2016年3月3日木曜日
二月堂修二会2016*3/1の初夜上堂松明
奈良時代から一度も絶えることなく続く「不退の行法」二月堂修二会。
1265回目の初日の初夜上堂松明。今年も火の粉を浴びて 一年の無事を喜び、また一年の無事を祈るのでした。
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陽が暮れてからの冷え込みが厳しく、それ故おそらく人出も多くないだろうと、ゆっくりめに出発して18:15に二月堂到着。
登廊近くの竹矢来のところにポジションを取って待機していました。
3月1日は夕方「日没にちもつ」の勤行の後、惣神所・例時作法となって、堂司と平衆を残して和上・大導師・咒師は下堂し、堂内に残った人で内陣掃除・壇供積み・供花の運び入れなどを行い、処世界以外の練行衆は18時頃には下堂となる予定なのですが・・・。
何故かこの日は、加供の「時香の案内」(18:30頃)の後に、四職・平衆揃って下堂される(18:45でした)ということとなって、周りの方々と少々ヤキモキしながら待っていたのでした。
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そんな大幅な時間のずれも19時ちょうど「奈良太郎」の鐘の響きとともに辺りは真っ暗となり、加供松明が戻って、いよいよ今年最初の松明に火が点けられます。
「権処ごんしょさんの松明行きます」加供奉行のかけ声とともに、パチパチと火の爆ぜる音、もうもうと上がる炎と煙。
そろりそろりと登廊を上がって行く童子の前後には、火の粉を素早く掃いて落とす役の人達が何人も。
2本目、「中灯ちゅうとう」さんの松明が上がっていきます。
燃える炎に口元を押さえて待つ練行衆の姿が灯りに照らされます。
1本目が舞台の北の角にさしかかる頃、2本目の松明が登廊を上って行き・・・両方をいそがしく見ながら、そうこうするうちに、1本目の役目を終えた竹が戻ってきました。
1本目の「権処ごんしょ」さんの竹だけ、まだお松明が終わっていないうちでしたが、登廊に立てかけられていました。
司つかささん、咒師しゅっさんと上堂されて
導師どうしさん、和上わじょうさんの最後の2本の松明を担がれたのは、2年前に奉納の竹を担いで下さった童子のKさんとお父様。
Kさん父子の炎の競演は見事に息が合ってとても美しかったです。
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お松明の後、少しの時間でしたが南の局にて聴聞致しました。
最低気温が零下となった夜の堂内は凍てつくような寒さで身体の芯まで凍りそう・・・周到に防寒の用意をしていきましたが、「神名帳」を聴聞して二月堂を後にしたのでした。