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2012年4月23日月曜日

光と影のファンタジー「藤城清治 影絵展」

奈良県立美術館で開催中の「藤城清治 影絵展」に行ってきました。
雑誌や広告で目にしたことはありましたが
影絵の原画を見るのは初めてです。

実はこの展覧会を2日続けて2回鑑賞しました。

初期作品から最新作まで200点以上の作品のボリュームや
県立美術館の会場の概念を変える迷路のような展示の仕方に
ほわ〜っと影絵作品だけを見ていた一度目だけでは消化しきれず
影絵絵本の「お話」の文章も読み切れなかったので
二度の展覧会鑑賞となったのですが
二度目はじっくり間近でカミソリの刃の痕跡を味わうという余裕も!

ある作品は、木の葉だけで10万枚以上切ったとキャプションにあり
(使用したカミソリの刃も5万枚以上ですって!)
 勢い余って切り損ねた箇所も見つけると
手仕事の膨大な仕事の積み重ねや
集中して制作されていた息づかいも伝わり
メルヘンチックでファンタジーな味わいだけでない
多彩な表情から汲み取れるものに興味がつきなかったです。

それぞれの作品には、作者の想いがキャプション展示されて
その中でも印象に残った作者の言葉があります。

作者が20代の時に初めて出版した「ぶどう酒びんのふしぎな旅」という絵本のモノクロの影絵を60年ぶりにカラーで制作し直されたものが展示されていました。
そこにあった『・・・60年間の重さと深さと厚みと凄みが出ていなければ再び作り直す必要などないだろう。・・・今の自分が内に向かってどこまで奥深く真実を掘り下げているかだろう・・・』 という言葉が、今の自分の心に響くものでした。

影絵の作品自体では、絵本「マボロシの鳥」の影絵作品がよかったし
「軍艦島」などの大作にも惹かれました。

また、奈良展のために打ち合わせで奈良に来られた今年1月に
県内の寺社でスケッチされた作品もどれも素晴らしかったです。
雪の長谷寺や室生寺の絵・・・88歳のお年で屋外でスケッチされる
エネルギーとパワーに私も元気をいただきました。
会期は6/24までと長いので、3度目の再訪ができればと思いました。

会期中には作者のサイン会も開催されます。
(4/29  4/30  5/20  6/2  6/3  6/23  各13:30〜)
県立美術館のサイトには入館料の割引き特典もあります。→
詳しくはこちらのサイトでご確認下さい。