2017年3月22日水曜日
興福寺「阿修羅~天平乾漆群像展」
「興福寺国宝特別公開2017〜興福寺中金堂再建記念特別展」は・・・
一年間の国宝館耐震補強工事の機会を捉え、西金堂内陣の宗教空間イメージを一部試みに視覚化するもので、天平の至宝・阿修羅像をはじめとする群像が醸し出す濃密な空間を体感していただくものです。
西金堂とは、母・橘三千代の一周忌供養のために光明皇后によって建立され、釈迦如来像を中心に阿修羅などの八部衆像や十大弟子像などが安置されていましたが、焼失と再建を繰り返し、江戸時代以降は失われています。
今回の特別公開は、ふだん非公開の「仮講堂」(注:以前の仮金堂のこと)にて、ご本尊・阿弥陀如来像(重文・鎌倉時代)の周囲に八部衆像(国宝・奈良時代)や十大弟子像六体(国宝・奈良時代)などを安置して、往時の西金堂内陣を再現したものです。
写真↑の左側が建設中の中金堂で右側が仮講堂。間に見えるのが北円堂です。
「仮講堂」は、中金堂の真後ろにあり、長らく「仮金堂」と称されて機能していましたが、中金堂の完成も間もなくとなり、今後は「講堂」として再興されるため、準備の意味も込めて「仮」講堂と称されることとなりました。ちなみに「仮講堂」は昭和50年に薬師寺の旧金堂が移築されたものです。
こちら↓は当日いただいたチラシより、仮講堂内部の仏像安置図です。
(ブログ内の上の文章は、そのチラシより抜粋引用しています。)
鎌倉時代初期の阿弥陀如来像を中心に、かつてあった「西金堂」の群像を再現したもので、今まで国宝館で何度も拝見していた仏像も、こういうように安置されると、仏教美術彫刻、展示品ではなく、厳かでありながらも迫力ある祈りの空間と感じられます。
確かに、国宝館で拝見した方がより間近で仏像を拝することができるのですが、こちらの方がやはり本来の姿かなぁとも思いました。
尚、今回の特別公開は前期(3月15日~6月18日)と後期(9月15日~11月19日)にわかれて開催されますが、四天王像と天燈鬼・龍燈鬼は前期のみの展示となります。
朝日デジタルより動画で内部の様子がご覧いただけます。
また、東金堂では「仏頭」も拝観できますので併せてご覧ください。
「興福寺国宝特別公開2017 阿修羅-天平乾漆群像展-」
■開催期間:3/15(水)~6/18(日)と 9/15(金)~11/19(日)
■拝観時間:9:00~17:00