会期終了まで一週間。
展示替えした後の「源信展」後期展示を観に行ってきました。
一番の目的は何と言っても東大寺知足院の地蔵菩薩立像です。
美しいお地蔵様を一度博物館で鑑賞してみたかったのでした。
お厨子から出られて360度拝観出来るのかなと思っていたのですが、お厨子の中にいらっしゃるままで、背中の様子は残念ながら拝観叶わず。
ただお厨子の側面が開いていて、横からも斜め後ろからも拝見できて、おまけにお厨子に描かれた地獄絵もよく見ることができ、そして造られた当時のまま残る美しい錐金文様にも目を奪われるくらい、眼福のひとときでした。
1度目の鑑賞時(ブログ記事★)には、地獄の世界の後に観た極楽の世界に、ほっとしたものでしたが(実は恐いものを見るのが苦手なのです)、今回は地獄の世界にぐいぐい引き込まれました。
展示替えのあったもので、特に印象に残ったものを幾つか。
「餓鬼草紙」★ ・「病草紙(口臭の女・毛虱の男)」★
「病草紙(屎を吐く男)」★ ・「九相図巻」
どれもこれもリアルな絵が描かれていて、想像力が働きやすく、これくらい恐い世界を見せられてこそ、この世を真っ当に正直に生きようと思うのかもと思ったり。
(★印のリンク先に写真と説明が書かれています。)
来迎と極楽の風景からの後期展示では
「四十九化仏阿弥陀聖衆来迎図」や、金戒光明寺の「山越阿弥陀図」「地獄極楽図屏風」と、和歌山・有志八幡講の「阿弥陀聖衆来迎図」↓が印象的でした。
その他に、和歌山金剛峯寺の「法華経」、中尊寺大長寿院の「大般若経」。どちらも平安時代の国宝で、その美しさにうっとり。
会期も残りわずかです。是非ご覧頂ければと思います。
「1000年忌特別展 源信 地獄・極楽への扉」
会期:~9月3日(日)
会場: 奈良国立博物館 東新館・西新館
休館日:毎週月曜日
開館時間:9:30~18:00(毎週金・土曜日は19時まで)