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2013年9月20日金曜日

第4回ティータイム茶論「美しい葛を知る〜中井春風堂さんに教わる葛の魅力〜」

9/16は奈良倶楽部25年記念イベントのティータイム茶論の日でした。
お申し込みの皆さんがとても楽しみにして下さっていた
「美しい葛を知る〜中井春風堂さんに教わる葛の魅力〜」
台風の影響で参加できなかった方もいらっしゃって、そして中井さんも吉野からの道中、通行止めの道を迂回をしてようやく辿り着いて下さったりと、少々気を揉みながらのスタートでしたが、無事開催することができて、何よりでした。ありがとうございました。

では当日の様子を写真を交えながら少し紹介してまいりましょう。
今までのティータイム茶論は”お話会”という雰囲気でしたが
今回は、がらっと趣が変わって、こんな感じでした。
1回、4~5名限定という少人数で対面のパフォーマンス。
目の前で葛きりや葛餅を作っていただき、出来立てを食べながら
葛についてのお話をうかがいます。
まずは、葛ってどんな植物なのかな?実物はこちら↑
「吉野本葛」とは、葛の根から取り出した良質な澱粉のこと。
澱粉の粒子が非常に細かく、消化吸収に優れているのが特徴です。

葛という植物は根も葉も花も食べられるのですが、唯一 蔓だけは食べることができないらしいです。そのかわり、葛の蔓からは繊維をつくることができ、上の写真のコースターはその葛布で作ったものです。

さて、まずは葛餅を作って下さいます。
ここで「吉野本葛」と「吉野葛」の違いを説明して下さって
両方の葛餅を食べ比べてみます。
ちなみに「吉野本葛」とは葛根澱粉100%のもの、「吉野葛」とは葛根澱粉が51%以上・残りはさつま芋の澱粉でできたものです。
水が美味しい吉野の湧き水を使用してですが、天然水には味があるので、強い浄水器を通して水の味を取って、葛の風味を損なわないようにしているということでした。
葛が、鍋の中で固まってきて透き通ったら出来上がり。
成功のポイントはゆっくり焦らないということだけだそうです。

「吉野本葛」「吉野葛」で作った葛餅を食べ比べて、その違いを舌で味わいます。(滑らかさや粘りの強さなども)
そして最後に「一番美味しい」葛餅を作って下さいました。
そのレシピは・・・とても簡単!ちょっとした ひと手間ですが、前の晩から水に漬けておいた吉野本葛を使うということです。何故そうすることでより美味しくなるのかという、葛の特性についての講義も目から鱗で興味深かったです。
3種類の葛餅の食べ比べ、皆さん、やっぱり最後に作ってもらった葛餅が段違いに美味しいとおっしゃってました。

葛についてのお話を色々うかがって、いよいよ次は葛きりの実演です。
葛きりの材料は葛餅と同じ、吉野本葛と水のみ。
吉野本葛を水で溶き、湯煎して固めた後、お湯に沈めて加熱します。
熱が加わって、みるみるうちに透明になっていきます。


出来立ての、この透明さ!
葛きりとは、その名の通り、葛を切っていただくもの。
中井さんがこだわる本葛餅や本葛きりの美味しさの賞味期限は10分!
作りたての最高の味わいを堪能してもらえるようにと、今回の
ワークショップでは少人数の開催となったのでした。
ワークショップが終わって、最後に私も出来立ての本葛きりをいただきました。つるりとなめらかな口あたりとのどごし。
最高に美味しい葛きりをいただいたのでした。

吉野本葛と向き合ううちに、葛の魅力に取り憑かれ
葛の究極の美味しさを引き出すことにこだわってこられた中井さん。
ワークショップで中井さんのお話を伺って
本当に葛が大好きなんだなぁと伝わってくるものがありました。
葛に向き合う真摯な態度と葛を愛おしむ優しい心。
今度は吉野で中井さんの葛きりをいただきたいです。

中井春風堂さんの葛菓子店舗は、只今 改修工事中のため休館中。
2013年11月頃にリニューアルオープン予定ですが、店舗の中に
今回のような、葛餅の食べ比べや、葛についてのお話が聞ける
ワークショップができるスペースも作られるとか!
リニューアルオープンしましたら是非訪ねてみようと思っています。

「中井春風堂」

住所:奈良県吉野郡吉野町吉野山545(吉野金峯山寺門前)
TEL:0746-32-3043
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