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2012年10月26日金曜日

第64回 正倉院展*

いよいよ明日27日から「第64回正倉院展」が始まります。

天平文化の至宝に触れる楽しみを前に、まずは
奈良の情報誌「ならら」を見てちょこっと予習をしています。 
今年の目玉はやっぱりこちらでしょうか。
ポスターやチラシなどでもすっかりお馴染みの「瑠璃坏るりのつき」。
瑠璃色の蒼みがとても深く鮮やかで、実物を目の当たりにしたら、きっと心を奪われるかもしれないですね。そして瑠璃色のガラスだけでなく、銀製の台脚に細工された線描も繊細で美しく、じっくりと鑑賞できる日を楽しみにしているのです。

チラシの裏面を見てみると「瑠璃坏」だけじゃなく
「あ〜これもすごいなぁ、あれもすごいなぁ」というような
見事な工芸品の数々が載っています。
ちょっと気になるのが「銀平脱八稜形鏡箱ぎんへいだつはちりょうがたのかがみばこ
銀の薄い板を、花や鳥の文様に切り取って、漆を塗った面に貼るという技法で作られているものですが、細かく切り取られた八弁花文や孔雀文には継ぎ目が見当たらないのだそうです。
博物館の照明を落とした薄暗さの中で、どこまで肉眼で見ることが出来るかわかりませんが、孔雀の羽根の先端の羽毛まで緻密な線刻で表現されているというところまで見てみたいと思っています。

天平時代の工人が精魂込めて作った工芸品の数々。
細工の技や緻密さや色遣いの素晴らしさもさることながら
私が何よりも正倉院御物に魅力を感じるのは
工芸品に施された文様が、時に洒脱でユーモア溢れるデザインだから。
そしてその技術と粋を極めた至宝が
1250年以上も脈々と多くの人によって守り伝えられ
そしてこれから未来へも伝えていこうという意識の集合というもの。
今年もそんな宝物を鑑賞できるひとときを楽しみにしています。

「第64回 正倉院展」

会期:10/27(土)〜11/12(月)会期中無休
会場:奈良国立博物館 東新館・西新館
開館時間:9:00〜18:00 ※金・土・日・祝日は19:00まで
(入館は閉館時間の30分前までに)


(自分の好みが工芸品に偏っているのですが、工芸品以外に古文書や古裂なども出陳されていますので。)