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2012年4月7日土曜日

東大寺本坊「襖絵一般公開」と東大寺ミュージアム「不空羂索観音立像宝冠公開」





4月6日から8日までの期間、今年も東大寺本坊で
小泉淳作画伯が描かれた襖絵が一般公開されています。



昨年はすごい人出だったので長時間並ぶことも覚悟で出かけたのですが
今年は順番待ちもなく入ることができました。
襖絵の前でも、行列して見るのでなく
ゆっくり座って鑑賞することができたので
蓮や桜の絵から受ける印象がとても心に染み入りました。
(昨年は「吉野の桜」「しだれ桜」「東大寺本坊の桜」の三面の桜の襖絵は部屋の中で見ることができず、外からの鑑賞でしたが、今年は襖絵の部屋に入って目の前で鑑賞できるようになっています。)

「あの絵は自分のものじゃない。自分を無にして描いている仕事だから自分のサインを入れない」
「1000年先の人達に、名もなき人が無心の境地で描き上げた絵だと見てほしい」

最後の大作となった東大寺の襖絵に銘や印を残すことを固辞された小泉画伯。
その無心の境地で描かれた絵を前にすると、観ている者にも何か感じられることがあって、様々な想いに心馳せての鑑賞でした。

参考までに・・・昨年の記事ですが襖絵について書いたブログです。
2011年2月に大阪高島屋で開催された「小泉淳作展」について→
2011年4月に東大寺本坊で一般公開された「本坊襖絵」について→

トップの画像2枚は、本坊の枝垂桜。開花にはまだもう少し
でも柔らかな蕾の濃いピンクが鮮やかでした。

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さて、本坊の目と鼻の先にある「東大寺ミュージアム」では
4月3日より法華堂不空羂索観音立像の宝冠が公開されています。



宝冠は修理のため外されていたのですが、このたび修理が終わって
ミュージアムの中に、目の高さで展示されていて
これが本当に素晴らしいのです!!

間近で見ると宝冠は意外に大きくて
高さ88cm、重さは11kgもあるのだそうです。
「宝相華」模様で透かし彫りされた銀製の冠に1万数千個の宝石があしらわれ、前部には「化仏」と呼ばれる小さな仏像が付き、頭頂部に水晶玉も載せられていて、すごく豪華!そしてとても繊細で美しいです。
この宝冠を自分の目の高さで見られるなんて、これぞ眼福というものですね。