3/14、修二会最終日。
この日のお松明は10本が舞台に並んで一斉に火の粉を振り落とされるという、行中で一日しかない特別なお松明の日です。
裏参道の随分手前のお供田あたりから見学しました。
離れた所からの見学でしたが、1本目2本目と松明が上がって舞台を進んで行く様子も肉眼ではとてもよく見えて、間近でなくてもお松明を堪能することができました。
今年は「ブク」(服喪中)のため、結界の注連縄が切られてからの修二会聴聞となります。2/21よりこの日を心待ちにしていました。
お松明の後、暫くしてようやく注連縄が切られて結界が外されました。
14日目にして初めての聴聞。昨年までのように短時間のピンポイントな聴聞では勿体な過ぎますね。お松明が終わってずっと最後まで通しで居たのは初めてでしたが、東の局の一番前で、例年にない暖かさと足を伸ばせたことで、しっかりかぶりつきながら聴聞することができました。
お松明が終わった直後の堂内は大変な混雑でしたが、どうにか局の中に入ることができ、途中神名帳で北の茶所にて二月堂うどんで温まりました。(初めていただきましたが、何て美味しいこと!)
::
さて、せっかくですから「走り」や「達陀」を正面から拝見すべきかと悩んだのですが、そして何より観音様へのお参りを正面からしなくてはと思ったのですが、西の局の人の多さと扉がずっと開いているようなので、正面の真裏になる東の局で拝聴することに専念。
今年初役の大導師さまの滑らかな祈りの言葉に耳を傾け、二月堂に寄進のあった人などのお名前読み上げが明瞭にわかりやすくて、寄進者の皆さんがご自分の名前を聞いたらきっととても誉れ高いことと喜ばれるだろうなぁ、大導師さまもここは大事にしたいところと心を込めてらっしゃるのではと思いを巡らせながら聴聞させていただきました。
::
実は「ブク」として聴聞を控えようと決めたのは1月になってから。(一般の人には服忌令は強制されるものではないとお寺に確認しておりましたので)そう決めてからはほぼ毎日、修二会のお声明のCDを聞いていたので、耳も慣れてきて、今までは聞き逃していたような、場面場面で発せられる言葉に反応できて嬉しかったです。
美しいお声明を耳にするとどうしても高揚してしまうのですが、最終日の醍醐味はやはり「名残の晨朝」。
今年もその微音の中で、守っていただいていることへの感謝をお伝えすることができました。有難かったです。
「名残の晨朝」の余韻に浸りながらも下堂されるところは見たいと、慌てて外に出て人垣の間から記念の一枚。
それにしても、空気が澄んで奈良の街の灯りが美しい。
正面にまわってもう一度 観音様にお参りして、一年に一度、二月堂でお見掛けする懐かしい方々と少しお話を楽しんで、午前1時の奈良太郎の鐘の音を聞きながら帰宅しました。
::
最後になりましたが、修二会期間中にご宿泊いただきましたお客様、どうもありがとうございました。みなさんのお話を聞かせていただいて、14日間、私も二月堂に通っているような楽しさをいただいていました。