9月の終わりに大阪国立国際美術館へ、「ジャン・フォートリエ展」を見に行ってきました。没後50年、日本で初めてとなる本格的な回顧展ということで、後援の毎日新聞紙上でも特集が組まれ、作品の紹介がされていました。
この画家をよく知らなかったのですが、新聞紙上で紹介される作品に心惹かれるものがありました。(上の写真↑の「人質」シリーズや、下の写真↓のアンフォルメルな作品など)
人物画に抜きん出た才能を感じる初期作品から、有名な「人質」シリーズ、そして晩年のいわゆる「アンフォルメル」といわれる抽象画まで、画家の辿った変遷が一堂に見られ、個人的には初期作品の黒い肖像画シリーズや、厚塗りのマチエールに描き込まれた具象作品にも新鮮な魅力を感じました。
会場で放映される映像では、「アンフォルメル」作品の制作過程を公開しながら「制作時間はとても短いのだ」と、画家本人がやや自嘲気味に話している場面がありました。
確かに、簡単に適当に描いても作品になりそうですが、でも誰でも描けるというものではないと思います。ただ、アンフォルメルな抽象作品で心惹かれたものは2点くらいでした。簡単に描けそうでも、本当にいい作品となるのは難しいのかもしれません。
国立国際美術館の外観。
開館当時は斬新なデザインだと思ったものでしたが、この会場へ入る1時間前に京都国立博物館「平成知新館」の建築に触れて、いたく感動していたものですから、何だかちょっと重い印象を持ったのでした。
(こういう印象や評価も時代とともに・・・でしょうか。)
「平成知新館」については明日のブログで取り上げる予定です。
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帰宅道中に大阪高島屋で開催していた「名取洋之助展」も鑑賞。
すでに会期は終了していますが、「報道写真とデザインの父」というサブタイトル、私はこの方のデザインのセンスに驚いてしまいしました。
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「ジャン・フォートリエ展」
会期:9/27〜12/7
会場:大阪国立国際美術館
休館日:月曜日(10/13・11/3・11/24は開館:10/14・11/4・11/25は休館)
開館時間:10:00〜17:00(金曜日は19:00まで/入館は閉館の30分前まで)