先日に書いた「松尾寺の役行者像特別開帳」の記事の続きです。
「松尾寺」の前に訪れました「矢田寺」と「東明寺」について++
矢田寺の正式名称は「金剛山寺」、天武天皇の勅願により開基され
「十一面観音立像」「吉祥天立像」を安置したのが始まりです。
平安時代初めに地蔵菩薩が安置されて以来は地蔵信仰の中心として栄え
以降は、ご本尊も「地蔵菩薩立像」となりました。
「矢田寺」の名前で親しまれるようになったのは
斑鳩の里に連なる矢田丘陵にあることから。すでに奈良朝の頃には
「矢田寺」という名称が使われていたということです。
今回の特別拝観では、普段は立ち入ることの出来ない
本堂の内陣奥まで入ることができます。
ご本尊「地蔵菩薩立像」や脇侍「十一面観音立像」「吉祥天立像」を
正面から、のぞき込むように拝顔させていただけますし、
普段非公開の 内陣の裏に祀られている「試地蔵菩薩立像」や
阿弥陀如来坐像も拝観でき、また今回の特別拝観に合わせて作られた
「矢田地蔵縁起」のレプリカも初公開されています。
本堂の内陣奥に入れることは、もうあまり機会がないのではと
思われますが、特別拝観料500円を別途払って、中まで入られる方は
あの「あじさい園」に200人以上の人がいたと思うのに、なんと
私達を入れてたったの4人という・・・。あまりの落差に勿体無いと
歯がゆい思いをしながら、ほとんど独占状態の内陣で
ゆっくり寛ぎながら、ボランティアガイドの方の
丁寧な説明に耳を傾け、ゆっくりとお参りさせていただきました。
このような気持ちのいいお参りができましたのも
ボランティアの方の大変詳しい説明がよかったことや
お寺の方達が親しみのある接客態度でご案内して下さるなど
いろんなことが相乗的に起こったからで
モノ(秘仏)だけではなく、人というか、おもてなしの心も
寺院の中であっても大事なことだとしみじみと思いました。
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次に訪れた「東明寺」は
天武天皇の第三王子で「日本書紀」の撰者として名高い舎人親王の
開創といわれるお寺です。
ご本尊「薬師如来坐像」の板光背の表面には
墨で美しい唐草文様が描かれていたそうですが、今は残念ながら
肉眼ではわからず赤外線写真でしか見ることができません。
「雷様のヘソ」という寺宝と、お寺に伝わるへそ伝説も残されていて
なんでも東明寺の谷間には雷が絶対落ちないそうで
カミナリ除けとしてこちらのお守りの効力は効き目抜群だとか。
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「秘宝秘仏公開」は矢田寺、東明寺とも6月いっぱいまでです。
(東明寺は、6/28の公開はされていません。)
拝観時間や行き方などの詳細はそれぞれ下記サイトでご確認下さい。
矢田寺の詳細→★
東明寺の詳細→★
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矢田寺で一緒にガイドさんの説明を聞いていた女性の方と
その後に訪ねた松尾寺の石段で偶然お会いしました。
少し立ち話をして、お聞きしたところによりますと
横浜から朝一番の新幹線で来て「東明寺・矢田寺・松尾寺」を
日帰りで廻って拝観されるのだとか。
特別公開される「祈りの回廊」の秘仏拝観を楽しみにして
毎月、奈良にお越しいただいているというお話をうかがって
本当に有り難いことと思いました。
もう少し親しくお喋りをしましたら・・・なんと!
「まほろば・・・つれづれ日記」や「奈良倶楽部通信」を
参考にしていますということで。嬉しいような照れくさいような
「実は私達本人です」と思わず告白してしまいましたが
その後の3人のリアクションはご想像におまかせします^^
Mさま、お会い出来て嬉しかったです。
どうもありがとうございました。