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2013年6月30日日曜日

「万葉に遊ぶ 〜正倉院復元楽器の音色を楽しむ〜」*ムジークフェストなら

先週に引き続き、今週も幾つかの
「ムジークフェスト」コンサートを楽しみました♫

中でも楽しみにしていたのは、海龍王寺さんでの正倉院復元楽器の演奏会。中村香奈子さん田島和枝さんのユニットで「万葉に遊ぶ」でした。
実は田島和枝さんは奈良倶楽部の古くからのお客様。
そして、今年の奈良倶楽部25年記念イベントで正倉院展の頃に
「ティータイム茶論」で演奏をお願いしているのです。

海龍王寺のご本尊、美しい十一面観音様の前にて天平時代の音色が静かに響きだすと、境内を渡る風のそよぎも木々の葉ずれの音となってハーモニーを奏で、天平の昔も、こんな風に自然の中で優しい音色を奏でていたのではと、ひととき想いを馳せたりしました。
演奏終了後に田島さんを記念撮影。手に持ってらっしゃるのが、正倉院復元楽器の「竽」、前で電熱台で温めているのが「笙しょう」です。

「竽」は「笙しょう」と共に中国から日本に伝来した楽器ですが、平安時代には廃れてしまったそうです。笙の2倍くらいの長さがあって持ち運びも大変で、音が小さく、笙のような華やかさがないためかもとおっしゃってました。
でも古代中国で「竽」ばかりで演奏をさせた皇帝がいたというくらい、好きな人にはとても好きな音だと思いました。実際に聴くと、重低音な調べはとても優しくやわらかく響きます。田島さんもおっしゃってましたが、ヨガのシャバアサナのポーズで聴くと、きっと心身ともにリラックスして癒されるのではと思いました。

余談ですが、平成19年の正倉院展に「竽」が出ていました。
図録から撮った写真ですが
壷の側面には迦陵頻伽などが表されていて↓
ため息をつきながら鑑賞したことを思い出しました。

また、ユニットのもう一人、中村香奈子さんは横笛と
同じく復元楽器の「簫しょう」という楽器を演奏されました。
「簫しょう」の調べもゆったりとしたやわらかな音色で
聴いていてとても気持ち良かったです。
こちらも昨年の正倉院展に出陳されましたので
同じく図録から写真をアップしておきます。↑

中村さんがお持ちの「簫しょう」は奈良倶楽部ご近所の
坂本曲斎さんの手によって復元されたものだそうで
思わぬところでご近所さんのお名前がでてきてびっくりでした。

 「竽」を持つ田島さん。
正倉院展の頃に奈良倶楽部で「笙しょう」や「竽」の調べを聴けることを楽しみにしていますね!
※日程は正倉院展の開催時期が発表になってからお知らせしますが、初日の土曜日の午後に開催を予定しています。おそらく10/26になると思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

田島和枝さんのHPから 「笙しょう」の音色を聴くことができます。