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2017年12月29日金曜日

興福寺国宝館リニューアルオープン

耐震補強工事が完了して、2018年のお正月1月1日に一年ぶりにリニューアルオープンする興福寺国宝館。

国宝館は、奈良時代の食堂じきどうが建てられていた場所に、耐火式宝物収蔵庫として昭和34年に開館。鉄筋コンクリート造りで、奈良時代に創建された食堂の外観をイメージして造られています。
地下には旧食堂の奈良時代以降の遺構がそのままの形で保存され、 館内中央にいらっしゃる旧食堂のご本尊・千手観音菩薩像は、食堂に安置されていたその場所に安置されています。
その国宝館リニューアルオープン前の内覧会に行ってきました。
入ってすぐ左側、今までの出口だったところが入り口となっています。中に入って・・・自分でも驚いたのですが、空間全体に荘厳な雰囲気を感じ、一瞬にしてその場にいることに感動してしまいました。

今年の春に拝観した仮講堂での「興福寺国宝特別公開2017 阿修羅-天平乾漆群像展-」(ブログ内記事)では、今まで国宝館で何度も拝見していた仏像も、こういうように安置されると、仏教美術彫刻、展示品ではなく、厳かでありながらも迫力ある祈りの空間となるのだと感じたのですが・・・。今回リニューアルされた国宝館でも同じように「祈りの空間」を感じたのです。
白と黒を基調にシンプルに統一されたデザインの力も大きいのかもしれませんが、天平時代、平安時代、鎌倉時代の仏像そのものが発する魅力や、また幾多の火災からも護られてきた仏像への「守り伝える」という、その時代時代の人々の想いや意識によるところも大きいかもしれません。
どうぞこの素晴らしい空間で静かな時を過ごしにお越しください。

「興福寺国宝館」
拝観時間:9:00~17:00
拝観料:一般700円/中高生600円/小人300円
休館日:無休
東金堂にもお参りして、年内のお参り納めとなりました。