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2011年7月27日水曜日

清川妙先生の「兼好さんの遺言」


昨年の春に清川妙先生が、当時 随筆を連載されていた雑誌「いきいき」の取材で、満開の馬酔木あしびの花を求めて奈良に来られて、その時のエピソードが「いきいき」6月号に掲載されたことは以前のブログに書きました。
そして、先生の随筆「清川妙の徒然草」が、今年の春に「兼好さんの遺言」という単行本になって発行されたことは、早々にしをんさんがブログに書いて下さっているのですが・・・。
実はまだ、奈良倶楽部通信ではお知らせしていなかったのです。
『人生は一度っきり!90歳の清川さんが賢人・兼好法師から学んだ 
元気と勇気たっぷりの生きかた読本!』          

清川先生は、ご自身の人生の節目節目で『徒然草』の文章に励まされ、背中を押され、生きる指針を見いだしてこられたと、この本の中で、兼好法師の紡がれた言葉をわかりやすい現代語訳で読み解きながら、また私達にその生き方を示して下さいます。
私も時々この本を取り出して もう一度読み返しては、今年90歳の清川先生の魅力ある生き方考え方に触れ、日々の暮らしを生きる上で前向きなパワーや元気をもらっています。
そして何より、ふとしたご縁をいただいて
先生の著作に奈良倶楽部が登場していることの光栄なこと!

私は、第8章「人生は予定どおりにはいかないもの」の中で
奈良女子高等師範学校(今の奈良女子大学)時代の恩師との思い出「満開のあしびの花」を訪ねて奈良を旅するくだりに、登場人物の一人として書いていただいています。

私がふと洩らした、浄瑠璃寺のピンクの馬酔木の花を、前日に浄瑠璃寺を訪ねた時には気がつかなかったので、翌日もう一度浄瑠璃寺へ足を運んで見に行ったと、石清水八幡宮にお参りした仁和寺の僧の逸話とともに「すこしの事にも、先達はあらまほしきことなり。」と書いて下さったのです。
奈良の事についての「先達」とは、本当に恐れ多くて恐縮するばかりですが、こうして書いていただいた栄誉に恥じないよう、これからも気を引き締めて勉強していかなければと思っています。
先生は「叶えられなかったことを嘆かず、拾いものだったことを心から喜ぶ・・・こんな<融通無碍の心>こそ、生きていくうえで、きわめて大切なことなのだ。」とこの章の最後で締めくくってらっしゃいます。

また「はじめに」の章では
「思い立ったことがあったら、ためらわず、その場で一歩を踏み出せ。年齢のことなど考えるな。飽きず、続けよ。貫けよ。せっかくの一生だ。けっして無駄にするな。心して、一瞬一瞬を大切にして、ていねいに日々を運べ。生きている、というそのことを、何よりも喜ぶのだ」と、強いメッセージを発して下さっています。
このメッセージは、私の心の深いところに響いて
これから生きていく上で指針となる言葉だと思いました。
兼好さんと清川妙先生の珠玉の言葉に出会えたご縁に感謝。

ブログ内記事の間々にアップした画像はすべて浄瑠璃寺で撮影したものです。
浄瑠璃寺を訪ねて、奈良倶楽部にご宿泊下さるという先生のファンの方もいらっしゃって、こちらのご縁にも感謝申し上げます。有り難うございました。

清川妙著『兼好さんの遺言』