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2011年10月18日火曜日

奈良博*サンデー・トーク「茶室・八窓庵をのぞいてみましょう」

奈良国立博物館で毎月第3日曜に開催されているサンデー・トーク
今月は『茶室・八窓庵をのぞいてみましょう』という演題でした。
普段入ることができない「八窓庵」を見学できる機会に
「ひょっとしてお茶室の中にも上がることができるかな?」と
ひそかな期待を抱いて参加致しました。


「サンデー・トーク」という講座に参加するのは実は初めてです。
私の仕事柄、土日は本当に忙しくて、休日に行なわれる催しには
「私は参加は無理」と、かれこれ20年以上も諦め続けていたのですが
今回は誘ってもらって何とか時間をやりくりしての参加でした。

博物館のサイトをご覧いただければわかりますが
講座の演題は多岐に渡って、自分の知らない世界も手軽に覗いてみることができそうですし、聴講無料・事前申込みや予約が不要というのも気軽でいいですね。

前置きが長くなりましたが、八窓庵について教えていただいたことを写真と一緒に記録しておきましょう。

まず歴史と特徴。
創建は江戸時代中期で、元は興福寺の門跡、大乗院の庭園内(奈良ホテルの南側あたり)にあったものを明治25年に現在の位置に移築。
別名、含翠亭がんすいてい

東大寺四聖坊にあった八窓の席(東京に移築、戦災で焼失)、興福寺塔頭慈眼院の六窓庵(東博に移築)と共に「大和三茶室」と称される。
移築距離が短いおかげでほとんど傷みもなく、創建当初の状態を良く保っています。

他にも資料でたくさんのことを教えていただきましたが
長々とした説明はこれくらいにして
では、実際に茶室をのぞいてみながら興味を持ったところを簡単に。

正面向かって左手側面のようすです。
茅葺きの屋根の上に何やら光りものを発見↑
よく見るとアワビの貝殻です↓
  
これは、巣造りのためにカラスが萱を取っていかないように
キラキラ光るものでカラスを驚かせるのだそうです。


こちらは正面向かって右手側面のようす↑
写真の窓の右から、風炉先窓・下地窓・連子窓。

こちらが露地に面した正面のようす。
躙口は茶室の中央にあり、躙口から炉や点前座まで直線的に見通せる構造が特徴的となっています。↓

躙口左手には刀かけと力竹↓
   

八窓庵という名の通り、八つの窓が茶室の中から見えます。
ただ、水屋や合の間、床の間を入れると13窓もあります。

二つの窓の中心をずらして上下に配置した窓など
古田織部創作とされる形式の窓も見られます。↓


天井の様子。色々な材が使われています。
右側を掛込天井、左側を蒲天井と称します。


こちらが床の間。

床の間にも明りを取り入れるための窓・墨蹟窓があります。    
    

合の間から円窓を通して見た風景。


こちらは待合いから茶室を望んだ風景。


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と、こんな風にお茶室の中にも入らせていただき
織部好みの風流な気分も味わって1時間半の講座を楽しみました。

歩いて出かけた先にこのような機会がある恵まれた環境にいるのですから、時間を作ってもっとサンデートークなどの講座をこれからも利用していきたいと思いました。

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お茶室見学の後の帰り道
博物館新館の中に何やら山積みにされているものを発見!

おやおや、これは!
  

そうです。こちらで見覚えのある薄紙の束です。
いよいよ正倉院展の宝物を搬入されるのですね。
たくさんの緩衝材の薄紙を必要とされている正倉院宝物。
今年もまた、正倉院展で天平の美の名品の数々を鑑賞できる幸せを味わいましょう。

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博物館を出た後は、本日ご一緒のしをんさんとしばしお茶タイム。
骨董屋「友明堂」にて。

有意義な日曜日の午後のひとときでした。