「奈良時代の女性たちの祈りを歩く」の第4回めの講座は光明皇后について。10月28日に、奈良倶楽部の近くの若草公民館にて開催されました。
この講座で、以前に奈良倶楽部でも演奏をして頂いた田島和枝さんが「笙」と「竽」を演奏されるというので、仕事の合間に聴きに行ってきました。
演奏された曲目は、「平調調子ひょうじょうのちょうし」「滄海うみ」「壱越調胡飲酒序破いちこつちょう こんじゅのじょは」の3曲です。
特に最後に演奏された「壱越調胡飲酒序破」は遣唐使によって伝えられ、大仏開眼供養会の時に奏でられた曲目だそうです。
聖武天皇・光明皇后のお二人も聴かれたであろう音色を御陵の近くで聴かせていただけて、心は一気に天平時代にタイムスリップ。何とも贅沢なひとときを味わうことができました。
今回の正倉院展でも「笙」と「竽」が出陳されていますが、田島さんのお話によると、指で押さえる所が、現在作られている復元楽器のように平らではなく、指なりに丸くなっているそうです。
帰ってから、早速図録で確認しましたら、成る程その通りでした。
そして少し指あかとかが着いているようにも感じられました。
1300年も前の人の手垢から、またまた妄想を激しく膨らませているのですが、講座では天平時代の音色に包まれて、とても素敵な時間を過ごさせていただきました。
正倉院展中で仕事が忙しく、私は演奏の後の講座を拝聴できずに戻りましたが、「古の人が命がけで伝えてきた響きを、大事にお伝えしていきたい」という田島さんの言葉が心に残りました。
田島さんの衣装は、天平をイメージしてオリジナルで作ってもらわれたもの。髪には奈良の植物と鈴の挿頭かざしをつけてとても素敵でした。
(田島さんの写真はすべて村上由希映さん撮影のもの。
写真拝借とブログ掲載は許可を得ています。)
今回の講座を主宰された倉橋みどりさん、生駒あさみさんにも感謝。
素敵な時間をありがとうございました。
最後にお知らせを二つ+++
残り1回となったこのシリーズ講座。
第五回「中将姫」は11月27日(日曜日)13:00~15:00開催。
中将姫が生まれ育った場所、ならまちに残る面影をたどります。座学のあと、ならまちに残るゆかりの地を歩きます。お申込みはこちら★から。
また田島さんの笙の演奏が12月3日に「今西家書院」で開催されます!
よろしければ是非どうぞ!