茶農家の手弁当「ほがしわ弁当」を作るワークショップに参加しました。
会場は、奈良市東部の田原地区にあるインド家庭料理のお店「vanam」さん。店主のacoさんは奈良倶楽部で開催したイベントにもお越しいただいたことがあり、お店に伺うのも楽しみに参加したのでした。
WS前にお店に着いて「本日のターリープレートランチ」をいただきました。
野菜たっぷり!素材の旨味がスパイスでより深くなって、何とも虜になる美味しさでした。
さて、ワークショップが始まりました。
馴染みのない名前の「ほがしわ弁当」とは・・・・?
昔、茶農家の畑仕事に欠かせなかったものが「けんずい」と呼ばれる軽食で、朴葉に炊きたてのごはんと具を包み込んだ「ほがしわ弁当」もそのひとつ。顔よりも大きな朴葉を使って藁で結んだ可愛らしいお弁当は、朴葉の清々しい香りがなんとも言えない初夏限定の里山のメニューです。
食べたことがないものは作れないでしょう・・・ということで、まずは講師の瀬戸山さんが作っておいてくださった「ほがしわ弁当」を一ついただきます。
朴葉の包みを開けると・・・蕗の佃煮、おじゃこ、梅干しがトッピングされたご飯が若葉にぎゅっと包み込まれて、これは美味しい!具はお好みで何でもいいそうで、きな粉(お砂糖入りの!)を入れる地域もあるのだそう。
いただいた「ほがしわ弁当」にもご飯の下にきな粉がたっぷりでびっくり。
朴葉を持つ講師の瀬戸山さんは「東部地域おこし協力隊」のメンバーで、奈良市東部の里山の暮らしを紹介するフリーペーパー「su-toubuす・とうぶ」2号で「ほがしわ弁当」の特集記事を書かれています。
ワークショップでは、農家の方に取材された時の興味深い話などもお聞きしながら、では作ってみましょう!
朴葉と具と炊き立てのご飯を用意します。
朴葉2枚を十字に並べ、必ずアツアツのご飯を載せます。
この時期の若葉は香りが強く、炊き立てのご飯で葉が蒸されて、ご飯にも良い香りが移るのです。
好きな具をトッピング。ご飯に甘いきな粉の取り合わせが微妙ながらも、のっけてみました。(ちなみに、後ほど、きな粉のある方、ない方の食べ比べをしてみると、きな粉ありの方が味にバリエーションができて美味しかったです。)
福井県や富山県では、きな粉とご飯のみの 朴葉弁当があるらしく、きな粉の黄色が黄金色の稲穂と重なって、豊作を意味するのだそうです。
田原地区では「ほがしわ弁当」と言われていますが、「柏弁当」「朴葉弁当」などと言われる地域も。
ぎゅっとしっかり包んで、藁で結びます。
近頃では、結べるくらいの長さの藁の調達もむつかしいそうです。
作ってから2時間後くらい、朴葉が蒸れた頃が食べごろとなります。
農繁期に、休憩時間に木の陰にみんなで座っておしゃべりをしながら、それぞれの「けんずい」を食べるのが何よりの楽しみだった里山の昔。
素朴で、どこか懐かしい里山の味「ほがしわ弁当」、朴葉が調達できれば、また作ってみたいです。
「インド家庭料理 vanam」
住所:奈良市矢田原町743
Tel:0742-81-0350
定休日/毎週月・水曜日
営業時間/11:00〜日没まで
※ディナーはご予約で承ります。
冬季土日祝営業
駐車7台分可能