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2016年3月9日水曜日

二月堂修二会2016*夜の帳の向こうに〜その①

今年はどれだけ通えるのでしょうか。
こんなに近い所に住んでいるのだから、毎晩でも通いつめたいという逸る思いと、朝早い仕事との狭間で自重自重と言い聞かせたり。
それでも、ここ二月堂裏参道を歩く頃には些細なことは消えていき
局の中で耳をそばだて目を凝らす聴聞者の一人となり
練行衆の唱えられる祈りのことばにまた我も祈りの人となるのでした。
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<<修二会本行の上七日を終えて自分MEMO>>
3月1日0時
日付が変わっていよいよ1265回目の修二会が始まろうとしています。
一徳火、開白法要を聴聞のお客様方とご一緒に二月堂まで上がって、このまま最後まで居たいという想いもあったのですが、これからの2週間の仕事のことを思うと無理はしないことに。
それにしても、法会が始まる前の凛と張りつめた二月堂の美しかったこと。何もかもが静かで均整が取れている、静謐な美しさでした。
NEMO>>西の局の扉が開いたのは23:45くらい。
食堂での授戒を聞いていると開白法要は局で聴聞できず。

3月1日
お松明の後、神名帳まで南の局にて聴聞。


3月3日
初夜の咒師作法から半夜の勤行、法華懺法、後夜の大導師作法までを西の局と北の局で。(北の局に大変明るい照明が入っていてびっくり)

3月4日
同じく初夜の咒師作法から半夜の勤行、法華懺法まで西の局にて。

3月5日 実忠忌
初夜の大導師作法より走りの行法、お香水賜りまで西の局にて。
堂童子の戸帳巻上げの芸術的な美しさに見惚れたり、甘露なお香水をいただけたことに感激したり。
MEMO>>5日の初夜の大導師作法と呪師作法の間に大変美しいお声明を耳にしました。今まで聞いたことがないようなうっとりする調べで、これが毎日唱えられているものなのか、5日だけ唱えられるものなのか・・・。帰宅して調べてみてもわからなかったので、修二会に詳しいお客さまにお尋ねしましたら「大導師さんとガワで唱えらる『後誓』と『勧請』でしょうか。5日と12日のみに差し挟まれ、ほぼ4字ずつの唱句を歌のように唱えるので、とても印象が強いです。」というお答えをいただきました。もう一度聴いてみたいお声明なので、いつかまた聴聞が叶いますように。

3月7日 小観音さん
夕方の「小観音出御」は出かけられない時間帯なので、お客さまを誘導する(どういう風にご覧いただくのが一番いいかを、奈良倶楽部でご説明するばかりですが) 役に徹して、夜遅くから出かけました。
連日の聴聞で少々疲れもあるのですが、行中に一度しかない行法をあと何回拝見できるのだろうかと思ってしまうと、やっぱり出かけずにはいられません。
北の局にて小観音さん後入を拝見。格子戸の間から大導師の祈りの作法をしっかりと目に焼き付けて、局にいる方々と合掌しながら小観音さんの御厨子をお見送りできた感動的なひとときでした。
下堂まで残るのは諦めて、ここで局をあとにしたのですが、ちょうど帰りの裏参道で深夜1時の大鐘の音を聴き、天上には北斗七星も見えてと、何とも素晴らしい聴聞となりました。
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8日からの下七日は下堂時間も0時半と少し早くなりますので、最後まで残ってみたいなぁと、でも何日通えるのかな(続きはまた後日に)