだったり、ワインやグルメ、カフェ、ファッションなど華やかイメージを思い浮かべますが、今回の旅では、小さな村の何気ない景色が忘れられない思い出になっています。
フランスには、昔ながらの田舎の景観を保護することを目的に設立された「フランスで最も美しい村協会」なるものがあって、人口2000人未満であること・村の美化に努めていること等、さまざまな条件を満たしている村だけが「美しい村」を名乗ることができ、現在157の村が登録されているのだそうです。
ブルゴーニュ地方の小さな村ヴェズレィも「美しい村」の一つ。
中世ロマネスク様式のサント・マドレーヌ・バジリカ聖堂には
マグダラのマリアの遺骨が祀られているという(本物の遺骨は南仏にあるという説が有力だそう)
かつて、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラに通じる巡礼の道の出発点だったヴェズレィ。
巡礼路の道筋を示すのはホタテ貝のマーク。
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「美しい村」に登録はされていませんが、N氏がお住まいのサン・ファルジョーも、落ち着いた美しい景観を持った街でした。
この街も、中世の歴史遺産がいたるところに残っています。
サン・ファルジョー城では毎年夏の週末にフェスティバルが開催され、その時は街も大変賑わうそうです。街の紹介やお城の歴史の詳細はN氏がかつて営んでいらしたB&BのHPにやブログに残っていますので興味のある方はどうぞ。
週末ではなかったので、朝や夕方の散歩では、あまり人と出会わず。
こちらの街にも木骨組の家がありましたよ。
かつての洗濯場も残っています。
観光的には特に何があるという訳でもないのですが、歩いているだけで、静かな街の佇まいに心癒されるような気分です。
その後、日本に帰ってから気がついたのですが・・・。
電柱の乱立・空を覆う電線の多さや、街に溢れる看板の統一感のない配色や、自動販売機やコンビニ、ファーストフード店の多さなど・・・日本で当たり前になってしまっている景観が、フランスには一つもないのだということに気がつきました。
上の写真は、ある一軒の家の外壁、窓、扉などの配色がとても気に入って記念撮影したもの。(偶然にも同じ配色のものを着ていましたが)
こんな風に、色彩ひとつ取っても街の景観についての心遣いが感じられ、それが旅のものにもやすらぎを与えてくれているのではと思うのでした。
フランス滞在中(大都市ボルドーでも)一軒のコンビニも見なかったのですが、街の人が毎朝買いにくるパン屋さんはよく見かけました。
朝7時頃、朝食用のバケットを買いにくるのは男性たちでした。

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余談ですが、サン・ファルジョーからヴェズレィ村への途中の(いや、ひょっとしたら大回りしてもらったのかもしれませんが)近隣に、「Grotte d’Arcy sur Cureアルシー・シュル・キュール」という洞窟があり、3万年前の壁画が残っているというので、見学しました。

洞窟の中は撮影禁止でしたので、パンフの写真を載せておきます。
ガイドツアーに参加して洞窟の奥深くまで入っていきました。
ガイドさんの説明を訳してもらうと・・・ この洞窟には20万年前頃から原始人達が住んでいたようで、ネアンデルタール人の化石や骨細工も見つかっている。洞窟が発見されてから数十年後に洞窟の壁を洗浄したところ、石灰質の壁の後ろから赤いものが見え、調べてみるとマンモスの絵が出てきたということらしいです。
びっくりしたのは、日本でも有名な「ラスコーの洞窟画」よりも古い時代のもので(発見された壁画の中では世界で二番目に古いそうです)、レプリカではなく本物を見ることができるということ。
ブルゴーニュ地方の美しい村々を訪ねている途中に、中世の面影が色濃く残る街から先史時代の遺跡へとタイムスリップして、フランスの歴史の圧倒的な長さ深さを知るという貴重な体験をすることができました。
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「フランス旅のアルバム」も次回がいよいよ最終話になります。
更新はまだ未定ですが、気長にお付き合いいただければ嬉しいです。