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2012年12月16日日曜日

穏やかな冬の午後に*「開山忌」と「宵宮詣」

今日16日は東大寺初代別当、良弁僧正の開山忌です。

やわらかな陽射しが降りそそぐ大仏殿裏を通って
 一年に一度、この日に開扉される開山堂にお詣りに行きます。
少し時間が遅かったのですが、今日はもう一つ寄ってみたいところが。
開山堂向かいの法華堂の少し南側にある手向山八幡宮。
こちらは東大寺鎮守なのですが・・・
今日は本殿前に塩漬け鮭が吊るされています。
午後3時まで空海寺での講座に参加していたため拝見できなかったのですが、実は「春日若宮おん祭」の大和士宵宮詣やまとざむらいよいみやもうでは、手向山八幡宮にまで詣でられるのだそうです。このことを、おん祭に詳しいお客様に教えていただきました。
懸鳥も少しですが吊るされていて「おん祭」らしい雰囲気。

春日若宮に奉仕される大和士が、東大寺鎮守の手向山八幡宮にお詣りされる由縁が気になるのですが、宮司さんにお尋ねすると・・・。
春日大社の神領だった柳生から、お供えを持っておん祭に来られる時に
道中こちらの手向山さんへもお供えを置いて、祭礼の無事執行を祈願されたことに起源を持つそうで、かなり古くから手向山八幡宮への宵宮詣は行なわれていたそうです。(表立っては知られていないことですが)
 
それにしても、開山堂と手向山八幡宮というとても近いエリアで
同じ日に「開山忌」と「おん祭」が執り行われている不思議。
こういうことも奈良の奥深さなのかもしれませんね。
帰りは二月堂にもお参りして・・・。
冬の陽射しがここにも降り注いでいました。

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時間が戻りますが、開山堂へお詣りに行く前に
近くの空海寺でこちらの講座を拝聴しておりました。
明治時代から大正時代にかけて、平城宮跡を顕彰しようと立ち上がり奔走した棚田嘉十郎と溝辺文四郎の熱き思いを、文四郎の曾孫である溝辺文昭さんよりお話を伺いました。
空海寺門前に建つ棚田嘉十郎翁のお墓で回向されるご住職。
今年は亡くなられて91年だそうで、嘉十郎さんの戒名を新しく書いた塔婆もご用意して下さって、講座の最後に参加者皆でお参り致しました。

今日は、ぽかぽかと暖かな午後でしたが
今晩深夜の「遷幸の儀」に参列される皆様は 油断大敵、念には念を入れ、しっかり防寒してお臨み下さい。