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2011年9月7日水曜日

高麗美術館「刺繍ポジャギとチョガッポ展」

京都の高麗美術館で開催されている特別企画展
「刺繍ポジャギとチョガッポ展」に行ってきました。

   

この展覧会は、2008年に高麗美術館開館20周年記念展として開催された、「韓国刺繍博物館」コレクションの「ポジャギとチョガッポ展」(3年前のブログ内記事はこちら)に引き続き2回目の特別展です。

11年前の2000年冬に、初めて訪れた韓国刺繍博物館で見たポジャギの造形美に魂を鷲掴みにされた私とポジャギとの出会いは奈良倶楽部のHPに詳しく書いていますが、その韓国刺繍博物館のポジャギ達がやってくるのですから、何はともあれ見に行かなくてはいけません。
   

それに加えて、前回も展示されていましたが今回も高麗美術館所蔵のチョガッポ20点が展観されています。この中にはかなり私好みの造形美の作品があって、もう一度目にできることを楽しみにしていました。

そして何と!今回はプラス、現代のポジャギ作家4名の作品も展示されるのですが、この中に、私をポジャギの世界へ導いてくれた友人の中野啓子さんもいらっしゃるのです!!

中野さんは、奈良倶楽部通信でも紹介したことがありますが、2年前「秋篠の森」での作品展でも素敵なポジャギを発表されていて、ご存知の方も多いと思います。
今回の新作も、作品制作の大変な道のりを時々聞いていたので、拝見させていただくのをとても楽しみしていたのです。

では図録やチラシから撮ったポジャギの画像ですが
展覧会の雰囲気を少しご覧下さい。

まず、韓国刺繍博物館のコレクション。
前回2008年の展覧会ではチョガッポが中心でしたが
今回は刺繍ポジャギが多く出陳されていました。


     

私自身の好みが、抽象絵画的なデザインのチョガッポにあって
今まであまり刺繍ポジャギに目を向けていなかったのですが
今回よく見ると、文様のデザインが素敵でキュートではないですか!

刺繍ポジャギは婚礼等のお祝い事に使われることが多く
その図柄も、成長し天に向かって伸び広がる「樹木」文様や
福を表す「牡丹などの花」文様、多産を象徴する「柘榴の実」など
幸福や豊饒を願って一針一針丹精を込めて施されたものが多いです。

牡丹に蝶々(上の画像)が愛らしいですね。↓
   
樹木文様(下の画像)↑は個性的なデザインが何点か↓


     

柘榴の実文様↓この配色がちょっと渋くて好みです。
   


花鳥文様↑や、鶴文様↓


ポジャギといえば、今まではチョガッポの抽象構成にばかり目が行ってましたが、今回、刺繍文様のどこか憎めない可愛いデザインを知ることで、より深く味わう楽しみができました。

さて、ではチョガッポの方ですが
こちらは高麗美術館所蔵のものを、図録からご覧下さい。


  

    
このデザインの美しさは説明不要ですね。
あーもうこんな絵を表現したいです。

・・・とここまで読んで下さった皆さんの中には、もうお察しの方もいらっしゃると思いますが、ポジャギが大好きな私はポジャギを絵画として見ているのです。
何枚もの小さな端切れを組み合わせてこれほど創造的で芸術的な造形美を表現できるものなのかと、いつも溜息まじりに心奪われてしまうのです。

これほど大好きなのに、私は一針も縫うことができずにいますが
同じようにポジャギに深く傾倒された中野啓子さんは、韓国ソウルで、今は亡き崔福姫先生に師事して手ほどきを受けた縫い方で、とても素敵なポジャギをつくってらっしゃいます。

中野さんの作品はご本人と高麗美術館の許可を得て撮影させていただきました。(ブログ掲載も許可を得ています。)

写真の手前は、フィリピン・ミンダナオ島のパイナップルの繊維から作られた貴重な布「ピーニャ」を使ったストールです。徳島の藍で染めた淡いブルーが美しいですね。
   
写真の奥に見えるのは、ハングル書道も嗜む中野さんの遊び心から生まれたアーティスティックな作品。尹東柱の詩がハングル文字で表現されています。

   
またこちらはフランス・中国・韓国・日本の布を使った作品です。
風合いの異なる素材がかえって奥行きと味わいを醸していて
私のお気に入り作品です。

昔ながらの伝統的なポジャギも素敵ですが
中野さんはじめ、現代のポジャギ作家達の作品は
どれもこれも個性的で躍動感ある素晴らしいものでした。

展覧会の会期も11月6日までと長期に渡っていますので
秋の京都(そして奈良も)旅行の折に是非お訪ね下さいませ。

   

「刺繍ポジャギとチョガッポ展」

会場:高麗美術館 (京都市北区紫竹上岸町15 tel:075-491-1192)
会期:2011年9月3日〜11月6日
開館時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(但し祝休日と重なる場合は開館し翌日休館)
入館料:一般800円・大高生500円・中学生以下無料

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高麗美術館といえば・・・
お約束のように「李青」さんにてランチ♫
今回は冷麺をいただきました。美味しい!


     
そしてお茶には禅食シェイクを。
これはお坊さんが修養の合間に飲む栄養食でもあるのですが
16種類の雑穀や木の実などをパウダー状にしたものです。