奈良国立博物館の特集展示「和紙-文化財を支える日本の紙-」を
観てきました。(3/15まで展示)
楮こうぞや三椏みつまたなどの樹皮の繊維をもとにつくる手漉きの和紙。この伝統的な素材と技に支えられた日本の和紙は、古くから経典や文書、絵巻の料紙として使用されるとともに、掛軸の裏打や経巻の繕いなど、文化財の修理に欠くことのできない材料として広く用いられてきました。修理材料としての和紙の優秀さは海外でも高く評価されており、ユネスコ無形文化遺産への登録というニュースも記憶に新しいところです。(奈良博のサイトより)
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昨年、ユネスコ無形文化遺産に登録されたのは、岐阜県美濃市の「本美濃紙」、島根県浜田市の「石州半紙」、埼玉県小川町・東秩父村の「細川紙」の3つの和紙。
残念ながら奈良県吉野町国栖の「吉野和紙」(掛軸の表装で裏打ちに使われる「美栖紙」「宇陀紙」、漆や染料などの濾しに適した「漆濾紙」の3種類)は登録なりませんでした。
でも吉野の3種類の和紙も文化財修理に欠かせない材料で、それぞれの和紙の持つ特性やどういった文化財に使われているのかなどもよくわかり、特に、吉野の「漆濾紙」などは実際に見て本当にすごいなぁと思いました。
また、飛鳥時代からそれぞれの時代で使われていた原料が違う和紙を、その時代の名品を通して紹介もされていて(例えば、奈良時代の和紙を紹介するのには、聖武天皇直筆の「国宝 賢愚経けんぐきょう巻第十五〈大聖武〉」だったり)、 一室だけの小さな特集展示でしたが、大変内容の充実した興味のつきない展覧会でした。
それにしても、和紙の産地はほぼ全都道府県にあるのですね。
展覧会開催期間中、通常の開館時間は9:30~17:00ですが
2/3は無料観覧日で19時まで開館。
2/22は夫婦で観覧の場合は半額で。
「なら瑠璃絵」会期中の2/8~2/14は20:30まで開館。
「二月堂お松明」の期間中3/1~3/11と3/13・3/14は18:00まで
3/12は19:00まで開館しています。(それぞれ入館は閉館の30分前まで)
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奈良博で見つけたチラシ。
<<お水取り 「講話」と「粥」の会>> が2/14に開催されるのですね。
クリックで拡大します。↑↓ 詳細はこちら★
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さて、博物館を出て帰りの道中
山焼きで黒焦山になった若草山を望む一等地、旧県警本部長官舎などの跡地に、ミシュラン4年連続二つ星の日本料理の「夢窓庵」とスペイン料理の「アコルドゥ」が、2015年度中にもオープン予定ということです。↓↑(ブログ「鹿鳴人のつぶやき」に詳細が書かれています。)
依水園から戒壇院へ抜ける水門町には、大和路の風景を撮り続けた写真家・入江泰吉さんの旧居が 3/1 にオープンします。
新しい施設ができるって、やっぱりわくわくしますね。