「お水取り」に関連した展示会場を一気に回ってきました++
「奈良市写真美術館」
『入江泰吉〜冬の東大寺とお水取り』 3/27まで
「十二人目の練行衆」と呼ばれた入江泰吉の「お水取り」取材は、終戦の翌年の昭和21年から始まり、それから30余年欠かさず参籠し、「お水取り」のすべてを記録したといいます。行法作法のみならず、練行衆の日常や行法を支える人々の姿まで写し撮られた写真の数々。
・・・入江先生のお水取りの写真はすでに何度も目にしているのですが、冬の東大寺の作品には、私が中学3年間と卒論のため図書館に通い詰めていた大学時代の奈良で過ごした年代に撮影された写真が何点かあり、同じ年に同じ街で同じ空気を吸っていたというだけで懐かしさがこみ上げてくるような郷愁を感じてしまいました。
儚げで美しい東大寺。入江先生が撮られる東大寺は本当に美しいです。
「奈良国立博物館」
『特別陳列 お水取り』3/14まで(お水取り期間中は休み無し)
実際に修二会で用いられた法具などが展示されて、修二会好きにはたまりませんが、個人的には、杉本健吉画伯の「修二会画帖」がたまりません!(墨画の味わいも何もかも)
奈良博にも東大寺ミュージアムにも、籠松明が展示されています。
その大きさを間近に見てぜひ実感してみてくださいね。
それから、奈良博で同時に開催中の「伊豆山神社の歴史と美術」展も見応えありました。
「東大寺ミュージアム」
東大寺ミュージアムでも3/21までお水取りに関連した展示が行なわれていますが、その中でも特筆すべきは「二月堂本尊の光背残欠」!
保存修理後、初公開です。表と裏の両面が見られるようになっていて、裏側の線刻は初めて見られるようになりました。
(奈良博では拓本が展示されています。)
また、聖武天皇陵近くにかつてあって廃寺となった「眉間寺みけんじ」 本堂の仏様もいらっしゃって、こちらも素晴らしいのでした。
クロネコならTABIセンター2階
野本暉房写真展「悔過懺悔の祈り」3/31まで
「修二会」とは、旧暦二月に営まれる法会のこと。
東大寺二月堂、薬師寺、新薬師寺、長谷寺の修二会を、特別な許可を得て撮影した写真約30点が紹介されています。
二月堂修二会「お水取り」14日の尻つけ松明。
お水取りの「一徳火」の様子。(一徳火は昨年から撮影禁止になっていますので貴重な写真です。)
長谷寺「だだおし」
新薬師寺「おたいまつ」
薬師寺「花会式」
それぞれの別名を持つ修二会の魅力が伝わってくる迫力ある写真ばかり。会場は、東向き商店街と餅飯殿センター街の間の三条通りにありますので、是非お立ち寄り下さいませ。