春日大社で、約800年もの間、国宝御本殿の神前を鎮護していた獅子・狛犬が初の特別公開中ということで早速行ってまいりました。
この度の式年造替で、御本殿四棟をそれぞれ鎮護してきた四対の獅子・狛犬が新調されることになり(今までのご造替では、基本的に新調されることはなかったそうです)、撤下された獅子・狛犬を初めて調査した結果、8体のうち6体は、約800年前の鎌倉時代に製作されたことが判明したのです。
『御出現!春日大社の神獣~800年を経て御本殿獅子・狛犬初公開~』として、御本殿西の回廊の西側「景雲殿」にて、6/30までの期間限定で一般公開されています。
景雲殿のそばでは、母子鹿が仲良くお食事中。
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その「獅子・狛犬」とは、神様を守るために神前に置かれた霊獣のことで、角がなく口を開けた「阿形の獅子」と、角がある「吽形の狛犬」で一対となります。(後に、広い意味で一対をあわせて「狛犬」と呼ぶようになったようです。)
このパンフレットは昨年の 「春日大社 第六十次式年造替」特別企画でいただいたもの。「春日権現験記一巻」に描かれた御本殿が表紙を飾っています。
(パンフレットの絵はこちらで大きく見ることができます。)
景雲殿の会場にも、御本殿御扉前に安置されている獅子・狛犬が描かれた「春日本・春日権現験記」(江戸期)が展示されていましたが、パンフレットでもよく見ると、鎮護する金色の獅子・狛犬を見つけることができました。
昨年3月に仮御殿に遷座され、神様のいらっしゃらなくなった御本殿を間近に拝見させていただいた時には、もうすでに獅子・狛犬さんたちの姿もなかったので、御扉前に鎮座する姿は想像するばかりですが・・・・実際に会場では、かなりの至近距離で獅子・狛犬を拝見することができ、金箔や彩色がわずかに残る様子や愛嬌ある顔など、それぞれに違う表情に見入っていました。
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会場でいただいたパンフレットより
第一殿の獅子・狛犬(鎌倉時代初期)
第二殿の獅子・狛犬(鎌倉時代)
州浜と岩座を組み合わせた台座が平安時代の古い様式を伝えるものだそうです。
第三殿の獅子(鎌倉時代)・狛犬(室町時代)
狛犬ののっぺりした表情が何とも癒し系に感じられます。
第四殿の獅子(室町時代)・狛犬(鎌倉時代)
写真でもわかりますが、ちょっと腰を浮かした姿勢もあり、前脚をぴんと伸ばして踏ん張ったというような形式化した姿とは違って面白いですね。
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『御出現!春日大社の神獣』というタイトルにもありますが、今回の展示では「獅子・狛犬」の他に、春日の神様がお乗りになる「神鹿」や「神馬」などの神獣にまつわる展示もされています。
その他に、興味深く思ったのが「獅子牡丹図」のこと。
御本殿の第二殿と第三殿の間に描かれている「獅子牡丹図」。
この「獅子牡丹図」が、榎本神社↑や水谷神社にもあって、これに関連した水谷神社の「牛頭天王曼荼羅衝立ごずてんのうまんだらついたて」の獅子牡丹図や、榎本神社の「獅子牡丹図」など、興味深く拝見しました。
帰りに、榎本神社にお参りして「獅子牡丹図」を確認してしまいました。
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祓戸神社のそばに、以前テレビで取り上げられていた石灯篭があります。
雄鹿雌鹿がお互いに抱き合うように彫られているようで、この石灯篭を見つけると恋愛運が高まるとか・・・そのように紹介されていました。
神社にパワースポット云々はあまり好きな風潮ではありませんが、せっかくなので記念撮影^^
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『御出現!春日大社の神獣~800年を経て御本殿獅子・狛犬初公開~』
会場:春日大社「景雲殿」
期間:6/30まで(期間中無休)
拝観時間:9:30~16:30(入場は16:00まで)
拝観料:300円
春日大社サイトより獅子・狛犬の動画が配信されています→★