美術鑑賞ネタが続きますが、金曜日は奈良県立美術館で開催の
「正倉院宝物と近代奈良の工芸〜模造と創作140年の歩み〜」展
内覧会へ行ってきました。
展示室の流れとともに内容を記しますと++
まず最初に、江戸時代に何度か行なわれた正倉院の開封の様子や宝物絵図などが展示されていました。(そこに展示された宝物絵図に描かれたのと同じ模造品が、あとの展示室にあって←同じ場所に展示すれば面白かったかもという素人的ツッコミを入れてしまいました。)
その次には、明治8年に開催された「奈良博覧会」に出陳されたものや、その前の明治5年に実施された文化財調査「壬申検査」の宝物図集などが展示されています。(展示物に対する詳しいキャプションがなく、理解するまでに少々の時間とツッコミが。)
続いては、文化財調査から文化財に学び、新たな模造事業を起こして、産業新興に取り組む、明治時代の奈良の工人についての展示。(正倉院宝物を極力忠実に復元した模造品の数々が展示されています。)
そして最後は、これらを手がけた工芸家の高度な技術と、その技法の伝承のありようを「吉田三兄弟とその周辺」「現代の模造事業と奈良の工芸家・・北村大通・北村昭斎・吉田文之・坂本曲斎」というコーナーで作品展示するという流れになっていました。
最後の2室の一つ
吉田三兄弟(吉田立斎、北村久斎、吉田包春)の
吉田包春さんの作品には気品があって心に響くものがありました。
また最後の1階展示室の、人間国宝の 北村昭斎さんや、奈良倶楽部ご近所の坂本曲斎さん(三代目)の創作作品はどれも大変美しくて格調高く素晴らしかったです。
螺鈿や漆工芸、木画、撥鏤など正倉院宝物に伝わる工芸の伝統技法が、高度な技術の伝承だけでなく、作品から醸し出される粋や美意識をも取り入れて昇華された現代の名工たちの作品。
機会があれば、もう一度見に行きたいと思います。
「正倉院宝物と近代奈良の工芸〜模造と創作140年の歩み〜」展
会場:奈良県立美術館
会期:2013年6/15〜7/21
開館時間:9:00~17:00 (金・土曜日は〜19時。入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(ただし7/15(月)は開館し、翌16日(火)は休館)
観覧料:大人1000円/大高生700円/小中生400円
割引引換券について こちらをクリックしてください
問合せ:奈良県立美術館(0742-23-3968)
期間中には展覧会関連講座やギャラリートークなどもあります。
詳しくは展覧会HPでチェックして下さいね。
しばらく空梅雨を思わせるようなお天気が続いて、夏場の水不足が気がかりでしたが、土曜日は少しですが恵みの雨。でも今日はまたしっかりと夏空の奈良です。
写真は一昨日の奈良の空。
まるで梅雨明したかのような夏の雲でした。
東大寺戒壇院千手堂前より
細田家住宅の藁葺き屋根越しに
そして奈良倶楽部の三角屋根越しにも。