ページ

2016年1月29日金曜日

京の冬の旅*東福寺

先日、所用があって京都へ出た折りに 小1時間ほど寄り道できる時間があり、所用先に近い東福寺の「京の冬の旅〜非公開文化財特別公開」に行ってきました。
「京の冬の旅」も、いつのまにか50年目を迎えたそうで、閑散期の真冬の京都の旅はお得なイメージが今やすっかり定着して、その賑わいは隣県の奈良の観光業に携わる私には、ちょっと羨ましいものになっています。と言いながらも、旅人気分で結構楽しんでいるのですが。
まずは、東福寺の塔頭寺院「即宗院」へ。
ここは平安時代の関白・藤原兼実の山荘「月輪殿」の跡地にあたり、深い森を背にした苔の美しい池泉式庭園や、特別展示された薩摩藩・島津家から拝領の火鉢や重箱・西郷隆盛直筆の書などを、観光ガイドさんの説明付きで見学しました。
島津家の菩提寺でもあり、幕末には西郷隆盛と勤王僧・月照上人がここで倒幕計画を練ったといわれています。
(写真撮影禁止のため庭園や寺宝の様子はこちらをご覧下さい)
塔頭から少し上がったところには、明治維新の戦死者を弔うために西郷自ら薩摩藩士524名の名を刻んだ「東征戦亡の碑」が建っています。
「即宗院」は3/18まで特別公開(但し3/6・3/7は拝観休止)
::
「三門」の方は1/31までの公開で、楼上に上がることができます。
室町時代建立の国宝「三門」は、日本最古にして最大級。
高さ約22m、大仏様・禅宗様・和様を組み合わせた造りで
間近に見ても遠目に見ても、威風堂々かっこいい建造物です。
ちなみに、このかっこいい建物のバランスを崩しているような気がする、四隅の大屋根を支える角柱は、秀吉が地震対策のために補強したもので「太閤柱」と呼ばれているのだそう。
あの楼上からの眺めはどんな感じなんでしょう!
東大寺南大門と同じ建築様式「大仏様だいぶつよう」発見↑
かなり急な階段を登って楼上に上がると京都市内が一望でき、また楼内安置の仏像も素晴らしく、そしてここでもガイド説明がとてもわかりやすくて大満足したのですが、残念ながら撮影禁止でしたので(安全面でも撮影していると危険なくらい)、こちらで様子をご覧下さい。
以下はパンフより。
宝冠釈迦如来像と十六羅漢像↑
柱や梁には、あの雪舟が憧れたという画僧・明兆みんちょうらによる宋・元風の彩色文様が施され、天女や迦陵頻伽・共命鳥などを描いた極彩色の天井画が残っていて見応えがありました。(双頭の共命鳥ぐみょうちょうも初めて拝見しました。)
室町幕府4代将軍・足利義持直筆の扁額「玅雲閣みょううんかく
「妙」でなく「玅」の文字なのは女人禁制の為に女編を用いないのだとか・・・等々、ちょっとした豆知識も仕入れて「京の冬の旅」を楽しんだ一日でした。

「京の冬の旅」
HPも見やすく、拝観料もそれほど高くなく(特別料金ではなく)、何より予約無しで拝観できるのがいいですね。