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2017年3月2日木曜日

二月堂修二会2017*「一徳火」と「開白法要」

3月1日0時過ぎ。ちょうど一年前が懐かしく思い出されます。
昨年は、「一徳火」「開白法要」を聴聞のお客様方とご一緒に二月堂まで上がって、このまま最後まで居たいという想いもあったのですが、これからの2週間の仕事のことを思うと無理をせずに帰ったのでしたが、自分の年齢や体力のことを思うと無理ができるのも今のうちかなと思い直して、今年は思い切って出かけてみました。
法会が始まる前の凛と張りつめた二月堂。
何もかもが静かで均整が取れ、静謐で美しい空間。

MEMO>>二月堂下の食堂での授戒(0:45「お目覚めさ」1:10「授戒」1:45「開白上堂」)を拝見していると、その後に局の中に入るのが困難なので、今回はまっすぐ局へと行きました。
昨年同様11:30過ぎに局の扉が開いたそうです。0:15に西の局到着。
初めてなので、西の局に入ってどの辺りに位置するべきか迷い、一徳火がよく見える南側に座ったのですが(前から3列目)、内陣掃除や法要の様子などを拝見するには真正面がいいと思いました。

0時過ぎ頃から練行衆が上堂される2時頃まで、局でじっと待っているわけですが、ここにいるみんなで同じ舞台に向かって登場人物を同じ想いで待っているというような、不思議な連帯感も感じたりしながら、1:40頃、「只今上堂、只今上堂」の声がよく聞こえてきて、思わず居ずまいを直します。
練行衆が一団となって上堂され、礼堂の床を差懸で踏み鳴らされます。ドンドン、ドンドン。佐藤道子先生の本から予習して知識として知っていた、床をドンドンと踏み鳴らす様子、実際にはかなり長く激しく踏み鳴らすのですね。
この後、内陣開扉(鍵のガチャガチャという音が聞こえました)、内陣掃除・荘厳に半時間ほど。練行衆の差懸の音や、真っ暗な内陣を照らす灯りがペンライトのような青い光だったことに驚きながらも、私の場所からはよく見えなかったのが悔やまれます。

内陣の荘厳が済むと、いよいよ「一徳火」です。
二月堂内外のすべての灯りが消されて真っ暗な中、堂童子が火打石で浄火を切り出します。中々火が点かないなと思った瞬間に、ぱっと明るくなって浄火が切り出されました。
一徳火松明に火がつけられ常燈に点火された後に、お松明を床を滑らせて押し遣る所作があったのですが、その動きが滑らかで美しいと感動しました。

そして「開白の法要」。
時導師の伸びのある落ち着いた声に、参籠の皆さんの声が重なり、時々聞こえるあの方この方の特徴ある声がアクセントになりながら、なんて調和の取れたお声明なんだろうと聴き入っていました。開白の法要は初めてでしたが、ゆっくりで丁寧なお声明に手を合わせながらしみじみと有り難く拝聴した次第です。
深夜3時半の下堂風景。
日中の法要になるのでチョーズチョーズは言わないのでした。
二週間にわたる大法会の開幕の法要
なんとも厳かで心に残るひとときでした。