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2013年12月22日日曜日

おん祭の舞台*お旅所御假殿初公開

春日大社の講座「若宮御假殿初公開」に参加しました。
春日若宮おん祭では、舞台となるお旅所に神様をお迎えする仮の本殿が建設されます。神様の旅の宿「御假殿」について、その歴史と造営の様子や建築様式などの講義と、解体前の「御假殿」の直近での見学が行なわれました。
「御假殿」見学では、一般の人が立ち入れない芝舞台にまで上れ(菰の上には入れませんが)、写真撮影もOKでしたので、講義の内容をメモがてらブログで紹介したいと思います。
 「御假殿」は毎年10/1の縄棟祭から12/16の清祓式まで長い時間をかけて造営されます。
「御假殿」の特徴として、全てに皮付きの赤松の丸太を使用していること。(現在では、丸太を毎年繰り返し使用しているので、皮が剥がれている部分も有り↑)
高級木材ではない赤松を使用しているのは何故か?
松は「おめでたい」象徴で、どこにでもあり入荷しやすかったから。
屋根も松葉で葺かれていますが 、建物の周りの玉垣は
春日大社の神木ナギの木で覆われています↓。
仮の御殿であっても板壁ではなく土壁で作られているのも特徴です。
そして、壁に漆喰で三角模様を作って飾ります。
漆喰の三角、微妙にバランスを崩した描き方が可愛いですね。
明治以前は、毎年その都度、建替えられていた「御假殿」ですが
現在は解体組み立てが簡単であるので、毎年同じ木を使って造営されています。よく見ると柱に「東側 北ヨリ6」と書いてありますよ。

赤松の丸太柱は直径40cm、長さ4〜5mと巨大です。
菰の下に敷き詰められた板は蒲鉾状に細工されています↑
神様に芸能を楽しんでもらう建物なので、正面には扉がなく、おん祭当日は正面に御簾が掛けられ、上部に鏡が三つ取り付けられています。
そして真ん中には樅の木が飾られています↑。今まで全て松で作られていて、最後に樅の木が出てくるのは何故か?一説には春日山には樅の木が非常に多いから・・・かもしれないということでした。
全て丸太で造られていますが「御假殿」は、若宮神社本殿に似せて造られた春日造りの建物。仮の宿でありながら、若宮さまに楽しんでもらいたいという工夫がいっぱいの建物でした。