奈良倶楽部主催イベント「岩手方言で紡ぐ宮澤賢治の世界〜祈りの楽器フランスシターとともに」…たくさんの方にお越しいただき、大盛況のうちに無事終了しました。どうもありがとうございました。
当日のプログラム、まずは有名な「雨ニモマケズ」の朗読から始まりました。今まで教科書などで目にして文章で読んだことはあっても、声に出された「音」として聴いたのは初めてかもしれません。
耳に飛び込む岩手訛りの「雨ニモマケズ」。
聞き慣れない方言での朗読に戸惑うかもというのは全くの杞憂でした。
かえって、賢治の生きた時代の東北の情景が立ちのぼってくるようで、菅原さんの朗読の世界にぐいぐいと引き込まれていきます。
ちなみに、賢治の代表作のような「雨ニモマケズ」ですが、実は没後に発見された手帳に書き留めてあったもので、賢治が自分自身に言い聞かせるための自戒のようなものとして書かれたメモだったそうです。
菅原さんの朗読に合わせて、即興で演奏されるいいだむつみさん。
目の前にあるのは楽譜ではなく、なんと「詩」が書かれたものです。
文字(言葉)を追いながら曲を奏でるという、まさしく即興演奏で
その演奏に合わせて声の強弱、間合いやテンポを変えて詩の朗読をする菅原さん。お二人のアドリブによるコラボレーションは本当に素晴らしかったです。
休憩を挟んで後半の最初は、いいだむつみさんによるフランスシターの独奏でした。とても繊細で優しい音色にすーっと心が柔らかくなっていきます。
いいださんは、詩に合わせてリコーダーやキーボードと伴奏の楽器を変えて演奏され、それによって賢治の詩の世界がより身近に親しみをもって感じられました。
最後に近づくほどに菅原さんの花巻言葉が心にしみてきて、岩手には行ったことがないのですが、その土地の空気感や匂いや情感が想像できるように伝わってきました。
岩手出身の菅原さんが震災の後、被災地の復興を応援するために始められたチャリティ活動である「岩手方言で紡ぐ宮澤賢治の詩の朗読」。
震災から3年目となる今年は、特に「3.11を忘れないで」という想いを込められました。菅原さんから紡がれる言葉と、いいださんによって奏でられる祈りの音色に、あらためて、東北の地へ想いを馳せて、自分に出来ることをしていきたいと思ったのでした。
今回の収益の一部は岩手県ユニセフ協会を通じて被災地に寄付されます。参加して下さった皆様、菅原さん、いいださん、どうもありがとうございました。
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ありがとうございました。