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2016年6月25日土曜日

奈良博「和紙」展と「珠玉の仏教美術」展

奈良博の特別陳列「和紙ー近代和紙の誕生ー」展へ行ってきました。
昨年に開催された「和紙-文化財を支える日本の紙」展に次ぐ第2弾。
今回は、江戸時代までの日本の紙が明治時代に、高知県出身の吉井源太の手で技術改良され「近代和紙」に生まれ変わったその道のりを、江戸時代以前の品や関連資料とともに紹介されています。
豊臣秀吉朱印状(談山神社)~奈良博サイトより

最初に、江戸時代以前の手漉き紙に書かれた書状で、原料の種類によって紙質の違いなどが紹介されています。この中には秀吉の書状も。
次に、吉井源太の仕事を中心に近代和紙の誕生について紹介されていました。吉井は道具の開発を通じて、紙の生産量を一挙に数倍に上げることに成功します。彼が開発した非常に薄く破れにくい和紙は、1900年のパリ万博で賞を得るとともにタイプライター用原紙などとして、昭和40年代まで大量に海外に輸出されていたそうです。
そして、最後に文化財の修理・修復作業の様子が紹介されていました。
まず修復する文化財の紙質調査を行い、その成分と全く同じ原料で漉いた紙で修理をするという手順などが、実際に修理された文化財と共に展示されています。

地味ながらも、わかりやすい展示構成で、今回も楽しく和紙のことを知ることができました。また、地下のミュージアムショップでは和紙展関連グッズも充実しています。

そして、西新館をそのまま進んで「珠玉の仏教美術」展へ。
その中で、国宝の書跡2点~福島県・龍興寺の「一字蓮台法華経 巻第三」(平安時代)と長谷寺の「法華経一品経 神力品第二十一」(鎌倉時代)~が、大変素晴らしく美しくてうっとりと鑑賞してしまいました。
また「刺繡阿弥陀三尊来迎図」や「刺繡種子阿弥陀三尊像」「刺繡法然上人絵伝」など刺繍好きにはたまらない名品もたくさん出陳されていて、眼福なことでした。
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特別陳列「和紙ー近代和紙の誕生ー」展
会期:7/3(日)まで
会場:奈良国立博物館 西新館
休館日:毎週月曜日
開館時間:9:30~17:00 金曜日は19:00まで(入館は閉館の30分前まで)