<<下段に追記有り>>
奈良県立美術館で開催中の「大古事記展」
会期前日の開会式典と内覧会に参加させていただきました。
「語り継ぐココロとコトバ 大古事記展-五感で味わう、愛と創造の物語-」
現存する日本最古の書物『古事記』は今から約1300年前にこの奈良の地でまとめられました。
展覧会では、『古事記』をテーマにした絵画や、古社に伝わる宝物、遺跡の出土品、現代アートの新作など、国宝2点、重文14点を含む122点の多種多様な展示物が出陳され、『古事記』の豊かな世界観に触れることができます。
内覧会で駆け足で鑑賞した展示を思い出しながら、私が印象に残った場面などを図録の写真とともに紹介します。
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入口では「序章」として
古事記の文章をCG化した映像(これがかっこよかった!)をバックに、編纂者の太安万侶像が出迎えます。
「太安萬侶神坐像」左手で立てた笏の先に右手を被せる構えが珍しい。
丹生川上神社からは「伝伊耶那美命坐像」と「伝伊耶那岐命坐像」↑
小槻大社からは「伝大己貴命坐像」「伝落別命坐像」↓など
古事記に登場する神々がお出迎えされ、気分は一気に古事記モードへ。
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展覧会を通して印象に残っているのは、絵画作品の充実度、素晴らしさです。これはやはり美術館ならではの力ですね。
堂本印象「木華開耶媛」は、とても美しい作品でした。
こちらは前期展示(11/16まで)のみで、後期(11/18〜)には青木繁「黄泉比良坂」が展示されます。
「天の岩戸」をテーマにした絵画も多く、富岡鉄斎↑、歌川豊国↓
安田靫彦↑や河鍋暁斎↓が描いた天孫降臨の場面。
前田青邨の絵画の中には縄文土器や弥生土器が描かれていて↓
実際の出土品が絵の横に展示されていたり。
こちらは歌川豊久作の「組上絵 八岐大蛇退治」↑
これは江戸時代から明治にかけて流行した、浮世絵版画を切り抜いて立体的に組み立てたもの(前期は模作、後期は本物)で、古事記を題材にした遊びが割と一般的だったのですね。
鈴木松年「八岐大蛇退治図」↑
松年は女流画家上村松園の師だったそうですが、画風があまりに違うのでびっくりしました。
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「太安萬侶墓誌」↑
1979年に古事記を編纂した太安万侶の墓が発見され、墓誌に刻まれた名前から、太安万侶が実在の人物と明かされました。
その他に、本居宣長の古事記など、以前に奈良博の「古事記の歩んできた道」で拝見したものも何点かあって、博物館とはまた違った切り口で古事記を紹介されている今回の展覧会の特徴が面白いと思いました。(少々イベント的でテーマがバラエティに富みすぎているようにも感じましたが)
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古社に伝わる宝物として大神神社、石上神宮や春日大社より重文や国宝の出陳物もあります。
大神神社に古くからご神像と伝わる「大国主大神木造』↑ や
石上神宮禁足地から出土品の「勾玉」「管玉」など貴重なものや
石上神宮の国宝「七支刀」が美術館で初展示されます。
国宝「七支刀」展示期間は10/25〜11/24のみ。
他の期間はレプリカの展示です。
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こちらは石見神楽提灯蛇胴。
会期中には島根の神楽や高千穂の夜神楽などの公演もあります。
「高千穂の夜神楽」
日程:10/25(土)①13:00~ ②16:00~
場所:美術館前庭
「高千穂の夜神楽」
日程:10/26(日)①11:00~ ②14:00~
場所:奈良県文化会館小ホール
「島根の神楽」
日程:11/23(日・祝)①10:30~ ②14:00~
場所:奈良県文化会館小ホール
※美術館前庭での公演は無料で観覧できます。
※奈良県文化会館小ホールでの公演は入場の際に「大古事記展」の観覧券をご呈示ください。(定員300名、事前申込不要、先着順)
特別展「語り継ぐココロとコトバ 大古事記展-五感で味わう、愛と創造の物語-」
会期:10/18(土)~12/14(日)
会場:奈良県立美術館
休館日:10/20・11/17・11/25・12/1・12/8
開館時間:9:00~17:00(金・土は19時まで/入館は閉館30分前まで)
観覧料:一般800円、大高校生600円、中小学生400円
※会期中に展示替えあり。前期は11/16まで、後期は11/18から
最後になりましたが、奈良倶楽部では会期中
「大古事記展」鑑賞券付き宿泊プランも承っています。
是非どうぞご利用下さいませ。
<<追記>>
「高千穂の夜神楽」を見学された様子はこちらのブログ★に
プレスとして展覧会場内を撮影された様子はこちらのブログ★に
それぞれ写真で詳しく紹介されていますのでご参考にして下さい。