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2016年12月17日土曜日

おん祭2016*「遷幸の儀」

12月16日
この日は24時過ぎに若宮さまがお旅所にお遷りになられる「遷幸の儀」が執り行われる日であり、奈良倶楽部的にもお客樣方へのご案内など、気を張りつめている一日であります。
今年はまた、全員がこのためにお泊まりで「遷幸の儀」は初めての方ばかりでしたので、22時半にホテルのロビーに集合していただき、簡単なレクチャーの後、皆さんとご一緒にご案内方々お出かけしました。
一の鳥居までタクシーで行き、参道途中のお旅所をご覧いただき、二の鳥居まで皆さんと向うのです。
(memo:参道到着は23時過ぎ。大体毎年同じ時間で公衆トイレのあるあたりに位置します。この立ち位置で、暁祭が始まった後のお旅所入場は割と前の方になります。)
それにしても、お月さまの明るい夜でした。
漆黒の闇の中、目を凝らしてもその姿が見えず、薫きしめられた沈香の香りでその気配を感じて・・・というような、今までの「遷幸の儀」と違って、参道に木々の影が伸び、枝に残る葉に反射する光の煌めきや、夜空にくっきりと見える星座を目で追いながらの道行きでしたが、お客樣方とご一緒に、何事もなく参列できたことは有り難いことでした。
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余談ですが・・・
「入江泰吉記念 奈良市写真美術館」で開催中の「春日大社とおん祭」展。入江先生が撮影された昭和20年代の「遷幸の儀」の写真があり、若宮さまをお囲いしているのが榊を持った神官達の「人垣」でなく、白い布で覆われた「布垣」だったこと。
ちょっとびっくりしたのでお尋ねしましたら、戦後しばらくは徴用されていた神織がまだ復帰していなくて、圧倒的に人が少なかったことからの「布垣」になったのだそうです。