5月最終日。
これは観たいなと思っていた展覧会2つ、会期終了間際に東京まで、思い切って観に行ってきました。
展覧会を鑑賞しての感動を、帰りの新幹線車中で、FBにスマホ投稿した簡単な感想ですが、ブログにも転載しておきますね。
東京国立博物館「茶の湯」展 (6/4まで)
室町時代から近代までの「茶の湯」の発展と歴史をたどる特別展。
室町時代の足利将軍家の「唐物」から、安土桃山時代に侘茶の誕生で「高麗物」「和物」へと、茶湯道具に対する価値観の変遷。
侘茶の大成で、利休が取り上げたものや利休が作り出したものなど、利休の美意識を堪能し、利休の精神を継いだ茶人・古田織部や、江戸時代前期の小堀遠州や後期の松平不昧など武家の茶の湯の世界観。
明治に入って近代には、数寄者の実業家たちによる茶道具の収集。
……と、その時代その時代の権力者や富を持つ者、茶人らが手にした名物や、時代を象徴する茶湯道具が一堂に会した展覧会。
こんな茶道具を収集できればいいなとか(ついでにお茶室を作るならこんな風にとか、お茶席を持つならこんな趣向でとか)身の程知らずな妄想世界に遊びながら、目を肥やし、美意識を養った濃厚で濃密な展覧会鑑賞でした。
そして、展覧会の展示の中で、東大寺三月堂不空羂索観音像に付随する蓮花残片や、松屋会記など奈良に関連するものがあり、何故か東京で奈良に出会うとテンションが高くなるのでした。
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国立新美術館「ミュシャ展」 (6/5まで)
ミュシャと言えば、アール・ヌーヴォーを代表する芸術家…というイメージでしたが、今回の展覧会では、晩年に16年の歳月をかけて描き上げた超大作「スラブ叙事詩」全20作が、チェコ国外で世界初公開されるということで、どうしても観たくて行ってきました。
超混雑ぶりは聞いていて、事前にチケットをネットで購入もして「まぁ草間彌生展が終わってから行けばそれほどでも…」と思っていたのですが、着いてびっくりの大行列!
最後列は美術館の外で、それでもどんどん入場させるから、あの行列にして50分で中に入れたのは奇跡かも。
でも、館内は芋の子を洗うような状態で。人が多すぎて超大作を引いて鑑賞することができなかったのは残念でしたが、それでも、あまりの素晴らしさに涙するほどの感動でした。
一室のみ撮影可のところがありました。でも人の多さで全体を写すことはできず、作品の一部分ですが雰囲気だけでもご覧下さい。
ミュシャの民族の誇りや故郷への想い、平和を願う気持ちなど、作品からのメッセージを受け取りながら幸せな鑑賞時間でした。
図録を買ったので帰宅して、またじっくり楽しむつもりです。
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どちらの展覧会も会期終了まで残りわずかです。
もし観に行こうか迷ってらっしゃるようでしたら、強く背中を押させていただきたいです。