先日のブログでもお知らせしましたが、守田蔵さんの撥鏤ばちるの作品展が水門町のギャラリー「五風舎」さんで始まりました!(11/9まで)
今回、楽しみにしていたのは正倉院に伝わる八枚の撥鏤を全て復元され、それが一堂に見ることができるということ。
そしてそれを間近で鑑賞することができるのです。
正倉院北倉に伝わる「緑牙撥鏤尺」。
とても精密で繊細な撥鏤に、思わず感嘆の声をあげてしまいました。
表面だけでなく裏面も見せていただきました。
もちろん側面にもびっしりと撥鏤が施されています。
正倉院に伝わる緑牙の撥鏤尺はもう一点。
緑牙撥鏤尺は正倉院展でもめったに出陳されないようなので、とてもいいものを観せていただけたという満足感でいっぱいです。
紅牙撥鏤尺も美しい姿で復元されています。
こちら↑は今年の正倉院展で出陳されているものの復元作品。
裏面の飛天の顔が、正倉院宝物と比べて、守田さん制作の方がしゅっとしているような印象で、作者に似ているようにも思いました。
今回の展示のためアクリルケースを特注され、撥鏤尺の両面が見られるよう工夫されています。許可を得て写真撮影させていただきましたが、私の腕では限度がありますので、実物をご覧になって下さることを強くお奨め致します。
それにしても、気の遠くなるような手仕事にどれくらいの時間を費やされるのでしょうか。お尋ねすると「一年で二枚かなぁ」ということでしたが、かなりの根気と一気呵成の勢いと・・・素晴らしい仕事ぶりに触れさせていただき、見ている時間が大変楽しかったです。
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その他に、守田さんオリジナルの撥鏤尺が二枚。
この二枚は古事記から、日本武尊と天孫降臨の物語を創作されました。
ヤマトタケルの表と裏の面↑↓
天孫降臨
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撥鏤尺だけではなく、工藝装飾品としての撥鏤作品もあり
その高い芸術性に眼福のひとときでした。
ぜひ正倉院展とあわせてご覧下さい。
『甦る、正倉院宝物「撥鏤」。守田蔵』
会場:五風舎(奈良市水門町45 tel:0742-22-5514)
会期:11/4(水)〜11/9 (月) 11:00〜18:00