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2010年6月15日火曜日

祈りの回廊〜「當麻寺の東塔・西塔初層開扉」

奈良時代に建立され、我が国で唯一創建当初の姿を今に伝える
東西双塔(国宝)の初層が、創建以来初めて揃って開扉される。

・・・という情報、「祈りの回廊」の内容が発表された当初
「おお、これはすごいぞ」と、かなり楽しみにしていました。

6/20までの特別公開会期終了間際、何とか時間を作って
當麻寺の東塔・西塔初層開扉に行ってきました。
(両塔とも内部には入れません。初層拝観は無料。)

・・・が、しかし。
「塔」というのは遠くから眺めてその建築美を楽しむものだなと
あらためて、そんな風に感じた次第・・・。
塔頭のひとつ西南院の庭から、池面に映る西塔。(上の写真)
同じく西南院庭園から見た西塔。(塔の西側の姿)↓

西塔の水煙をズームで。唐草文の意匠がシンプルで美しい。


こちらは東塔の水煙。中之坊庭園の睡蓮の池に映る水煙をよく見ると
何だか不思議な形ですね。魚の骨のよう。


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西塔は奈良時代末期~平安初期に建立され、安置仏は大日如来像。
足場が組んであって、そこからの拝観になります。


奈良時代末期に建立された東塔は、當麻寺で最も古い建造物となっています。
こちらは塔の回りを一周して見学ができるようになっていました。


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前回訪れた時には時間がなくて拝観出来なかった
「金堂」と「中之坊」が、ちょっとよかったりするのでした。


上の写真は「金堂」(重文)鎌倉時代に再建されたもの。

當麻寺の伽藍配置は、南から北に向かって金堂、講堂があり
金堂の手前(南側)左右に東塔と西塔が配されていて、
創建当時の中心伽藍は、弥勒仏を安置する金堂だったのですが
平安時代に当麻曼荼羅図を安置する曼荼羅堂が建てられると
信仰の対象はその当麻曼荼羅図に取って代わられ
以降、この曼荼羅堂が當麻寺の本堂となって
参道の向きも東向きに変えられたのでした。

で、金堂のご本尊「弥勒菩薩像」(国宝)は白鳳時代のもので
粘土で作られた仏像では日本最古のものらしいです。
また乾漆像としては日本最古と言われる「四天王像」。
異国的雰囲気があって、なかなかかっこいい四天王さまですよ。

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塔頭のひとつ「中之坊」にある、陀羅尼助精製の釜。
右が薬草のエキスを煮出す釜で、左がエキスを煮詰める釜。
実際に昭和57年まで用いられていたということです。
當麻寺創建当時ここを道場としていた役行者によって創製された胃腸薬
陀羅尼助は日本最古の和漢薬で、胃腸(特に腸!)に効き目抜群^^




こちらは中之坊客殿の「絵天井」。

昭和初期から平成にかけて、名だたる画家によって奉納された名画で
飾られる格天井で総数150枚に及びます。
この「絵天井」は今年の秋10/1~11/30に特別公開されます。

當麻寺の「祈りの回廊〜秘宝・秘仏特別開扉」の詳細はこちらで。
「東塔・西塔初層開扉」は6/20まで。(10:00~16:00)