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2016年6月26日日曜日

奈良県美「藤城清治 光のメルヘン展」

展覧会鑑賞記が続きますが・・・奈良県立美術館で開催中の「藤城清治 光のメルヘン展」へ行ってきました。
約3ヶ月に渡っての長期開催、まだまだあると思っていたら、会期終了まであと一週間!大慌てで見に行ったのでした。
というのも、藤城清治さんの作品展は、作品数の多さもさることながら、作品に添えられたキャプションを一つずつ読むことも、ご本人からのメッセージを理解する大切な要素のように思うから、時間の余裕のある時に伺いたいと、中々出かけられずにいたのでした。
実はあまりメルヘンチックな作品が好きという訳ではないのですが、4年前の奈良での展覧会では3度も足を運んでいるし、サイン会にも出かけていて(ブログ内記事→)、藤城作品を目の前にするとかなり感動するのです。
それは今回も同じでした。やっぱり行ってよかった!

どうしてこんなに感動するのだろう?
それは作者の熱い想いが作品に込められているからかな・・・メッセージを感じるのと、大変な作業工程で作品が生まれていることへの尊敬の気持ちだったり。
4年前の奈良での展覧会で奈良の風景をデッサンされてらっしゃいましたが、今回はそのデッサンを元に新たに制作された影絵7点が出展されています。
「東大寺 二月堂」(このデッサンは過去記事に写真あり)
「法隆寺金堂 釈迦三尊像」絵葉書の写真では伝わりにくいですが、実際の作品はとても素晴らしくて感動しました。
この作品で初めて仏像を描かれたのだそうですが、この2年ほど手術を繰り返し、病気や痛みと闘いながら奈良のお寺を描いているうちに「どうしても仏像を光と影で描いてみたいという気持ちが強くこみあげてきた。病気と仏像に挑戦してゆくことが、命がけで病気と闘い、影絵と闘っているように、どこか通じると思えた」(キャプションより)そうです。

「法隆寺金堂 琵琶をひく天人」と「雪の室生寺」
(作品の写真は絵葉書より)
奈良の風景では「大神神社」も素晴らしかったです。
最新作の奈良をモチーフの作品は、メルヘンやファンタジーとは違った、命を削り魂を込めて描いた祈りの作品ではないかと思います。
また、大阪の街を描いた超大作や、東日本大震災の被災地を実際に訪れて描かれた作品の数々、特に「南三陸町防災対策庁舎」には胸を打つものがありました。
御年92歳を迎えて、なお精力的に創作活動を続けていらっしゃる藤城清治さん。会期があと一週間となりましたが、まだご覧になってらっしゃらないようでしたら、是非!生きる喜びにあふれた作品をご覧に足をお運びくださいませ。
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こちらのサイトで展覧会の様子がよくわかります。
また、7/2(土)13:30よりサイン会が行われます。詳細はこちら
「藤城清治 光のメルヘン展」公式HPはこちら
会期:7/3(日)まで
休館日:6/27(月)
開館時間:9:00~17:00(金土は19:00まで/入館は閉館の30分前まで