京都へ出た折に、龍谷ミュージアムで開催中の「玄奘」展へ行ってきました。「美術館」自体が大好きなので、初めて入る美術館は どんな風な展示空間、展示構成だろうかと期待に胸を膨らませて入館しました。
展示会場に入った途端に、わかりやすい解説(キャプションもビジュアル的に考えられて、見た目にすぐ頭に入ってくるこの構成力はどうよ!という感動)や、展示空間の動線(集中力が途切れないために、動線はとても大切と思っています!)など、展示内容を鑑賞者に理解してもらうための工夫が随所に感じられて、何より展覧会内容への愛がすごいと、それを構成している諸々にも感動し、気持ちがわくわく感で満たされていきました。
三蔵法師として知られる中国・唐代の僧 玄奘(602~664)は、足かけ19年に及ぶ旅を経て、インドから膨大な経典を持ち帰り、帰国後は生涯をかけて経典の漢訳事業を成し遂げた、とても偉大で超人的存在の方。
その超人的イメージだけでない、人間的な「玄奘さん」の部分も見つめようという展覧会ですが、展覧会を通してあらためて、玄奘さんの強い意志と不断の努力に感動いたしました。
パンフレット(500円)↑もコンパクトながら内容ぎっしりでいいですね。
会場にも貼ってありましたが、玄奘さんが歩いたルートとともに、彼の人生がわかる図。(これは一般的な年表と違って、非常にわかりやすくて面白い優れものです!)
前期の最終日に見ることができた、河鍋暁斎の「西遊記 西天竺経文取之図」↑と、国宝「玄奘三蔵絵」↓など、眼福でした。
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また、ミュージアム3階に併設のシアターでは、鑑賞時間内に素晴らしい映像美を楽しむことができます。ちょうど「西本願寺の障壁画」について見ることができました。こちらも是非お奨めです。
家庭画報別冊の写真集↑は奈良倶楽部の図書室に置いてます。
玄奘を鼻祖として崇敬してきた法相宗大本山薬師寺から僧侶が交代でお話しする「お坊さんトーク」も催されて、束の間の聴講生となっておりました。(このお話会もまたよかったのです!)
展示内容だけでなく、ミュージアムの企画全体を楽しむことができた、心に残る鑑賞となりました。ミュージアムが楽しいので、次回の展覧会も時間を作って行くようにしたいです。
※ちなみに次回展は「アンコールワットへの道」10/10~12/20
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龍谷ミュージアム 企画展「玄奘」
会期:9/27まで
休館日:月曜日(但し9/21は開館)
開館時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)