ページ

2012年10月3日水曜日

平城宮跡の土色舗装工事について*

先日のブログ記事「平城宮跡・第一次朝堂院の広場を土色舗装工事」する件につきましては、奈良倶楽部のお客様方、何人かの方々から、直接たくさんのメールをいただきました。
大好きな奈良への想いや、何かできることがあればまたお知らせ下さいなど、遠く県外から奈良へ、心強い関心を寄せていただきどうもありがとうございます!

この問題に対して素早く行動をおこされた寮美千子さんから
「平城宮跡埋め立て舗装工事への緊急声明」を出しますので
賛同して下さる方を募っています・・・という連絡がありました。

何かしたいけれど、何をどうしたらいいか・・・と
もやもや思っていましたので、まずは取り急ぎ、賛同者に名を連ね
ブログでもお知らせいたします。どうぞよろしくお願いします。
以下、そのメールの中の一部です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
現在、「賛同者」を募っています。
ご賛同いただける方は、お名前、所属または肩書、居住都道府県、
任意で80文字以内のコメントを、info@narapress.jpまでお送りください。明日以降も募ります。

いただいた名簿とコメントは、国交省・文化庁に提出するほか、Webに掲載します。現在、全国から80名超のご賛同をいただいています。

近鉄車庫、24号線バイパス問題に次ぐ、平城宮跡の危機だと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。


国土交通大臣殿
文化庁長官殿

世界遺産「平城宮跡」で始まった埋立て・舗装工事に抗議する緊急声明

2012年9月25日、平城宮跡中心部の造成工事が、突然始まりました。国土交通省が、
国営公園の「第一次朝堂院の広場整備」として行っています。記者発表は20日、新聞
の第一報は24日、工事着工が25日と、国民に説明がないままの性急な着工でした。
千年以上にわたって遺物を守ってきた草原と湿地を埋め立て、土とセメントで舗装
する計画で、その面積は45,000平米、東京ドーム1つ分にも及びます。
これにより、東西210m×南北260mの区域の動植物の全滅が明白であるばかりでな
く、平城宮跡全体として一体化していた生態系が大きく乱されることは必至です。
最大の懸念は、地下水の枯渇による埋蔵文化財の破壊。地下水によって千三百年間
守られてきた木簡などの遺物が、酸化・腐敗の危険にさらされます。
「公園整備」の名のもとに、人類の貴重な文化遺産を失うことになれば、世界から
だけでなく、未来の人々からも、大きな非難を浴びるでしょう。
驚くべきことに、工事にあたり、国土交通省は、地下水脈への影響を検討していな
いことが判明しました。また、文化庁も、ユネスコ世界遺産委員会へ報告をしていま
せん。このままでは、平城宮跡は、世界遺産から登録抹消される可能性もあります。
わたしたちは、この工事に強く抗議し、工事の即時中止を求めます。
また、国営公園として、自然と歴史の双方を活かした新しい時代の公園構想を、有
識者のみならず、広く国民から募り、時間をかけて検討することを求めます。
平城宮跡は奈良の宝、日本の宝であるばかりでなく、世界人類の貴重な文化遺産で
す。わたしたちはその自覚を持って、平城宮跡を後世へと受け継がなければなりませ
ん。
工事は来年3月完成予定であり、一刻の猶予もありません。迅速な対応を求めます。

2012年10月3日

発起人 小井修一(高速道路から世界遺産平城京を守る会 事務局長)
寮美千子(作家・奈良市在住)

賛同者  …… …… ……

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


一昨日(10/1)の午後、平城宮跡の工事現場を見てきました。
もうすでに柵で囲われて着工体勢に入っていました・・・。
正直、私が一番懸念しているのは
「世界遺産」から登録抹消されるのではないかということです。
 観光業者である狭い視野で言えば、こんなみっともない、奈良の恥をさらすのは、集客という意味でもマイナスであり、とんでもないことですが

もっと大きな視点に立つと、この何もないように見える広大な草原が「世界遺産」に登録されたのは、この土の下に 1300年前の日本の都の遺構がその豊かな草原に守られて残されている ということが評価されたからです。
「世界遺産」という一つの評価ですが、これは、平城宮跡をこのような形で保存する事に奔走された先人達の努力があってこそ。
そう言う意味でも大変誇らしい評価だと思います。

遷都1300年祭の記念祝典にご出席された天皇陛下のおことばの最後に
 仰って下さった”我が国の古くから伝わる文化を守り育ててきた奈良の人々の幸せを祈って”というおことばにぐっとなったことを今思い出しています。

『平城京は,都が長岡京,続いて平安京に遷都された後,市街地とならなかったことから,発掘が可能であり,長年にわたって調査が行われてきました。近年の発掘調査の大きな成果は大量の木簡の発見であると聞いています。今日,遺跡や出土遺物に対する保存や調査の技術は著しく進歩しています。研究が進み,平城京の歴史がますます解明されていくことを期待しています。ここに,この地域の保存,調査研究に尽力された関係者,また復元のために尽力された関係者に深く敬意を表します。
終わりに,遷都1300年をことほぐとともに,我が国の古くから伝わる文化を守り育ててきた奈良の人々の幸せを祈って,お祝いの言葉といたします。』
天皇陛下のおことばより抜粋しました。)











 写真はすべて10/1に撮影したものです。

追記:参考までに・・・「かぎろひの大和路」のTさんが
国交省平城分室へ電話された様子などが書かれたブログです。