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2016年3月22日火曜日

岡本彰夫先生新著「大和のたからもの」

尊敬する岡本彰夫先生が新しいご本を上梓されました。
「大和のたからもの」(淡交社)

「大和のたからもの」淡交社 紹介文より・・・
奈良には一般にはまだまだ知られていない風物、人物、工芸品などの「たからもの」が多く存在しています。永年、春日大社の権宮司を勤め、奈良の古文化への深い造詣をもち、大学でも教鞭をとる著者が、数あるテーマのうちから近世・近現代の項目中心に40件を厳選。
「大和のいのり」「大和のいとなみ」「大和のたくみ」の三章立てで紹介します。各項目に付される美しい写真とともに見て、読んで、奈良の奥深さが味わえる一冊です。

一年程前から「女将の会」の一員として岡本先生から色々なことを教わる機会に恵まれ、その幅広い見識に触れさせていただけることに有り難い思いでいっぱいなのですが、先生が伝えていこうとされている「奈良の誇り」が凝縮された一冊を手元に置いて、もっと学んでいきたいと、一生いつまでも学ぶことが愉しいと教わるご本でした。

先生のあとがきより・・・(一部抜粋)
骨董の世界で地名を冠した名称は、「大和古物」の他はない。
そもそも大和という所は千有余年という長い営みの中で、大きな戦乱に巻き込まれることもなかったために、文化的な断絶の経験を持ち合わせていない。
断絶せぬが故に、生きた人から人へと、伝えて来たものが遺った。その一つに技がある。
正倉院が千年のヴェールを脱した時、多くの匠がこの宝物の補修・模与に従事することが出来た。その訳は都が平安京へと遷された後も、大和は神仏の都であり続け、日本人の心の拠り所とされて来たからで、社寺の都であったからこそ「神器」「仏具」という最高の調度が必要であり、かつそれを製作する技が受け継がれ、美術・工芸が華開いたのである。
しかし古きがゆえの不都合もある。それは古代の文化遺産に恵まれ過ぎて近世・近代をかえって軽んじてしまうことである。大和の近世・近代の匠や物の研究は、まだまだ不充分なのである。

先生の前書きより・・・(一部抜粋)
「いのり」から生まれた神具や仏典、彫像の数々。
奈良人の「いとなみ」が遺した書や絵画。
「たくみ」たちが生み出す妙技、絶技の品々。
もののみごとな手わざ 伝統の造形など、
大和でしか出会えない美のすがたを
近世・近代の美術工芸を中心に紹介します。

美しい写真とともに紹介される「大和のたからもの」の数々。
気高く美しい品々に添えられる先生の深い愛と見識。
紹介された品々の中でもつい修二会関連のものや
赤膚焼きや奈良人形など自分の好きな所に目がいきますが
たくさんの掲載作品一覧が巻末にまとめてあって、興味がつきません。
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淡交社の「奈良を愉しむシリーズ」
奈良倶楽部のラウンジに置いていますので ご覧下さいませ。
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そして、すでにブログでご案内していますが
岡本先生の講演「近世奈良の風情」は4/23(土)10:00~12:00開催!
先生のお話をうかがう機会に是非どうぞご参加くださいませ。
詳細はこちら