奈良博「糸のみほとけ」展の担当者さんがツイッターでRTしている、行ってきた人たちの感想を読んでいると、またまた居ても立っても居られなくなって、今日はちょっと涼しいから「糸のみほとけ」後期展示を観に行ってきました。
出陳品一覧表の後期展示品を見落とさないよう重点的に。
そして前期展示鑑賞の時に借りそびれた音声ガイドを借りて、じっくり鑑賞。音声ガイドの解説件数25件は、出陳数に比べるとすごく少ないのですが、解説内容が非常に良くて、聞かないとわからなかったこともあり自分の中で新たな発見がありました。
「天寿国繍帳残欠」は、前期展示でもうっとりと眺めていたのですが、その中でも、縁の部分の残欠で、出展番号⑤が飛鳥時代・原本の一部、⑥が鎌倉時代の模本の一部。
そして何と、繍帳本体が刺繍なのに、原本の縁は綴織りでつくられているのです。でも鎌倉時代の模本の縁は刺繍でつくられていて、その違いを、小さな残欠から一生懸命見ることができました。(こういうことが実際に目に触れて知ることができ、とっても幸せなのでした。)
刺繍の残欠や古裂帖とか、いつまで見てても見飽きないというか・・・そうそう前期展示鑑賞で、ここで時間を取り過ぎていたんだと、今回は後半の展示室に時間配分しなきゃと先を急ぐのですが、やっぱり「天寿国繡帳」「綴織當麻曼荼羅」「刺繡釈迦如来説法図」の国宝3点の素晴らしさは、観るものをそこに長く引き留めてしまう引力を持っていますね。
今回はその後の第2室、第3室をゆっくり鑑賞したので、第1室の国宝3点以外にも、それに勝るとも劣らない素晴らしい繍仏に触れることができました。
出展番号㊷刺繍阿弥陀仏三尊図(西念寺)、㊺刺繍不動明王二童子像(輪王寺)、㊼刺繍文殊菩薩騎獅像(大和文華館)、㊽刺繍大日如来像(細見美術館)などは、音声ガイドの解説で、刺繍技法や糸の光沢など、より深く観ることができました。
第3室に入る前に、真正極楽寺の「刺繍當麻曼荼羅」を映像で解説するコーナーがあり、今回はこちらでゆっくり予習できたので、実物を拝見するのによりよく観ることができました。
髪繍の中には茶髪の人もいたんですね。今回は髪繍も目を背けずに観ましたよ。徳川美術館所蔵の刺繍阿弥陀三尊来迎図もよかったです。(下の軸の端には僧侶の絵も描かれていて)
そして最後は江戸時代、近世の繍仏の刺繍技術の到達点について、音声ガイドを聞きながら、楽しく鑑賞いたしました。
前期展示の鑑賞記はこちら★
「糸のみほとけ―国宝 綴織當麻曼荼羅と繡仏―」
会期:7月14日(土)~8月26日(日)
会場:奈良国立博物館 東新館・西新館
休館日:毎週月曜日(ただし8/13は開館)
開館時間:9時30分~18時
※毎週金・土曜日と8/5~8/15は19時まで
※入館は閉館の30分前まで
燈花会期間中と8/15は19時まで開館していますので、燈花会見学前に是非お出かけください!